謀ったな!
「はぁ、どうも、」
おっさんから名刺を受け取った俺は
名刺を見て驚いた。このおっさん。
名刺に堂々と[AV会社社長]と書いてある。
アホなの?え?名刺ってこんなんなの?
等と半眼で名刺を見ていた俺におっさんは
続ける。
「貴方は私が思うにマグロの良さを
分かっていないと思うんですよねぇ」
な、なんだこのおっさん。割りとキモい。
ぐいぐい来るぞ。やべえやつだよな。
や、俺もやべえけど、今回はこのおっさんの
方がヤバイ。うん。マジでヤバイ。
俺の考えを読んだかのようにおっさんは続ける。
「やぁ、私にも経験がありましてね。
マグロなんて誰の得になる。こんなの女優の
無駄遣いだろう。ってね」
「そうですね、この女優さん、すごく良い
アヘ顔で有名でしたもんね、」
そうそう、この女優は今でこそマグロ系の
AVに出ているが元は白目を活かした最高の
女優で…って何つられてんだ俺、!?
とにかくこのままこのおっさんに関わってると
ヤバイ!とムスコからのエリアメールが
脳へと届いた。エリアメールってえっど。
特にエリアって文字がえっど。等と意味不明な
思考へと現実逃避しかけるのを無理やり
抑え、「あ、すいません予定が、」
と一言残し足早にその場を去る。やー、
危うし。最近のおっさんは何を考えているか
分かったもんじゃない。おっさんはというと
「ええ、お時間とらせてすみません。
良き賢者タイムを!」と叫んでいた。
なんなのマジで店の中だよ!?恥ずかしいよ!?
と嘆きつつ会計をそそくさと済ませ店を出た。
そのまま家に帰った俺はあることに気づいた。
「ん、?会計を、?」…そう。俺の手には
会計の済んだDVDが1つ。恐る恐る袋から
出すとそれは───────