クラス対抗リレー
祝・総合評価2150突破!
また続けてこれを書ける喜びを忘れぬように頑張ろう
前話の追加改稿を24日に行いました
24日を近日中と言い張るやつがいるらしい
驚きだよね、ビックリだよね、まぁ俺なんだけどね!
『それではァ!クラス対抗リレーの選手入場デスッッッ!!』
最後の競技だからだろうか、無駄にテンション高い放送部員のアナウンスによって俺達は競技場へと、死地へと向かった。
まさに選手入場DEATH。
まぁさすがに死ぬほどじゃないけど精神がすり減らされるぐらいしんどいぜ……。
競技が始まる前からめちゃくちゃLOWテンションだが……初出場でいきなりアンカーやらされてるんだ、これぐらいの愚痴は言ってもかまわないだろう。言ってはないけど。
クラス対抗リレーに出場するやつってわりと固定化されてるよね。
だからなおさら場違い感というか疎外感を強く感じるわけだが……。
「銀河、一存、せっかくだから勝負しようぜ!」
「お、いいなそれ。じゃあ一位になったやつが敗北者2人にジュース奢ってもらうってことで」
「よし乗った!銀河もそれでいいよな?」
……疎外感があった方が良かったのかもしれない。
親しい友達がいるせいでこんな無茶で無謀な勝負に強制的に参加するハメになってしまった。
っていうかなんでこの3人の中の誰かが一位を取る事を前提に話してんの?
二位以降になるとは考えないの?
先の戦いの敗北者には理解できません。二位じゃダメなんですか?
まぁでも……俺も蓮名と想愛の前でこれ以上負けるわけにはいかないからな。
二位じゃダメでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『位置について………よ〜〜い……………ドン!!』
\ワアアアァァァァァアアアアア!!!/
ついにクラス対抗リレーが始まった。
……ついにクラス対抗リレーが始まってしまった。
覚悟はしてきたし勝てる気がしないが負けてやる気もないが、それでも緊張がヤバイ。
蓮名と想愛関連以外でこんなに心拍数上がるのっていつぶりなんだろう、それぐらい心拍数もヤバイ。
俺の心臓働き過ぎじゃない?大丈夫だろうか、少し心配になってきた……が、蓮名と想愛の隣に居る以上、心臓の過剰運動は覚悟してたことよ。
過労死さえしなければ勝手に働け。
俺は自分に厳しいんだよ。
とかなんとか思っているうちに一番手がもうすぐゴールしそうだ。
俺のクラスであるB組は……4位か、なんとも言えねぇ順位だな。
でも3位との距離はかなり短いからわりとすぐに追い抜けそうだ。
しかし5位もそのすぐ後ろにいるから逆に追い抜かされる可能性も大いにある。
まぁあれだ、結局は2番手しだいだな。頑張れー。
ちなみにこのクラス対抗リレーは全8組で行われている。
さすがは日本屈指のマンモス校と言うべきか……少子高齢化が進みまくった現代日本では異例のクラス数だ。
まぁでもそのおかげで体育祭やら文化祭やらが張り合いが出て楽しくなるんだから個人的には万々歳よ。
普段人が多くいると鬱陶しいけどお祭り行事に関しては人が多ければ多いほどなんかテンション上がる。
この気持ちわかんねぇかな?ちなみに蓮名と想愛の2人はわからなかった。
わからなかったというか『気持ちは理解できなくもないが、それでも人ゴミには近づきたくない』的な感じだった。
まぁあの2人は人混みというか男性が苦手だからなー。
というか苦手を通り越して男性恐怖症なのだから人混みがダメなのも当然か。
人混みが人ゴミに聞こえたのもきっと恐怖症が原因なのだろう。
それ以外の他意はない、はず、きっと、おそらく、たぶん……。
……そ、それよりも今一番重要なのはクラス対抗リレーよ!
もうすぐ2番手が帰ってくるけどB組は……5位か、ちょっと下がってんじゃねぇか。
ちなみに1位には洋のクラスであるD組、2位には一存のクラスであるA組だった。
本当に1位を狙える位置じゃねぇか……。
それでいてアンカーがあいつらなんだから、こりゃ確かに上位に入る事前提に物事を考えるようになるわ。
「お、俺のクラス1位じゃーん♪」
「2位か……まだなんとかなる順位だな」
「………マジかー……」
「どーするよ銀河、このままだと最下位確定だぞー?」
「これは銀河が覚醒するしかないな」
「だ、大丈夫だ!3番手の選手は俺よりずっと足が速いからな!だからなんくるないなんくるない!!」
嘘である。
あ、いや3番手の選手が俺より足が速いのは本当なんだけどさ。
つまり……『大丈夫』や『なんくるない』の部分が嘘である。正直言ってかなりヤヴァイ。これはマジでヤヴァイ兵長。誰だそいつ。
ぶっちゃけると俺が足の速さで洋や一存に勝てる可能性は限りなく低い。
可能性がないわけではないが、それでもほとんどない事には変わりない。
でもこれはリレーなんだ。個人競技ではなく団体戦なんだ。だから俺にも勝機はある。
ただ勝つ為には俺が走る番になる前にB組が圧倒的な差をつけて1位になる必要があるってだけで……。
つまり今のB組のこの順位はかなりマズイ。
いくら3番手の選手が速いといえどもこの順位から1位に、それも2位と圧倒的な差をつけての1位になるのはかなりキツイ……どころかほぼ不可能だろう。
それこそ俺が覚醒するか蓮名と想愛の謎の双女神パワーで奇跡でも起こさない限り、な。
……まぁそんなことは普通ありえない。
でも……勝負というのは何が起こるのかわからないものだ。
そして………アクシデントとは急にやってくるものだ。
「———ぅおッ!?」
「な———ッ!?」
「………えっ!?」
ドンガラガッシャーーーン!!!
『おおーっとォーー!!先頭集団がまとめて転倒ーーッ!!結構激しい音がしましたけど大丈夫でしょうカァァァ!?』
先頭集団がバトンパスした際、失敗したのだろうか、1人が落としたバトンを拾おうとした。
……そう、一番混雑する場所で立ち止まってしまったのだ。
そんなところで急に立ち止まってはゴールに向かって闘牛のように全力で突っ込んでくる後続選手達を避けきれるわけもなく……盛大にぶつかり、こうしてみんなまとめて激しく転倒しまった。
こうして先頭集団……D組やA組の選手達が倒れているなか、ギリギリ大転倒に巻き込まれない距離にいた選手が華麗にバトンパスし、颯爽と駆け抜ける!
「……あ、1位になった…」
それが我らがB組だった。
……いや、うん、なんて偶然。A組達に配慮せずに言うとなんて奇跡。
本当に蓮名と想愛の双女神パワーが発揮されたのだろうか。
まぁもし仮にその謎神秘天使パワーが発揮されたとしても、さすがに対戦相手を蹴落とす為に使ったなんて………普通にありえそうなのが怖いな、マジで。
蓮名も想愛も俺以外の事はわりと本気でどうでもいいと思ってるからな、邪魔する者は遠慮なく排除しそうだ。
そんなところがほんの少しだけ怖くあり……そしてかなり嬉しくもあるんだから俺も相当ヤバイな。
まぁ超今さらすぎてそれがどうしたって感じだが。
そんな現実逃避をしているうちに最終競技は最終局面を迎え、俺達はバトンパスの列に並んだ。
B組は………お!わりとブッチギリの1位じゃん!!
やっぱりあの大転倒で倒れてる先頭集団を一気にごぼう抜きできたのがよかったな。
ってことは俺が列の1番手前か。
……なんか気分良いな。
そして対戦相手(?)のD組とA組についてだが、D組は5位。そしてA組はなんと最下位の8位だった。
どうやら転倒した際に足をケガしたらしい。
それにD組もA組もアンカーに洋や一存といった圧倒的エースを置いているからか、他の選手達より遅い人を配置していたそうだ。
………それでも俺よりは速いんだが……
ま、まぁとにかくそんなこんなで奇跡的にB組が1位を独走している。
これはラブコメの神さまが蓮名と想愛にカッコイイとこ見せつけてこいと言っているに違いない!このチャンス、決して逃してなるものか…!
洋にはまだ追いつかれる可能性があるが……一存の方は敵にならないだろう。いくら一存の足が速いからってあの順位から俺や洋を抜かすなんて事はほぼありえない。
それこそもう一度奇跡が起きない限りはな。
もう私語厳禁なので口には出さないが、一存にはご愁傷様と言っておく。言わないけど。
と、なると敵は洋だけか……。
もちろん敵は全クラスだが今は洋に勝つ事だけを考えてればいい。
蓮名と想愛がいる手前1位を狙うのは当たり前だけど、その事を改めて考えると緊張してしまうからな。
なんて事を考えてる間にB組の3番手の選手が来た。
そして俺はバトンを受け取るポーズをとる。
………さて、いっちょ頑張るか!!
今より少し未来という誰もが忘れかけていた設定の日本なので8クラスでもマンモス校と呼ばれています




