本屋で出会ったあの人
初の小説投稿で緊張しています。昔から何かを書くことが好きだったので、この作品が私以外の人にも愛されればいいなと思います。
私があの人と出会ったのは、去年か一昨年の春頃だった。
その日は暖かい日だったから、休日なのに外出した。漫画が好きで、休日に外出する時には必ずといっていいほど本屋へと足を運んでいた。
その日も迷わず、行きつけの本屋に入った。
「いらっしゃいませー」
店員のやる気のなさそうな挨拶が耳に入ってくる。いつものようにまずは、恋愛モノのコーナーへ向かった。漫画に苦手なジャンルはない。恋愛モノ・ファンタジー・青春モノ・BL・グロ、、なんでもいけるのは女子高校生にしては珍しいのかもしれない。
「.....」
なんだか今日は不発だ。どのコーナーをみても心躍るものがない。久しぶりに小説コーナーにも行った。だが小説を買う気分にはならず、本棚の間をただ歩いていた。
と、その時。私の目に入ってきた小説があった。それは私が小学生の時、まだ漫画より小説が好きだった時、読みふけっていたシリーズ本達だった。懐かしい、、。そう思いその本に手を伸ばした時、知らない手が、私が手を伸ばそうとしたシリーズ本達をゴソッと取った。
「えっ」
つい声を出すと、その本達を手に取った男性も「えっ」といい私に向かって振り返った。
「あっ、、この本買われる予定でした?」
先に声をかけたのは男性のほうだった。10冊ほどあるその本達を抱え、気まずそうに。
「あっ。いえ、、」
懐かしい本だったので、、。までいう必要ないと思い、男性に軽く会釈をしその場を離れた。男性と顔を合わせるのも気まずいな、と思い足早にその本屋を離れた。
「なんだかついてない、、」
久しぶりに休日に外出したのに、いい漫画は見つからないし、取ろうとした小説はあの人が取っていったし。
「どっかカフェ入ろ、、」
本屋のハシゴをする気には、なれなかった。
学校帰りにたまに寄るカフェへと入った。1人でも入りやすい店内には洋楽が流れている。
「カフェラテをミルク多めで。あっ、アイスでお願いします」
注文を済ませ、フカフカの椅子に深く座った。特にすることがなく、外を眺めた。休日だというのに相変わらず人通りが少ない。良くいえば静かな通り。ってとこだろうか。
カランカラン
静かな店内にベルの軽い音が響く。この音好きだ。
「アイスカフェラテを!あっ、ミルク多めで」
同じ注文内容だ。外を眺めていた目を注文した人へと動かした。その男性を見ると、先程本屋で出くわしたあの人だった。今日はとことんついてないらしい、私はパッと下を向いた。それは素早く。その男性の足音に耳を澄ましていると、男性は私の斜め前の席に座ったようだ。ほぅ、とため息をつく。あそこからならば私が視界に入ることはない。それでもなんだか落ち着かず、私は席を立ち店内の奥にあるお手洗いへと向かった。厨房からは「お疲れさまでしたー」なんて私の気持ちとはかけ離れた明るい声が聞こえた。
「ありえないでしょ、、」
扉を閉じて呟いた。こんな偶然あるんだ、、。取り敢えずあの人と背中合わせになるように、元々座っていた席の向かいの席に座ろう。そう決めてお手洗いからでたその時、
「あっ、そのお客様です!」
声がしたほうを見ると、厨房の中にいた男性が身を乗り出し、私に向かって伸ばした手を向けた。何事かと思い、厨房の男性の目線を辿ると、1人の女性のウェイターがお盆にコーヒーカップを乗せあの人の席の目の前にいた。そうなると自然とあの人へと目を向けてしまう訳で、まずいと思いながらもあの人を見てしまった。
バチッ
私にはそんな擬音が聞こえた。お察しの通り、あの人と目が合ってしまった。少し、目を見開いたように、見えた。
「そのお客様が先にアイスカフェラテを注文されました」
「あっ!すみません!失礼致しました、、」
「えっ。あっ、、俺は全然!気にしないで下さい」
目の前で会話が繰り広げられる。私に先に出すはずだったカフェラテをあの人に出そうとしたみたいだ。その場に立ったままいる訳にもいかず、お手洗いの中で決めた席へとなるべくあの人と目を合わせず座った。あの人に、じっ、と見られている気がした。席に座ると先程のウェイターがこちらに駆け寄り、
「大変失礼致しました。こちらアイスカフェラテのミルク多めでございます。お待たせ致しまして申し訳ございません」
と丁寧にコーヒーカップを私の前に置き、お辞儀をした。
「だ、大丈夫です、、」
その会話中も背中に視線を感じて、ウェイターに上手く受け答えできなかった。誤魔化すようにカフェラテに口をつけると、ウェイターはお辞儀をし、厨房へと戻って行った。店内に妙な雰囲気が漂う。いや、私が勝手に感じているだけかもしれないが。
カフェラテを3分の1くらい飲み、やっとアイスが効いてきたのか少し冷静になれた。何故私は、あの人に対しあんなに気まずい思いを抱いているのか。思い出してみれば先程の本屋も、あの人に醜態を晒したわけではない。私が一方的に何故か恥ずかしがっているだけだ。そう、自己完結するとなんだか気が楽になった。次の一口からはキチンとカフェラテを味わえる。そう思いコーヒーカップに口をつけた時、
「あのー、、」
私は勢い良く声のしたほうへ振り向いた。誰が声をかけたのか直感でわかり勢いがついたのだ。
「さっき、本屋でお会いしましたよね?」
あの人だった。
書いている内に書きたいものが増えていき、一話完結にしようと考えていたのですが、出来ませんでした。中途半端に終わっていますが、もう少しお付き合いお願いします。




