ボーイズノーマルトーク
祝・総合評価1600突破!きゃっほう
現実でもゴールデンウィークに入ってますが、作中ではまだ2日目の夕方です
そしてまたまたやっちまいましたぁぁぁ!!!
正直に言って寝落ちです。起きたら日付が変わってました。
前話の追加改稿を11日に行いました
蓮名と想愛と鈴子ちゃんが部屋で話していた頃、俺も烈と部屋で話していた。
「いやー、カラオケなんて久々に行ったなー。しかもあんな長時間も」
「そうなのか?まぁ実は俺もそうなのだが。でもなんか少し意外だな」
「意外?」
「あぁ、だってここって正直言ってかなり田舎だろ?超が付くほどド田舎だろ?だから比較的近くにあるカラオケには結構行ってるんじゃないのかって思ってさ」
なるほど、確かに。
それに俺も蓮名も想愛も別にカラオケが嫌いなわけではない。むしろ好きだ。
好きなんだけれども……。
「カラオケが嫌いなわけではないが……俺達にとっては俺と蓮名と想愛の3人で部屋でのんびりと過ごす方が楽しいからなぁ」
「……なるほど、滅べ」
……あれ?
「烈、どうしたんだ?いつものお前なら『OK、お前が惚気話をしたいのがよくわかった。歯ァ食い縛れゴラァ!!』とか言いそうなのに」
「お前なぁ…!……いや、でもいつもならそう言うだろうなぁ、俺」
「ならどうしたというんだ。調子が悪いのか?それとも頭が悪いのか?」
「OK、お前が俺を少しも心配する気がないのがよくわかった。歯ァ食い縛れゴラァ!!」
「上等だァ!滅べオラァ!!………で、どうしたんだ?」
「別にどうもしてねーよ。ただお前と蓮名ちゃんと想愛ちゃんの仲にいちいち嫉妬するのが疲れただけだ。……やっと昔のように普通に話せるようになったんだから、な」
「………そうか」
烈は蓮名と想愛のことが好きだ。
そしてそれは決してそこら辺の野郎共のように見た目だけで判断した浮ついた気持ちではなく、俺と同じように昔から2人のことをよく知っているから2人とも好きになったというものだ。
2人同時に好きになっているが、それでも真摯な気持ちの『好き』だ。
だが、そんな烈は3年前に蓮名と想愛を激怒させ、盛大にフられ、嫌われてしまった。
その嫌われた理由というのが『兄と殴り合いのガチ喧嘩をしたから』だからある意味俺のせいともいえる。
……ま、まぁあの頃は俺も烈も中学2年生という人生で最も愚かな時期だったからね、ちょっと感情的になりやすかった。
だからなんというか……その……若気の至りというものだよ。
……高校2年生の分際で何言ってんだ、俺。アホか。……アホだった。
でもまぁ、もし仮に喧嘩しなかったとしても蓮名、もしくは想愛、もしくは両方と烈が結ばれるなんてことは万に一つもないから俺が気に病む必要はないな、うん。
「まぁ惚気話で俺の右に出る者はいないからな。ねぇ聞いて、ステキな恋をしてるの」
「うるせーよ」
だからいつも通り、今まで通りに烈をおちょくる。
ここで申し訳ない気分になるほど俺は生半可な気持ちで2人の隣に居るわけじゃない。
恋は戦争なんだ。特に俺は2人同時というかなり異常な恋をしているのだから、フラれた相手を嘲笑うぐらいの心持ちでいかなくてはいけないんだ。
負い目を感じてしまう程度の覚悟なら別れた方が良い。その方が相手のためにも、自分のためにも良いから。
……まぁそんな理由もあるけど……普通に烈をからかうの面白いからなぁ。やめられない止まらないってやつ?
シリアスな空気なんて笑い飛ばせばいい。
暗い雰囲気なんて3年前のあの時期だけで充分だ。
「蓮名と想愛への恋心を忘れるなんて一生できないとは思うけどさ、新しい恋を始めたらどうだ?まぁ俺の妹達よりも優れた女性などいるはずもないがな!!」
「ぐっ…!……でも確かにその通りなんだよなぁ…」
ちなみに蓮名と想愛のことを好きになったままで恋人を作った俺の友達、優也は彼女との仲はあまり良くないらしい。
ここらへんが恋の呪いだよなー。恋ってさっき俺が言ったように覚悟とかもいるしそんなふわふわした感情じゃないんだよなー。嫉妬とか独占欲とかで結構ドロドロした感情なんだよなー。
この緊張感が人を中毒にさせてしまうんだろうか。だから何度も恋したり浮気、不倫をする人が絶えないんだろうなー。
浮気ではないとはいえ2人を同時に愛する身としてはその緊張感はイヤという程味わっている。でも慣れそうにないや。
「烈ってムカつくことに顔だけは良いんだから明るい雰囲気さえ醸し出しとけばいくらでもモテるだろ」
「『だけ』って言うな。強調するな。あと性格の悪い奴にモテても面倒なだけだからな?」
「……モテてんじゃねぇか、滅べ」
こんなこと言ってる俺よりは明らかに性格が良いに決まってるし、なによりイケメンなのだから学校ではさぞかしモテてるんだろう。
それでもまだ彼女がいないということは、それだけ烈が蓮名と想愛への恋に本気だったということだ。
だからこそ、烈には新しい恋を始めてほしいと切に願う。
「明るい雰囲気っつってもなぁ……銀河だって明るい雰囲気って方じゃないだろ。どんな感じだよ」
「む、そうだなぁ…。明るい雰囲気……楽しい感じ………そうだ、烈。試しに俺に曜日を聞いてみろ」
「曜日?…まぁいいか。なぁ銀河、今日って何曜日だっけ?」
「毎日が恋曜日!」
「うざっ」
「恋の木曜日♡」
「うざっ!!」
「……ごめん烈、言っといてなんだけど言ってる方もビックリするぐらい超うざく感じるわ…」
「なぜやった!?」
失敗した。失敗した。失敗した。
言っている本人がこんなにもうざく感じてるんだから、もし言われる方になったらおもわず相手を殴ってしまうかもしれない。それぐらいうざかった…。
つーかそもそも無理に明るく振る舞う必要はないんじゃねーか?
だって烈は何もしなくてもそのままでモテてるし、俺は蓮名と想愛以外の女性に好かれる必要もない。
変に振舞っていてもいつかは素がでるだろうから、それなら最初からありのままの姿を見てもらう方が良いだろ。
まぁ、つまり…
「何ともならねぇな。残念ながら烈はこれから先どれだけ努力しても(これ以上は)モテないな」
「そんな悲しいこと言うなよ!?俺だってまだ何かを改善する余地があるだろ!……たぶん!」
余地があってたまるか。すでにモテてる奴はこれ以上モテねぇよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そういえばさ、銀河と蓮名ちゃんと想愛ちゃんって学校ではどう過ごしてるんだ?確か星鏡学園って中等部と高等部が隣同士だっただろ」
「あれ?言ってなかったっけか?」
「うん、聞いてない。だってこうして長々と話しするのも久しぶりだろ?だから昔から気になってたことでも聞こうかなーって」
あぁ…そういえばそうだったっけかな。
でも残念ながら烈が期待してるような面白い話はできないんだよなぁ。
「蓮名と想愛とは登下校は一緒だけど学園内では滅多に会わないぞ」
「そうなのか?意外だな」
「あぁ、なにせ蓮名と想愛が『兄以外の男に心からの笑顔を見せたくない』って言ってくれたからな。こんな嬉しいこと言われたら言われた通りにするしかないだろ」
「それで他人に笑顔を見せないために、笑顔にならないために銀河に会わない…か。なんというか……すごいな、発想が」
正直俺もそう思う。
普通の人なら絶対にこんな考えは思いつかないだろうし、仮に思いついたとしても実行はしないだろう。
しかし、かくいう俺も2人の笑顔をそこら辺の野郎共に見せたくないと思ってしまっている。
だから2人からこの提案を聞いた時、実は嬉しかった。……俺も普通の人の思考回路じゃなかったってことか。まぁわかってたことだけどな。
「だから学園生には俺と蓮名と想愛の関係を知らない奴も多いんだよ。そしてそんな奴らが2人に告白したりするだぜ?その恋に対して本気じゃないことが丸わかりなんだっつーの」
「銀河って相変わらず蓮名ちゃんと想愛ちゃんに手を出そうとする男共に対してはものすっごく辛辣だよな」
「そりゃそうだろ。だって登下校中の俺と2人を見たらその関係はわかるだろ?なのにそれを知らないということは2人にそれほど興味がなかったってことだ。普通好きな人の事については調べるだろ?登下校のルートや家の場所、身長体重血液型は当然として、スリーサイズや靴のサイズまで知りたがるものだろ?」
「いや、それは変人を通り越してストーカーの発想だからな?『普通の人』ならそんな考え方しないからな?」
え……ス、ストーカー!?
「うぐ…!?ストーカーは…ストーカーだけは絶対に嫌だな…。……俺が悪かった、もう二度とこれが普通の人の発想だなんて言わない」
「なんでそこまで………あ!……その…すまん。さすがにストーカーは言い過ぎた」
烈も思い出したようだ。蓮名と想愛の親友を死に追いやったのがどんな奴だったのかを。
あれと同じ発想をしているというのは死んでも嫌だった。
「……………」
「……………」
……なんか、一気にものすごく気まずい空気になってしまった。
これはいかん。いかんですよ…!俺の失言のせいでこうなったのだから俺がなんとかしなければ…!
何か楽しい話題を……わだいを……WA・DA・Iを……!
「そ、そうだ!烈の方こそ学校ではどんな感じなんだ?」
「え?ん〜……。特になんの変哲もない普通の学校生活だが?」
「……………」
「……………」
また沈黙。
ヤバイ、ヤバイぞこれは…!このままでは話が終わる……………わけ!には!いかない!!!
だって俺のせいで気まずくなったのだから!!
「そ、そんなことはないだろ。だって一応お前も篠宮の血筋なわけだし何か面白い事の一つや二つは起きてるだろ?」
「銀河お前…うちの一族をなんだと思っている」
「変人」
「へんっ…!?ちょっと待て!俺達のどこが変だ!」
「蓮名に想愛、烈に鈴子ちゃん、ついでに新斎義父さんを見てそんなことが言えるか?」
「………確か俺の学校生活についての話だったよな、え〜っとそ〜だな〜」
この野郎、話を急に変えやがった。
ほんと、篠宮の一族は美形になるかわりに性格に何かしらの問題がある呪いでも受けてるのかね?
「……あ、そういえばこの前また告白されたぞ。金髪の見た目も言動もチャラい奴だったからもちろん断ったけど」
よし、滅べ。
うたわれるもの超楽しい
アクアプラスは名作揃いですぜ




