3人の歌姫
あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
そして今年最初から投稿を忘れるというね。さすが俺だね、今年もポンコツ確定だね
一旦家に帰ってご飯を食べたりして休息をとった後、俺達は次の目的地へと向かった。
そこは—————
「ここは…カラオケか!」
「…正直こんな場所にも大手のカラオケ店があるなんて思ってなかったよー」
そう、俺達が向かっていたのはカラオケだ。
街にあるようなでっかい店舗じゃないけれど、ちゃんとしたカラオケチェーンの系列の店なので機器も最新のものが置いてある。
自転車で行けれる距離にあるカラオケはここだけだからなぁ。今までなんどお世話になったことか…。もしもここが潰れたら本当に外出する場所も理由もなくなってしまう。蓮名と想愛と一緒に部屋に引きこもったまま家から出なくなってしまう。
そんなことを考えながらいざ来店。
……うん、今日もおじいちゃんおばあちゃんによる演歌が店内から聞こえてくる。
カラオケの部屋って防音のわりには結構音漏れしてるよね。
たまに最近のアイドルソングを歌ってるおじいちゃんもいるけど息継ぎとか滑舌とか大丈夫なんだろうか。加藤一二三が歌ってみたみたいになってる。
「はやく行きましょー!」
「「おぉー♪」」
カラオケに行けるとは思ってなかった鈴子ちゃんはテンション高めに急かしてくるし、蓮名と想愛も鈴子ちゃんとカラオケに来れて嬉しそうだ。
……これだけで連れてきた甲斐があったというものだ!まぁここしか連れてこれる場所なんてないけどな!
もはや顔なじみになっている店員さんと受付を済ませてから部屋に向かう。
人が少ないこの地域ではカラオケにしろ飲食店にしろ『店内が満員だから席(部屋)が空くまで待つ』ということがほとんどない。
とくにカラオケなどの若者向けの施設はいつもガラガラだ。いつでも入れる。
……本当になんで潰れないんだろうか。潰れたら困るけど。
………まぁいいか!店の経営状況なんか気にしてもどうせ俺にはどうすることもできないんだし。
今はとにかくカラオケを楽しもう!
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「「〜〜〜♪」」
カラオケは蓮名と想愛のデュエット曲から始まった。
相変わらず綺麗な歌声だ…。前世がセイレーンって言われても素直に納得できる。その歌声に魅了されまくっている俺が言うんだ、間違いない。
「蓮名ちゃんも想愛ちゃんもスゲェ歌上手いな…歌詞がちょっとアレだけど…」
「れんちゃんそーちゃんすっごーい!」
烈と鈴子ちゃんも蓮名と想愛の歌唱力の高さに驚いてるようだ。
だけど2人とも少し顔が引きつっている。
……まぁ無理もない。だって2人が歌っていたのはすごくヤンデレじみた歌詞の曲だったのだから。
確かに曲の歌詞は…まぁ、うん。なかなかに重いけど……ラブソングってそういうもんだろ?100年先も愛を誓うのが普通なんだからこれも普通だって。
ただ蓮名と想愛が歌うとどんなに過激で重い歌詞でも現実味があるんだよなぁ…。蓮名と想愛なら本当にやりかねないっていうか100年先どころか1万年と2000年先も愛を誓ってそう。
まさに不変の愛。美しいね。
さて!蓮名と想愛の美しずぎる歌声の後で歌うのはさすがに気が引けるけど…ここはカラオケだ。遠慮せずに俺も歌うか!
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「〜〜〜♪」
………ふぅ。
蓮名と想愛の後だからほんの少しだけ歌いにくかったけどなんとか歌いきった。
あ〜〜〜
た・の・し・い!!
好きな曲を魂込めて全力で歌える!カラオケって最高かよ!これ考えた民族天才かよ!
それに今日は烈と鈴子ちゃんっていういつものカラオケ行くメンツじゃない人達と来ているってのもいつも以上に楽しい理由かな。
いつもは蓮名と想愛、もしくはキクゴローや一存達と来てるからなー。
だからいつも以上に反応が気になってしまう。自分的に音痴ではない……はず、たぶん、きっと。
さて、みんなの反応は!?
「きゃー♡カッコイイよーお兄ちゃーん♡」
「きゃー♡ステキですよーお兄様ぁー♡」
「かっこよかったよー銀河お兄さん」
「思ったより歌上手いんだなー」
ぃよっし!!上々!!
烈と鈴子ちゃんの反応はなかなか良い感じ!
これで俺が音痴じゃないってことが証明された……ってことでいいんだよな?
そして蓮名と想愛の感想は………うん、いつも通りだな。
2人はいつも俺に対して過大評価しすぎてるからなぁ。2人の好意はとてつもなく嬉しいけど正当な評価がわからないのは少し困る。
まぁ褒められるのは超絶嬉しいので不満などはないのだが。
そして俺は烈にマイクを渡した。
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「〜〜〜♪」
「「「「おおぉー…」」」」
烈が歌ったのは洋楽だった。
なんだこのイケメン、英語の歌詞なのに完璧に歌ってやがる。発音もかなり良い。烈のくせに。
英語だからなに言ってるかよくわかんなかったけどなんかスゲェことは伝わった。
蓮名と想愛も予想以上の烈の歌唱力に驚いてる。
たとえ従兄だろうが誰だろうが俺以外の男性に対して凄く厳しい蓮名と想愛が素直に凄いと思っているのだ。これがどれくらい凄いことなのか烈はわかってんのか?わかってなかったらブン殴る。わかっててもなんかムカつくからブン殴る。しかもなんか歌ってる姿がカッコよかったから後で問答無用で蹴飛ばす。
鈴子ちゃんも驚いてる。あまり兄妹で一緒にカラオケに行かないのか?……まぁ兄弟ならともかく兄妹で出かけることは普通ないんだろうなぁ。俺達が例外なだけで。
……まぁ、ようするに、だ。
烈は歌がめっちゃ上手かった。それもかなり。
つまり……烈はイケメンで性格がよくて背が高くて歌が上手い←New!
うん、滅べ。
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「〜〜〜♪」
楽しそうに歌うなー。
と、思うと同時に、
歌うまっ!?もうやだ篠宮の血筋!!
と思った。
いや、うん、ほんと、マジで……なにこの……なに?なんなの?なんなのなの?この一族。苦手なものとか存在しないの!?
俺も音痴じゃない……というか蓮名と想愛に(尊敬を通り越して軽く崇拝されているとはいえ)褒められるぐらいの歌唱力はあると思ってる。
………思ってたんだけどなぁ…。
この4人……特に蓮名、想愛、鈴子ちゃんの篠宮3人娘の歌唱力が高すぎる。上手すぎてもうこの3人の歌姫が歌ってるのを俺達は聞いているだけでいいんじゃないか?って思ってしまう。
烈?確かに歌上手いけどこの3人(星鏡の双歌姫 with 鈴子ちゃん)に比べたら差がある。それになにより男の歌声なんてぶっちゃけどうでもいい。
普通の人なら蓮名と想愛達、篠宮一族に対して嫉妬や劣等感に苛まれるところだが、俺はもうそんな感情をいだくことはない。烈以外には。
優秀すぎる蓮名と想愛に対しての劣等感や嫉妬?そんな2人に尊敬される重圧?……そんなものは2人の兄となる時にもう捨てた。
劣等感や嫉妬、そんなとても醜い感情は女神である蓮名と想愛に向けていいものではない。
劣等感や嫉妬、そんなとても人間らしい感情は狂った俺には無くていい。
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「〜〜〜♪」
さて、問題です。
今歌ってるのは蓮名と想愛、どっちでしょーか?
正解は…
想愛でしたー!
……なに言ってるんだろうな、俺は。
それもこれも想愛がヤンデレ感満載の歌を歌うのが悪い。いやごめんウソ、ぜんっぜん悪くない。かなり最高です。
………なに言ってるんだろうな、俺は。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「〜〜〜♪」
蓮名が歌ったのはまたもやヤンデレじみた曲だった。しかも歌詞がすべてひらがなだった。
よく言葉を全部カタカナにしてヤンデレっぽくみせる方法があるけど、言葉が全部ひらがなだと狂ってる感が伝わってくるよね。
烈も鈴子ちゃんももう蓮名と想愛の選曲について引くことも驚くこともしない。さすが従兄妹、慣れるのが早いね。
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「〜〜〜♪」
蓮名と想愛が称賛してくれるけどみんなの歌声を聴いた後だと嬉しさが半減してしまうな…。
まぁめっちゃ嬉しいことには変わりないんですけどね!
それにしても今俺の歌った曲には正直言って意味のわからない言葉が多くでていた。
まぁ『かぜあざみ』と同じで言葉の意味はわからないけどなんとなく意味を感じるからいいんだけど。
考えるな、感じろってやつ?
うわ、なんかスッゲェ感性ある人みたいな気分になった。
……やっぱ今の俺なんかテンションおかしいわ。
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「〜〜〜♪」
チッ…あいかわらず歌が上手いじゃねぇか…!烈のくせに…!さっきのはまぐれじゃないってか…!
そのことにもムカつくが、俺が今一番ムカついてるのは蓮名と想愛が歌い終わった烈を褒めていることだ。
別に2人が悪いわけではない。ひねくれ者や今現在嫉妬の炎に燃えている俺以外の人ならば褒めるのも当然だと思えるぐらい上手かったのだから。
つまり褒められるぐらい上手い歌を歌った烈が悪い。
そうだ、なにもかも烈が悪い。これで丸くおさまった。
嫉妬?
してるに決まってるだろ、だって俺は人間なんだから。
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「〜〜〜♪」
鈴子ちゃんが次に歌ったのは何十年も前のアニソンだった。
とんでもなく懐かしい曲を歌うな、鈴子ちゃんは。
っていうかそもそもどこでこの曲を知ったのだろうか。逆に気になるな…。
二周目が終わったけどカラオケはまだまだ終わらない。
ノンストップで三周目、行ってみよう!
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「〜〜〜♪」
「〜〜〜♪」
「〜〜〜♪」
「〜〜〜♪」
「〜〜〜♪」
三周目が終わったけど俺達のカラオケはまだまだ終わらない、まだ時間はある。
そうして俺達は楽しい時間を過ごしていった。
作中で銀河達が歌っているのは全部実在する曲……にする予定でしたが!著作権的にダメだと心優しい御方に教えてもらったのでやめました!
危なかった……本当に危なかった…この作品をエタらせる気はないのに危うくアカウントを削除されてガチでエタるところだった……
歌詞から曲が特定されたらアウトということなので、歌詞はすべて『〜〜〜♪』で表現しています




