第八話「再会!キイ's」
再会したぞ。
グランガーデン新編
第八話「再会!キイ's」
「キイ!!」
「お久しぶりですね、クロサキさん。」
ボロボロになった魔族の上に居たのはキイだった。
一年前に再会を誓った金髪の青年。
ということは……この魔族をやったのはキイ?
「キイー!!」
「おぼっ……!!」
キイが背中から抱きつかれる。
下品な声を出して転がり落ちるキイ。
「アカネ……痛い……。」
「キイー!久しぶりーー!!!」
「うん……久しぶりだな。それは分かったから離れて……。…………ちょっと……首……絞まってる……!!!」
「キイさん!」
「スモモ助けて……!!」
ドタバタわちゃわちゃしだす広場に居る面々。
「……お前は抱きつかないのか?」
クロサキがシルバに問うと。
「あ?」
キレられた。
・・・・・・・・・
魔族処理の依頼をクロサキに任せて、キイ、アカネ、シルバ、スモモは酒場へと戻っていた。
酒場はキイ達、森林の民の本拠地でもある。
4人はテーブル席に座っていた。
「三人とも久しぶりだな。」
「私はお肉!」
「では私は珈琲を。」
「私も珈琲を頼む。」
「キイはどうするの?」
「…………。お茶で。」
「シロハネー!注文お願いー!」
「はーい!」
・・・・・・・・・
「……さて、それじゃあ改めまして……。三人とも、久しぶりだな。」
「お待たせしました!珈琲とお茶をお持ちしました!」
「ん、スモモ。」
「ありがとうございます、シルバさん。」
「シロハネ、お肉は?」
「頼んだばかりでしょ……。焼き終わるまでまだ時間がかかるよ。」
「はーい。」
「ほれ、キイ。」
「あっ、はい……どうも……。」
「それではごゆっくりおくつろぎください。」
・・・・・・・・・
「………………。ぐすっ。」
「な、泣くこたないだろ……。」
「だってだって!図ったようなタイミングで来るじゃん!」
「偶然だって……。ほら、とりあえず再会を祝して乾杯といこうじゃねえか。」
「はい……。」
「私も水持ったよ!」
「いつでもどうぞ!」
「それじゃあ、乾杯!」
「「乾杯!」」
カンッと木製のグラスがぶつかりあう。
「いやぁ、にしてもきちんと会えるなんてな。」
「良かったですよね、何事も無くて。」
うんうんと頷くスモモ。
それに対してキイは。
「いや、何事もあったよ。魔族と戦ってたじゃん。」
「キイさん!」
「な、なんだ、スモモ。」
「その話はまた次!今は再会を喜ぶ時です!」
「…………まあ、そうか。そうだよな。」
「そうですよ!」
「よし、それじゃあ盛り上がっていきたいところなんだが…………。」
キイが咳払いをした。
「……まず、俺の勝手に巻き込んでごめん。皆には迷惑かけたと思う。だからこうやって会えたのは本当に嬉しいし、その分俺も力を付ける事が出来た。改めて、パーティーとして宜しくお願いしたい。」
改まった姿勢に、他三人は黙ってしまった。
数秒の後にアカネが笑った。
「私こそ、よろしくね!」
「アカネ……。」
「私達だって、了承したから今まで押し掛けなかったんだ。」
「シルバさん……。」
「誰の為に力を付けたと思ってるんですか。」
「スモモ……。」
キイが頭を深く下げた。
「本当にありがとう……!」
「もう良いか?キイ。」
「はい、ありがとうございますシルバさん。」
「積もる話もあるだろうし、今日は目一杯楽しもうぜ!」
「うえーい!!」
虹色を読んでいただき感謝です。
いかがでしたか?
お次は17日の投稿です。
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。