第六話「赤、桃、銀、揃う」
ラフのスモモですもも。
グランガーデン新編
第六話「赤、桃、銀、揃う」
「前回までのあらすじを私、アカネがお伝えするよ!……………………………………………………………………なんだっけ……。」
「どうもスモモですもも。アカネさんの代わりに私がお送りします。」
「あっ、ダメだよスモモ!前回スモモだったんだから、私の出番だって!」
「でも忘れたんでしょ?」
「…………お、思い出すよ!!えっと……………………スモモが脱いだんだっけ?」
「何で!?いつ!?」
「えっ……さぁ……。」
「さぁじゃないですよ!前回は、アカネさんと白黒魔族が対峙したところでしょ?」
「あっ、そっか。体の半身が右黒左白の魔族と、右白左黒の魔族の2体が出てきたんだっけ。」
「そうです。」
「で、スモモはいつ脱ぐの?」
「脱ぎません!!」
・・・・・・・・・
「ねーねー赤髪さん。ここら辺でドーナツを売ってる店知らない?」
「知らない?」
右黒の後に、左黒が聞く。
「知らない。それにもし知ってたら、ドーナツは私が食べ尽くしてるし。」
構えを解かずに答えるアカネ。
油断出来ない。
双剣を構えながら、間合いを取る。
「へぇ。」
と、右黒がにんまり笑った。
「いいじゃん、いいじゃん!前とは違うねー!」
「前……?」
この魔族……会ったことがある……?
「それって……!」
その時。
タンッと。
右黒の頭が撃ち抜かれた。
「えっ……。」
アカネ、右黒、左黒、その場に居た全員が度肝を抜かれた。
「ぁ……。」
右黒が倒れた。
アカネは理解が追い付かない。
そのまま、次は左黒が倒される。
これは銃撃じゃない。
頭に蹴りが入っていた。
首の骨が折れる音がして、地面を滑り、ぐったりと動かなくなった。
「…………スモモ……?」
「お久しぶりですね、アカネさん。」
・・・・・・・・・
「大丈夫でしたか?」
久々の再会に喜びたかったが……。
「あっ。」
円状に留まっていた雷が消えた。
それに……魔族が言っていたあの言葉。
会った事がある。
それを確認したかったのだが……。
魔族はすでに死んでいた。
「……ちょっと早かったみたい。」
「え?」
「ううん。何でもないよ。それよりスモモ、よいっす!」
「よいっす!お元気でしたか?アカネさん。」
「うん。一切病気なんてしてないよ!風邪とかもひいてないし。」
「流石ですもも!」
わー!っと喜びあう二人。
「よう、アカネ。」
「シルバ!」
そこにシルバも合流した。
「よいっす!」
「…………。おう。元気だったか?」
「ノリが悪いよ。」
「……言わねぇからな。」
「恥ずかしがらなくていいのに……。」
アカネが、ぷくーっと頬を膨らませる。
その様子を見ていたスモモは笑い、シルバはため息を吐いた。
「相変わらずだな……。で、こいつらは?やったのか。」
「うん。私が知る限りじゃ、これで三体。全員さっきの雷から現れてた。」
「って事は……その雷が消えたんだから魔物はもう出てこないっつー事か。」
「多分…………。あとあれ魔族。」
「何だ魔族の方か。」
「私の事、知ってるみたいだった。」
「面識あったのか。…………いや……その口ぶりじゃ、お前は会った事無いみたいな言い方だな。」
すると、スモモが手を挙げた。
「修行中とかに会ったんじゃ……?アカネさんはそれを忘れて……とか。」
アカネは首を横に振った。
「だって私、この一年魔族と戦ってないよ。最後に戦ったのだって、グランガーデン襲撃の時だし。」
「うーん……。」
「…………まあ、いいじゃねえか。後でじっくり考えようぜ。」
シルバに諭され、納得……とまではいかなかったがアカネとスモモは酒場へと戻る事にした。
虹色を読んでいただき感謝です。
いかがでしたか?
お次は13日の投稿です。
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。