表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
庭には虹色~異世界幻想曲~  作者: アフロペンギン
銀色の軌跡編
108/132

第四話「メンラー屋で語る」

シルバさんメインなだけで落ち着いた内容になるのは……何故だろう。

答えはあなたの心の中に!

多く語らず、時には意味不明。

それが私。

 銀色の軌跡編

 第四話「メンラー屋で語る」




「よう、クソガキ。また会ったな。」

「げっ……。」


 出会いたくなかったと言わんばかりの顔。

 その顔を見て苦笑するシルバは、またこう言う。


「飯、行こうぜ。どうせ腹減ってるだろ?」

「またかよ。懐柔でもする気か?」

「お前みたいなの懐柔しても生意気なだけだしなぁ。で、行くのか?行かないのか?」

「……行く。」

「フッ。」

「鼻で笑うんじゃねぇ!!」



 ・・・・・・・・・



 町でたまに見かける少年。

 どこに住んでいるか、とか。

 普段何をしているか、とか。

 そういった事情のところには深く踏み込んでいない。

 泥棒の噂は聞かなくなった。

 ただ、それに関しては何も言わない。

 見つけた時に飯に誘う。

 それだけだ。


「なあ。」


 メンラーをすする少年に、シルバは問う。


「なんだよ?」

「お前、名前なんて言うの?」

「…………ふん。」

「お前な……。」

「別に関係無いだろ。俺だって、姉ちゃんの名前知りたいとも思わねぇし。」

「おっ、まだお姉さんで通るか。銀髪だからよく実年齢より年上に見られるんだけどな。」

「本当は何歳なんだよ?」

「女性に年齢聞くなんて失礼だぜ?それにそれこそ無関係だよ。」


 はははっ……とシルバは笑った。


「気に食わないやつめ。」

「お互い様だろ。」


 またも笑うシルバ。

 それから会話が無くなったものの、シルバは少年が食事をする様をずっと見ていた。


「あのさ……こっち見るなよ、食べづらいじゃんか。」

「あ?……ああ、ごめんな。」

「……。」

「…………。」

「……何か理由あんの?」

「仲間にな、美味しそうに飯を食べる奴がいるんだ。あと……まあ、家族の事をちょっと。」

「ふーん。」

「聞きたいか?」

「別に。」

「そうか。」


 彼女は微笑み、一つの息を吐いて口を開いた。


「…………弟がいてさ、お前くらいの歳の。懐かしくなった。」

「語ってるじゃねえか。…………会えないのか?」

「ああ。まだ、な。いつか会えるよう頑張ってるんだけど……目処が立ってないんだ。」

「…………いるだけいいだろ。」

「え?」

「なんでもねぇよ。ご馳走さま。」

「ん。」

「姉ちゃんは今日も仕事?」

「まあな。ここら辺、強い魔物ばかりで相当鍛えられるんだ。」

「へー。」

「私は強くなるんだ。自分の為でもあるし、あいつらの為でもある。悲しむ姿を見たくないんだ。…………じゃあな少年。また会えたら飯に付き合えよ。」


 両手銃を背負い、シルバは会計を済ませ店を出た。

虹色を読んでいただき感謝です。

いかがでしたか?

お次は21日の投稿です。

それでは、またお会いしましょう。

Thank You。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ