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双子の部屋

祝!総合評価1450突破!……からの1500突破!!

……この作品がいつのまにか2周年突破していたことに今気づいた……

……マジで!?マジだ!!ゥワァーオ!!一ヶ月に一回投稿とはいえよくここまで続けたなぁ俺!!エタらせないとか言っておいてなんだけどよくエタってないなぁこの物語!!超自画自賛!!してもいいよね!さすがに!!

前話の追加改稿を14日に行いました


〜鈴子side〜

カラオケから帰ってきた後、家に帰った私達は部屋で一休みしていた。



そして私は今、れんちゃんとそーちゃんの部屋に来ていまーす☆



いやー、めっちゃ久々に入ったけど相変わらず2人で1つの部屋使ってんだねー。自分の部屋持たないの?

というわけで実際に聞いてみましょー!


「ねぇねぇ、れんちゃんとそーちゃんって2人で1つの部屋使ってるけど自分だけの部屋って欲しくないの?」

「え?突然なに?……うーん…自分個人の部屋かー…欲しいっちゃ欲しいけど絶対にいる!って感じじゃないかなぁ」

「そうですね、私もそれほど欲しいとは思いません。この部屋はとても広いですから別に狭いってわけじゃないですし……それに、この部屋はとても良い位置にありますから」

「いい位置?」

「「向こう(天陵家)のお兄ちゃん(お兄様)の部屋と対面」」

「…あぁ〜」

「「こっち(篠宮家)のお兄ちゃん(お兄様)の部屋の隣」」

「……あぁ〜」


納得。

だから他の部屋に移らない…というか移れないんだ。

でもこの2人ならたとえ部屋の大きさが半分くらいだったとしても移動しないんだろうなーって思う。


「れんちゃんとそーちゃんは双子だから同じ部屋でもあまり気にしないのかな。喧嘩とかしないの?」

「するよ?もちろん」

「しますよ?もちろん」


あ、やっぱりするんだ。双子でも姉妹だもんね、人間だもんね、そりゃするよね。

ちょっと普通の人とは違う思考回路してるけど人間だもんね。………人間だよね?見た目が天使寄りに人間離れしてるけど人間だよね?


「想愛は私を出し抜いて抜け駆けすることがしょっちゅうあるからねー。ずる賢い女だからねー。油断できない女だからねー」

「あら、なんのことでしょう?………というか蓮名、あなたがそれを言いますか?お兄様に自分の名前を先に呼ばせるように強制した悪女のあなたが」

「それは想愛がお兄ちゃんの神聖なファーストキスを奪ったからでしょー!?それも想愛の方から無理やり!ファーストだよ!?初めてだよ!?2回目はファーストじゃないんだよー!?」

「蓮名だって5秒も経たずして私のすぐ後にしたじゃないですか!それなのにお兄様に一生私の名前より先に自分の名前を呼べなどと強制するのは酷すぎじゃないですか!?そもそもお兄様に強制を()いるなんて随分とおこがましいですね、私みたいに敬語で喋ってみたらどうですか?そしたら少しは貞淑さが身につくかもしれませんよ」

「想愛のどこが貞淑だっていうのさー!頭の中年中まっピンクのくせに!そこまでいうなら代わってよ!10年前に戻って代わってよー!!」

「なっ…!?誰が頭の中年中まっピンクですか!?それこそ蓮名、あなたの方でしょうが!それとイヤです!ぜっっったいに変わりませんから!!あの時の感動と興奮とドキドキと感触は私の……わたしの……えへ♡」

「むきーーー!!想愛の変態ー!!」

「なっ——!?だだだれがへへ変態ですかっ!?だいたい蓮名はいつもいつも—————」

「なにをー!?そんなこと言ったら想愛だって—————」




なにこれ、私の目の前で姉妹喧嘩が始まってしまった。っていうかれんちゃんとそーちゃんが喧嘩してるとこ始めてみた。

良かったー、ちゃんと人間だー。人類だー。天使じゃなかったよー。

……なんて、ふざけてる場合じゃなくなってきたなぁ。なんかもういつ取っ組み合いの喧嘩になってもおかしくない状態だし。

でも大丈夫!私もいとことして、昔馴染みとしてこの2人のことはよく知っているつもりだ。

だから瞬時に喧嘩をおさめる言葉を私は知っている。



「れんちゃん、そーちゃん、2人が喧嘩してるって銀河お兄さんに伝えるよ?」



「「ごめんなさい!!」」



ほらおさまった。


まったく、せっかくひさびさに2人と長く話せる機会なのに喧嘩はやめてよねー。



………ほんと、2人と長くおしゃべりできるのは本当にひさびさなんだから。

私達の家はここから遠いし、それになによりこの家に来るのには交通的な意味でとても時間と手間がかかる。田舎道だし電車1時間に1本だし。

だからメールでのやり取りは多いんだけどこうして直に会うのは本当にひさびさなんだ。

だかられんちゃんもそーちゃんも私達が来た時に兄ちゃんのこと凄く警戒してたんだろうなぁ。けどまぁ今はもう大丈夫そうでよかった。いくら私でも実の兄が嫌われるってなったら少し悲しいから。

銀河お兄さん達ほどじゃないけど私達にだって兄妹愛はあるんだよー。まぁ銀河お兄さん達のとは愛のベクトルの向きも強さも大違いだけど。


最後に私と兄ちゃんがこの家に遊びに来たのは2年前ぐらいかなー。

だけどこの時はれんちゃんやそーちゃん達とは全然話せなかった。


話せる状態じゃなかった。


だってれんちゃんもそーちゃんも私は会ったことないけど雲居千枝ちゃんって子の事件の影響で塞ぎ込んでたから。銀河お兄さんもそんな2人につきっきりで励ましてたから落ち着いて話せる状態じゃなかった。


銀河お兄さんの尽力もあってれんちゃんとそーちゃんが落ち着いてきて、しかも雲居千枝ちゃんの事件のおよそ半年前に殴り合いの大ゲンカしてから関係が悪化し続けていた兄ちゃんと銀河お兄さんがこの間にいつのまにか仲直りしてたから、これでやっと普通に話せる———と思ったらそれからは普通に遊びに行く機会がなかった。


だからこうして直に会って話せるのは久しぶりなのに目の前で喧嘩しちゃう2人には……そうだ、なにかお仕置きしよう!なにしよっかな〜♪


う〜ん………そうだ!




「れんちゃん、そーちゃん、喧嘩したことを銀河お兄さんに言われたくなければ………


この部屋を自由に調べさせて☆」




「「……はい?」」




『はい』って言ったよね。『Yes』って意味だと勝手に解釈して………よし、(あさ)ろう。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




私はずっと前かられんちゃんとそーちゃんの部屋に興味を持っていた。

最初に気になったのは中学1年生になったばっかりのとき。漫画で「ヤンデレ」というものを知って、これはれんちゃんとそーちゃんのことなのでは?って思ったのがきっかけだ。

れんちゃんもそーちゃんも小学生の頃から銀河お兄さんに対してびっくりするぐらいの段違いの桁違いの桁外れの独占欲を持っていた。

独占欲というかもはや崇拝というかなんというか………依存、かな。この人がいないと私は生きていけないーみたいな。

だから2人はいついかなるときでも銀河お兄さんと一緒にいたし、相手が誰であろうと銀河お兄さんに触れる者、話す者、ついには半径5m以内に近づく女性にはその全員に威嚇していた。


当時はとくに気づいていなかったけど、今にして思えば私もれんちゃんとそーちゃんに警戒されてたんだなぁって思う。

現在(いま)もあの時と変わらないぐらいの独占欲を持っているれんちゃんとそーちゃんが昔ほど過激じゃないのはただ単に大人になったからだと思ってる。

星鏡学園の中等部と高等部は同じ敷地内にあるとはいえど校舎が離れてるせいでやすやすとは逢いに行けないらしいし、男女共学の学園で普通の学生として過ごす以上、班行動とかで女子と話さないといけない場合もあるでしょう。

だから2人はなにか条件を出して妥協したんじゃないのかなーって思う。

いくられんちゃんとそーちゃんでも愛で銀河お兄さんを縛りつけるとは思えない。でもいくら精神的に大人になったとしても2人の独占欲が消えることなんてありえないし、このことについて理解はできても納得はできないはず。だから2人はなにか条件を出して妥協したんじゃないのかなーって思った。


まぁ それ は それ と して。


そんなわけで私はれんちゃんとそーちゃんの……いや、『ヤンデレっ娘』の部屋に興味を持っていた。いつか入ってみたかった。

だってあれでしょ?ヤンデレっ娘って部屋一面に好きな人の写真を貼ったり、いつかの日のためにスタンガンとか手鎖とか用意してたりするんでしょ?私の知ってる漫画のヤンデレヒロインはそうだった。

私じゃなくても「ヤンデレってこういう印象でしょ?」って聞いたら多くの人がわかる(天下無双)って答えてくれると思う。わかるマーーーン!


と、いうわけで実際にれんちゃんとそーちゃんの部屋に入ったはいいものの、2人の部屋には銀河お兄さんの写真が部屋一面に貼られたりなんてしてなかった。

超大事そうにれんちゃんとそーちゃんと銀河お兄さんとのツーショット………スリーショット?写真が数枚飾られているだけで私が想像していたような部屋じゃなかった。


なんというか……拍子抜けするぐらい普通の部屋だった。


でも私は諦めなかった。信じなかった。

だってれんちゃんとそーちゃんの部屋だよ?あの(・・)超絶ヤンデレっ娘のれんちゃんとそーちゃんの部屋だよ!?普通の部屋なわけがない………はず!たぶん!!

だから後で部屋を調べさせてもらおーっと☆

……って思ってたらそれが合法的にできる機会に遭遇し、得てしまった。やったね。びっくり!




その後ちゃんと捜索の許可を得た私はまず最初にベッドの下を調べた。

だって人はベッドの下に人に知られたくない大事なものを隠すって言うじゃん?

例に漏れず私だってベッドの下に—————いや、なんでもない。そんなことより捜索捜索。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




結論から言うとれんちゃんのベッドの下もそーちゃんとのベッドの下も何もなかった。埃もなかった。ちゃんと掃除がいきとどいているという情報しか出てこなかった。女子力……いや、主婦力、お嫁さん力高いなー。


う〜ん、次はどこを探そうか。

ベッドの下以上に面白そうな場所ってどこかあったっけ?鍵のついた引き出しとか?あ、でもれんちゃんの机もそーちゃんの机も普通の引き出ししかない…。



まぁその引き出しも開けるけど。



と、いうわけで開けてみた。



「文房具…?」

「うん、そだよー」


れんちゃんの机の引き出しには文房具が入ってた。鉛筆に消しゴム、シャーペンやボールペン、蛍光ペンや定規、コンパス、三角定規、修正ペンなどなど、それはもうさまざまな文房具が入ってた。

……まぁ机だしね。あるよね。普通だよね。


……普通、なんだよねぇ…。


私が思ってた…というか望んでたものと違うんだよねぇ…。

私が勝手に変な想像してただけだから誰が悪いってわけじゃないんだけどさ。というかむしろ私が悪い。


ちなみにそーちゃんの机の引き出しの中も似たようなものだった。さすが双子。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「………ない」


なにもない。


私が思っていたものがなんにもないー!


あれからも私はれんちゃんとそーちゃんの部屋を荒ら……調査し続けた。

だけど私が思ってた、望んでたものが見つからなかった!

確かにれんちゃんとそーちゃんと銀河お兄さんの3人が一緒に写ってる写真は大量にあった。アルバムも大量にあった。あえていうならそこがちょっとだけ異常かな。(後で知った事だけど2人のスマホのデータ容量の8割が写真とビデオだった。これは完全に異常。ゲームとかしないの?)

だけど私が見たかったのはこ・れ・じゃ・な・い!これじゃない!

れんちゃんとそーちゃんにめっちゃ失礼だけど私は普通じゃないものが見たいの!

なのになんで見つからないのー!?


「なんで!?」

「なんでって言われても……え〜と……クローゼットの中、見る?」

「そこならすずちゃんが見たかったものがあると思いますよ?」

「見る!」


れんちゃんとそーちゃんに気を遣わせてしまった。私の目的を察しているのに助言してくれるなんて、なんて良い()なの!?こりゃ惚れるわー。




と、いうわけでそんな良い娘の助言に従ってクローゼットを開けてみる。まずはそーちゃんのクローゼットから。

クローゼットの中は下着を収納しているチェストとかあるからさすがに開けなかったけど、本人から許可がでたのだからもう遠慮する必要もない。

Open The door !!!




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




女の子のクローゼット。

それは、男は決して開けてはならない男子禁制の神聖な宝箱。

そう、男にとって女の子のクローゼットとは私服()下着(希望)がたくさん詰まった宝箱なのだ。


まぁ、私は女の子だから特になんとも思わないけど。




なんて思っていた時期が私にもありました。




そーちゃんが言っていたではないか、『そこにすずちゃんの見たかったものがある』と。

だから私は覚悟を決めた。

『どんなものが出てきても絶対に引かない』と。

そんな覚悟をもった私はそーちゃんのクローゼットを実際に開けてみてこう思った




———あぁ、確かにこれは男子どころか女子にも開封厳禁な宝箱(パンドラボックス)だね




———と。




そーちゃんのクローゼットの中には、可愛らしい服やスカートなどがたくさんあった。

うん、本当に可愛い。れんちゃんとそーちゃんが普段どんなコーディネートなのか今すぐファッションショーを開いて確かめて、参考にしたいぐらいだ。

だけどそれらはあまり私の視界に入ってこなかった。

なぜなら———


「白スク水にブルマ、ナース服に……これってチャイナドレス?初めて見た……」


そう、大量のコスプレ服があったからだ。

もちろん今どき学校で白のスク水やブルマなんて使用しない。

つまりこれらはれんちゃんとそーちゃんが個人的に楽しむため……というより銀河お兄さんを(よろこ)ばすために買ったのだろう。

ボンテージまである……こんなのどこで買った……というか買えたのさ……通販かな?

こんなド田舎にスク水とかを届けるためにやってくる配達員さんが少し可哀想だと思ってしまった。


「小道具まであるじゃん。これは……ネコミミとネコしっぽ……………———っ!?」

「そんな目で私を見ないでください!蓮名のクローゼットにも色違いが入ってますから!!」

「いやいや!私のは想愛のほど太くないから!!」

「同じでしょう!?」


わたし、まだちゅうがくせいだからしっぽをどうやってつけるかなんてわかんなーい。


そういえばもう中学生って芸人、いつのまにか消えてたよね。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




引かないかわりに現実逃避してしまった…。

なんで急にたいして好きでもない、正直ネタも思い出せない芸人なんて思い出したんだろう?そこまでテンパってたのかな。うん、テンパってた。

その後どーしても気になったから許可を得て下着も見てみたんだけど……なんというか、スゴかった。

私よりオトナの階段を30段ぐらい登ってた。

叔父さんが見たら失神しそうな過激なものがたくさんあった。

というかアレ、下着なの?大事なところ隠せてないよ……むしろその逆…。

そーちゃんが「蓮名も同じもの持ってますからね!?私だけが持ってるわけじゃないですよ!?」とかなんとか言ってるけど正直耳に入ってこない。

れんちゃんが「想愛の見たからもう満足だよね!?私のは見なくていいよね!?だって私は想愛のような変態的なものは少ないし———あっ、ちょっ、やめっ……!?」とかなんとか言ってるけど耳に入って……きた。そうだね、そうしよう。なんかもう疲れたよ、精神的に。




そーちゃんのベッドに座って一息つく。

と、そこで私はある物に気づいた。

なんで今まで気づかなかったのだろう?こんなにもわかりやすい場所に堂々と置いてあるのに。堂々とし過ぎてるから逆に気にならなかったのかな?



ソレは部屋の真ん中付近にあった。

遠くで見てもわかるぐらいの重厚感と重量感。

全体的に可愛らしい部屋に似つかわしくないソレは———






———金庫だった。


雲居千枝ちゃんの事件→16話

銀河と烈の大ゲンカ→25話

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