『真†双姫夢想』
祝・総合評価2250突破!
前話の追加改稿を9月の1日に行いました
1ヶ月経ってますね
これのどこが近日中なのでしょうね
はい、申し訳ございませんでした!!
前話の後半部分を今月分にしようか本気で迷った
そして今話は作者である俺が本気で忘れてて体育祭編でも登場できなかった、というか今まで2回ぐらいしか名前を呼ばれてないであろうキャラを登場させてあげました
作った以上は出番をあげないと……
それは、波乱の体育祭が終わって数日経ったある日のこと———
「『真†双姫夢想』?……何それ?」
「え!?銀河お前……知らないの!?最近めっちゃ有名なゲームなのに!?」
ご存知、ないのですか!?みたいな感じで驚かれても……知らないものは知らないんだから仕方ないだろう。
俺は人並みにはゲームする方だぞ。
特に対戦ゲームやパーティゲームは結構やる方だ。
そんな俺が1度も聞いた事ないなんて……そのゲームの方がマイナーなんじゃないのか?
「ちなみにそのゲームのジャンルは?」
「本格三国志恋愛アドベンチャー。まぁ簡単に言えば歴史風味のギャルゲーだな」
「あぁ……どうりで俺が知らないわけだ……」
友人……喜多嶋 閬の説明でやっと納得できた。
ちなみに閬と、同じく俺の友人である優也はC組。
体育祭ではC組は圧倒的最下位だったし、閬と優也と競技で対戦する事もなかった。
つまり完全に空気だった。ドンマイ!
「俺、ギャルゲーって人生で1回もプレイしたことないだよ……」
「マジで!?なんで!?別に二次元が嫌いってわけじゃないんだろ!?」
「そこまで驚く事か…?それと……ほら、もしギャルゲーしてんのが蓮名と想愛に見つかったら……ね?」
「あ〜………なるほど。うん、超納得」
昔、友達から借りたエロ本を双子に文字通りの意味で八つ裂きにされた事があるからなぁ……。
その後蓮名も想愛も、そしてもちろん俺も大反省したから同じような事はないだろうし、それにエロゲーじゃない普通のギャルゲーなら何も心配いらない……はずなんだけどなんかちょっと怖い。
いくら蓮名と想愛といえども、さすがに二次元の女の子相手なら攻略しても怒らない……はず……かどうかわからない……。
逆に蓮名と想愛だからこそゲームの中とはいえ俺が女の子を口説くのを許さなさそう。
だから今までギャルゲーというのをやってこなかった。
「逆に閬の方はどうなんだ?彼女さんが嫌な顔とかしないのか?」
「俺の方はもともとオタク趣味が一致したおかげで付き合うようになったからな。むしろお互いめちゃくちゃやり込んで感想を言い合う関係だ!」
閬は一存と同じで俺の友達の中では数少ない彼女持ちだ。
そもそも俺の友達が数少ないとかいうツッコミはスルーする。
そして優也は彼女を作ってもすぐに別れてしまうので数に入れない。スルーする。
「でもそっかー、せっかく銀河に貸そうと思ったのに残念だなー」
「あぁ、悪いな。……というかどうして俺にギャルゲーを貸そうと思ったんだ?キクゴローや優也の方がそういうの好きそうだろ」
「それはだなー、ゲームのストーリーがだなぁ〜………説明するのがめんどいからあらすじみてくれ」
そう言ってブレザーの内ポケットから『真†双姫夢想』のパッケージを取り出す閬。
……なんでポケットに入れてんの?
……ていうかなんで持ってきてんの!?
先生にバレたら説教&没収されるぞ!?
……まぁとりあえずパッケージの裏に書いてあるちょっとしたあらすじ読んでみるか…。
「え〜〜と……『これは主人公である玄徳君が義妹で双子の雲長ちゃんと翼徳ちゃんと一緒に3人だけの理想郷を建国する純愛双子恋愛AVGです』…か。……ジャンルにあった本格三国志の部分はどこいった!?」
「まぁまぁ、そんな些細なこと気にしたらダメですぜ」
しかも3人だけの理想郷って……。
もしや孔明君や子龍君は建国して御役御免になったら処分するつもりなのか……!?
……まぁいろいろと言いたいことはあるが……閬がこのゲームを俺に勧めてきた理由はわかった。
というかなんなんだこの超俺向けのストーリーは……めちゃくちゃ気になるじゃないか……!!
ぜひともプレイしてみたい……が……2人の反応が怖い……!!
『ガラッ』
「—————ッ!?」
「な—————ッ!?」
———なんてパッケージを片手に逡巡していると唐突に先生が教室に入ってきた。
まだ次の授業まで少し時間あるのに!?
なんでこんな時に限って……!!
と、いろいろ文句を言いたいが今はそんな暇はない。
俺は今、危機に立たされている。
なぜなら……今現在俺の手に『真†双姫夢想』があるから!!
これはマズイ。かなりマズイ。早急にどこかに隠さないと俺が説教されてしまう……!!
しかも友人のゲームを没収されるとか1番最悪なパターンだろ…!
そう思い、俺は—————
「———せいっ!!」
『ズボッ』
———全力で自分のカバンの中にゲームを突っ込んだ。
そしてそれを見届けた閬は急いでB組から退散し、自分のクラスへ戻っていった。
……………。
真†双姫夢想、どうしよう……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、お互いに移動教室があったり、閬が放課後に急用があるのにB組の帰りのHRが長くなったりして、結局『真†双姫夢想』は閬に返却されず、未だに俺のカバンの中にあった。
……どうしよう。どうすればいいんだ、コレ……!?
閬はもう帰っちゃったし……かといって別の友人に又貸しするのは気が引ける。
……仕方ない、これは俺が責任とって持って帰るか。
そして深夜に人知れずプレイするとしよう……。
俺だって二次元を愛する……とまでは言わないけど二次元に関心がある男だ。ギャルゲーにも興味ある。
今までやってこなかった分、余計に興味が湧いているのかもな。
……なんて考えてる内にいつも集合場所に蓮名と想愛がやってきた。
まずはこの俺の事になると洞察力凄まじい双子からなんとか隠し切らないとな!
……あれ?そもそも隠す必要なくない?正直に話せば………まぁいいや!!
「よぉ蓮名!想愛!さぁ帰ろうぜ!!」
「お兄ちゃん、何か隠し事してない?」
「お兄様、何か隠し事してないですか?」
会って2秒でバレた!?
……いやいや、まだこの時点ではただの直感のはず。根拠のない問いかけ……のはずだ。
今ならまだ誤魔化せる…!
「な、何を言ってるんだ2人とも……」
「お兄ちゃん、私達に嘘つくの?」
「お兄様、お仕置きが必要ですか?」
「ごめんなさい許してくださいもう二度としません本当に申し訳ございませんでした!!」
全身から血の気が引いて代わりに大量の冷や汗と脂汗が出てきた。
これから夏本番だってのに寒気がする。身体の震えが止まらない……。
今の2人の眼はヤバかった。まさに深淵だった。深淵に見られたから深淵を見た。ニーチェ先生助けて!
「実は……その……友人からゲームを借りまして……」
とりあえず全部正直に話した。
何故か途中で愛の告白を5つほど添えて。
なんで最初に正直に話さなかったんだ俺は!叶うなら約40秒前の自分にDメールを送りたい……。
ま、まぁ落ち着け。そんなに慌てる事じゃない……気がしないでもなくもないではないか。
これはただの恋愛ゲームだ。最近話題の普通のゲームだ。
だから蓮名も想愛も怒りはしないだろう。
そうだ!いつか現実で蓮名と想愛に実践する為の恋愛テクの勉強だと言えば—————!!
「「ダメ(です)」」
「でっすよねー」
「……と、さっきまで思ってたんだけど……」
「このストーリーを見て考えが変わりました」
「え?いいの!?」
どうやら『星鏡の双姫』は真†双姫夢想のストーリーをよほど気に入ったらしい。
なんかキラキラした目でパッケージを見てる。
そしてチラッと俺を見る。
これは………マズイ。
さっきとは違う意味でか〜な〜りマズイ。
これは早急に話題を変える必要がある。よし、さっさと帰ろう。
「疑いも無事(?)晴れた事だし、蓮名、想愛、遅くなる前に帰ろう!」
「そうだね、早く帰ってこのゲームで遊ぼう♪……まぁ私と想愛は後ろで見てるだけだけどねー★」
嫌な予感が的中したー!!
双子の義妹を攻略するゲームを双子の妹?に見られながらするのは……さすがに恥ずかしすぎる!!
違うからー!こういうのって1人でするゲームだからー!!
「あ、それと晴れたも何もお兄様が私達に嘘をつこうとした事実は変わらないので後でお仕置きですよ?」
予想外の方向からさらなる不幸が!?
「さぁ、早く帰ろう?お兄ちゃん♪」
「さぁ、早く帰りましょう?お兄様♪」
「………ハイ」
この妹達に嘘はつけない。それも、いろんな意味で。
その事を改めて思い知らされたのだった……。
来月は忙しいため、今月分(8月)のを急遽二部構成に変更しています
なので今話も次話も少し文章少なめです




