第十一話「情報探し~キイ&シルバ~」
ちょっと短いべ。
グランガーデン新編
第十一話「情報探し~キイ&シルバ~」
元の世界へ帰る為、世界に詳しいであろう魔王について調べる事にした。
キイ、シルバはグランガーデンで。
スモモ、アカネは王都ビリングへと足を向けた。
暫く会えない事に寂しさを覚えつつ、四人は別れた。
・・・・・・・・・
キイ、そしてシルバはグランガーデンにて魔王の事を調べる。
一先ず出た意見は図書館だった。
「情報、あると思うか?」
図書館へ向かっている途中、シルバが口を開く。
顔色も変えず、キイは返答した。
「歴史ですから無いとは言い切れません。もし魔王が代替わりしてるとかで、前の戦いの記録くらいが残されてたりするかもしれません。」
キイは苦笑して続ける。
「まあ、この国について調べるならビリングで調べた方が良さそうなんですけどね。」
シルバもつられて苦笑した。
「まあな。」
……と、雑談していたところで。前方の視界に入ったのは目的地の図書館だった。
大きい。
まるでお屋敷のような外観をしている。
やがて図書館の前まで来ると、二人は立ち止まった。
「ここみたいです。」
「立派なもんだな。」
「秘書様の話によると、古くからある建物らしいですよ。早速入ってみましょうか。」
「ん。」
短く返事をし、シルバはキイの後を付いていった。
・・・・・・・・・
「…………。」
図書館に入ったキイとシルバは言葉を失っていた。
静かだ。
そして広い。
とにかく広い。
本棚がずらりと並列されており、本もぎゅうぎゅうに詰まっている。
ジャンル分けはされているようなので探しやすいだろうが……これは……相当時間がかかりそうだ。
「…………やるっきゃないですね。」
ため息まじりにキイが言うと、シルバも力無く笑った。
「…………でもまあ、今日中じゃなくていいんだ。焦らず、休憩挟みながらやっていこうぜ。」
「ですね。」
よし、と意気込み、キイとシルバは歴史の本が並べられている区画を探した。
「…………えっと……。」
キョロキョロと周りを見ながら、目的地を探す。
探すのだが…………漫画コーナーなんてものもある。
娯楽が少ないグランガーデンにとっては人気なのか、広めのスペースで並べられていた。
人気ランキング……なんてのもある。
「……あっ。シルバさん、これ。」
手招きをするキイ。
シルバが歩み寄ると、キイは一冊の本を手渡した。
「……おっ、懐かしい漫画を見つけるじゃねえか。」
「でしょ?あっ、ほら、これとか。」
指でさして示す。
キイも男、テンションが上がってしまう。
「けど私が知ってる内容とはちょっと……いや、大分違うな。絵柄も変わってる。」
手に取った漫画をぱらぱらとめくりながら、シルバは呟いた。
キイも一冊手に取ってみるが……シルバの言う通りだ。
「多分、記憶の塊なんだと思います。俺達みたいにこっちの世界に来た人が、記憶を頼りに作り上げた。無いなら作ってしまおうっていう……シルバさんの銃と一緒ですね。」
「成程な。」
休憩がてら読みたい漫画本を、いくつか持っていくことにした。
「…………いや、私達、歴史本を探しに来たんだろ。ずれてるずれてる。」
「仕方無いですよ、俺、男なんで。」
「気持ちは分からんでもないが……とにかく、歴史本探しを再開だ。」
「はい。」
虹色を読んでいただき感謝です。
いかがでしたか?
お次は23日の投稿です。
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。