第五話「閃光」
ずばばーんとね。
グランガーデン新編
第五話「閃光」
「前回までのあらすじを、私スモモとシルバさんでお送りします!」
「突如としてグランガーデンの時計塔に落ちた巨大な雷。その雷は円になり地面に留まっていたんだ。」
「さらにそこには森林の民の女の子が駆けつけました。」
「雷の中からは、大型で人型、さらに緑色の体表をした魔物が現れた。そしてこう言ったんだ。」
「見せしめに一人殺しておくか。」
・・・・・・・・・
「やめてよ。」
そう言って、誰かが魔物を背中から切り裂いた。
「なっ……!?」
驚きを隠せない魔物。
ズシンと重い音を響かせ、その巨体は崩れ落ちた。
「大丈夫?」
「えっ…………あっ……えっと……。」
「ケガはしてないみたいだね、良かった。」
茶髪少女に語りかけてきたのはウサギ。
……の耳付きフードを被ったまた別の少女だった。
「倒したの……?」
「うん。……立てる?」
差し伸べられた手を、茶髪少女が握った。
引き起こされて、うさ耳少女がホッと一息吐いた。
「ここは危ないから、どこか安全な所に隠れていた方が良いよ。」
「で、でも、私は森林の民で……。」
「ダメ。死なせたくないから下がってて。」
「…………。」
茶髪少女は渋々頷いた。
少女自身、自分の実力が分かっていたからだ。
何も出来ない事を嘆きそうになりながら、少女は走り去っていった。
「…………。」
少女を見送ると、うさ耳は魔物を見やる。
「…………。喋ってたよね。」
となれば魔物ではなく、上位種の魔族である可能性は高い。
「こんな日にやめてほしいな……。」
大切な人と会う約束があったのに、面倒事はやめてほしい。
一度戻って酒場に報告しておこう。
魔族を倒したのに雷が消えないのは気になるが。
「……そうだよね、おかしいよね。」
まだ戻れないな。
そう思って、うさ耳少女は地面に留まっている雷を調べ始めた。
確か……この雷から魔族が出てきた。
…………うん、それだけしか分からない。
元々、考えるのは苦手だ。
「うううう~……ん~……?」
腕を組み唸る。
「んん……ん~……うん?うん……お腹空いたな……。」
「私も減ったなー。」
「私もー。」
「!?」
雷から声がした。
咄嗟に雷から後退する。
双剣を抜いて雷を睨み付けた。
「でも人間は食べる気になれないんだよねー。」
「私ドーナツがいいな。」
「あっ、じゃあ私も!」
二人。
そして女の声。
しかし現れたのは人間ではなかった。
「魔族……?」
背丈は低い。
アカネと同じくらいだ。
右半身が黒、左半身が白。
そしてそれとは逆。
右半身が白、左半身が黒の2体の魔族だった。
双子の様にも見える。
「…………。」
アカネは構えたまま、その魔族らを見る。
視界から外さないようしたいが、相手は2体。
さあ、どう出るか。
虹色を読んでいただき感謝です。
いかがでしたか?
お次は11日の投稿!
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。