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庭には虹色~異世界幻想曲~  作者: アフロペンギン
グランガーデン新編
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第十話「何度目のスタートですか」

何度目だろう、いや本当。

 グランガーデン新編

 第十話「何度目のスタートですか」




「さてさて皆さん。」


 いつもの酒場。

 テーブル席にて、キイ、アカネ、シルバ、スモモが会議をしていた。


「どうしたの、キイ。」


 キイの隣に座っていたアカネが首を傾げる。


「いつもより神妙な面持ちですね。」


 改まった態度に、スモモも気になっているようだ。


「……ねえスモモ。神妙な面持ちって何?お餅?」

「普段とは違う大人しい様子で、かしこまった表情……って感じですよ。」

「お餅じゃないんだ……。」


 がっくりと肩を落とすアカネ。


「三人は。」


 低いトーンでキイが言った為、アカネら三人は少々面を食らった。


「帰りたいって思わないのか?」

「それは元の世界にって事だよな?」


 質問で返したシルバに、キイは頷いた。

 するとシルバは一つ息を吐き、こう言った。


「帰りたいに決まってるだろ。私達、元は境遇も違う赤の他人だ。そりゃここでの出会いも大切にしたいが、だからって帰りたくないわけじゃない。それぞれ思いはあるだろうが、私は帰らなきゃいけない理由がある。」


 呼応するようにスモモ、そしてアカネも頷いた。

 それを確認したキイは安堵したように、表情を崩した。


「うん。それなら良かった。」


 張り詰めていた空気が、若干緩んだ。


「俺は帰そうと思ってた。もし皆が帰りたくないって言うなら、邪魔をするべきじゃないとも。一丸になれそうで、本当に良かった。」


 視線を落としてキイは続ける。


「だから……ちょっと厳しい事を言うかもしれないけど聞いてほしい。」

「何でも言えよ。」


 シルバの落ち着いた声にキイは笑った。

 真摯な瞳で真っ直ぐ向き、口を開く。


「魔王を探す。」

「魔王……?」

「……私、覚えてるよ。合宿所でクローン・ジュウタが言ってたよね。」


 アカネが覚えたての神妙な面持ちで話す。


「魔族の王様で、いつかこの世界を支配するとかなんとか。」


 スモモが眉を八の字にしてキイに問う。


「その魔王を探すって……どうして……?」

「魔王なら、元の世界に帰る方法を知っているかもしれないと思った。そもそも俺たちがこの世界に来た理由も、意図も、原理も、何も分かってない。それならこの世界に詳しい奴に色々と聞けば何か分かるかもしれないだろ?」

「な、成程……。それで魔王を……。物知り爺さん……みたいな人ではダメなのでしょうか?」

「聞いてみたけどダメだった。」

「そ、そんな人が居たんですね……。秘書様は?」

「あの人にも分からないらしい。俺たちみたいに別の世界の記憶を持った沢山の人を斡旋してるけど、仕事でやってるだけって。」

「じゃあ……特別手がかりがあるってわけじゃない?」

「そういうことだな。」

「うーん……。」


 腕を組んで唸るスモモ。


「だから、確実じゃないんだ。確実に帰れるわけでも手がかりが見つかるわけでもない。手探りで危険な事をする。」

「勿論、お付き合いしますよ。」

「即答だな……。」

「キイさんの手助けをしたいから、私はここに居るんです。どこへなりと付いていきます!」

「私も!」

「私だ。」


 真っ直ぐにキイを見つめる三人。


「……ありがとう、皆。」


 目頭が熱くなる。


「……よし、じゃあ頑張っていこう!まずは魔王の事について調べに行こう!」

虹色を読んでいただき感謝です。

いかがでしたか?

何回でもええやないか。

お次は21日の投稿です。

それでは、またお会いしましょう。

Thank You。

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