灯火
腹立たしいほど自己評価が低い
君にどう伝えようか考えた
強く腕を引いて抱きしめたなら
言葉が無くても伝わるかな
この胸の中日々巣食っていって
君を呑み込もうと暴れ出したい
好意を疑えるその鈍感さが
憎らしいほど愛しくなるんだ
愛の言葉なんて正攻法は
全部否定されて終わるから
君が君自身を必要以上に
無意識に貶し尽くすから
この胸の中日々巣食っていく
何も飾らない君がいればいいのに
好意を拒むその頑なさが
守っている傷を剥ぎ取れたなら
望まれなくたっていい
嫌いになってくれていいんだ
君は君が思っているほど弱くはない
必要ない存在なんかじゃない
伝えられるだけでいい
伝わるならどんな手段だっていい
強く腕を引いて抱き締めてみた
そこに戸惑いすらない君がいた
何もかもが君をすり抜けて行く
この言葉も感情も体温すらも
いっそ酷い罵倒でもし尽くして
君に何かを刻んでやりたかった
でもそれすら伝わらなかったら
そう考えるだけで怖くなった
望む前から終わっていた
そもそも何も始められなかった
もう君を想っているのかさえ
考えるのをやめたくなったんだ
まるでそんな葛藤さえ全部
君は全てをただやり過ごして
何もかもが通り過ぎていくのを
じっと待っているかのようだ
全部が全部君の思い通りに
進まないってことを証明したくなった
そんな感情すら届くのだろうか
分からないから今日も愛してしまうんだろう
君の瞳から迷いが見える
何かが生まれていると気付いた
灯火のような淡い希望を
見失わないように手を伸ばす
この胸の中日々救われてた
強く脆い君に触れるたび
君が必要だと叫びながら
必要とされるような人間になりたいって思えたから
本当は望まれたい
嫌われたくもない
僕は君が思うより強くなんてない
それでも伝わるなら
微かな願望でも
この感情の全てを
今日も君に届けたい
(C)Aoi Tact
昔々に公開した作品のスピンオフ的な位置づけの一作だったりします。
(お題解答作でなろうさんには転載しないため、ここではさくっと触れます)
当時その作品を書いてる最中からふわっと頭の中で鳴っていた音があって、
ただその音に合わせるにはそちらは完全に女目線で書いていたので、なんか違うなと思いつつで。
何年も経った今年になって急にむくむくと、アンサーというよりスピンオフなこの一作を書き初めて、
・・・そこから数ヶ月放置してたんですが(おい)やっと形にできました。
といっても完全に音に合わせきれなくて、音無しカテゴリに入れています。
ドライすぎる女子と俺様感溢れる男子の近くはなく遠い現状の心の距離を。
結構妄想力を爆発させました。