長い1日の終わり
祝・総合評価1400突破!やふー!
やったぜ!そして………やっちまったぜぇぇぇぇぇ!!投稿する前に爆睡しちまったぁぁぁ!!!
前話の追加改稿を25日に行いました。
これは近日中と言えるんですかね…?(震え声)
蓮名と想愛に引っ張られながら路地裏の奥へ行き、周りに誰もいない狭い場所へと辿り着いた。
蓮名も想愛も、そして俺もこの水族館には今日初めて来たのでここの地理に詳しいわけがないから、この場所に着いたのはたまたまだろう。
というか例え常連客だったとしても知らねぇよこんな場所。ただの狭い路地を通った先の行き止まりじゃん。
こんなとこまでついて来た俺も俺だけど……蓮名と想愛はいったい何がしたいんだ?ただ3人きりになりたいって感じじゃなさそうだったけど…。
そんな蓮名と想愛はやたら周囲を警戒して、周りに人の気配が無い事を確認すると———
———左右両方から同じタイミングで俺に抱きついてきた。やふー!
ってオイオイオイ!?マジか!!何これ!?急になんてご褒美!?驚きすぎて精神年齢がピエールになっちまったよ!!ピエールって誰だ!
心は全力で動揺してるけど態度だけは落ち着いて、そっと2人の妹の頭を撫でる。
だって俺はお兄ちゃんだから。妹に情けないところは見せない。
「ねぇお兄ちゃん」
「ねぇお兄様」
「ん、どうした?」
あ、やべ、声上ずった。
「私達が今日おかしかった本当の理由、わかったよ」
「人混みに酔ったというのもありますけど……それだけじゃないんです」
……ほぅ。
俺もてっきり人混みに酔っただけだと思ってたけど違うのか。
ならば……兄として、幼馴染として、恋人として、その蓮名と想愛が不調になった原因とやらを滅ぼさねばならないな、うん。
手始めにあのストーカー男子3人組を消し炭にしようかな……。
でもまぁ落ち着け、蓮名と想愛はまだその真の原因とやらを言ってない。早とちりはいかんぞ俺。……あの3人組は後で必ず滅ぼすけど。
それで、その原因とやらはなんなんだ?兄ちゃんに任せろ!原因がなんであれ、どんなことでもやってやるからな!
そんな決意をもって妹達を見る。
俺の熱意が伝わったのか、蓮名と想愛は俺に一度微笑みかけてから衝撃の真実を語りだした。
「「私達が不調だった本当の理由、それは」」
「お兄ちゃんと」
「お兄様と」
「「今日一日、あんまり触れ合ってないからです!」」
……………。
………俺のせいだったかー。
……さすがに自分自身は滅せないなぁ…。
なんで!?とは思わなかった。なるほど、納得としか思わなかった。
他人が聞いたらなんでそんなことで?と思うかもしれないが、蓮名と想愛にとって俺と長時間触れあえないということはそんなことではすまされないことを俺は知っている。
なにせ蓮名と想愛がその胸に宿しているのは狂愛だ。狂おしいほど、狂えるほどに成長した愛なんだ。普通の愛なんかじゃない。
そのことが嬉しくもあり………いややっぱ嬉しいだけだな、うん。美少女に愛されて嬉しくない男なんてこの世に存在しない。(断言)
というわけで俺も例外なく脳が震えてるけど、そんな頭で思い出してみる。
……確かに今日はあんまり蓮名と想愛と触れ合ってなかったなぁ…
朝はドタバタしてて忙しかったし、昼からの水族館では俺の近くにいたはいたけど蓮名と想愛は鈴子ちゃんと一緒にいることが多かった。
だからこうして手を繋ぐこともあのストーカー3人組から逃げる時が今日初めてだった。
俺は蓮名と想愛とせっかく滅多に来ない水族館まで来たのに手を繋いでもなかったのか…。
たくさんの人に近距離で囲まれたこと、そして俺と(蓮名と想愛の基準で)ほとんど触れ合ってなかったことが原因でストレスが溜まり、そのせいで人混みに酔いやすくなったのだろう。
そう思うと蓮名と想愛の体調が悪くなったのは俺のせいともいえる。
だからここはなすがままにされよう。全力で甘やかしてやろう。さぁ、どんとこい!もう来てるけど!
とりあえず全力で頭を撫でる……というわけにもいかないので優しく慈愛を込めて撫でる……と思ったけど今の蓮名と想愛が求めているのは激しいスキンシップのはず……。
というわけで水の様に優しく、花の様に劇しく撫でることにした。
さぁ、これからさらに激しいスキンシップをしていこうか……なんて考えてると蓮名と想愛が俺から離れた。
………俺が変なことを考えたからってわけじゃないよね?俺の思考を読んだわけじゃないよね?この双子ならできかねない…。
「蓮名、想愛、どうしたんだ?もういいのか?」
いつもならこんなに早くスキンシップが終わるなんてありえないのに。
これからが本番って時に離れられたのがわりとショックだったので聞いてみる。
「満足はしたかって聞かれると全然足りないけど……とりあえず落ち着く事はできたから」
「それにすずちゃんと烈さんを待たせたままですからね、今はこれだけで良いんです」
あぁ、いつもじゃなかったからか。
確かに烈と鈴子ちゃんを待たせている以上、時間のかかることをするヒマはないよなぁ。
「それに……こんな場所でも絶対に人が来ないって確証はないじゃん?だから今ここで発情するわけにはいかないんだよー」
「後で人混みの中に戻るんですから、着替えもシャワーもないのにこんなとこで濡らすわけにはいかないんですよ」
……あぁ、いつもじゃないもんな。
確かにここは家じゃないよな。水族館だもんな。
これ以上(俺が)変な気をおこさないためにもさっさと戻ろう。
というわけで烈に電話してどこにいるのかを聞き、俺と蓮名と想愛の3人で仲良く、仲良く、とても仲良く、だけど(俺達の基準で)過度な接触はせずに2人のいる場所へと向かった。
「れんちゃ〜ん!そーちゃ〜ん!銀河お兄さ〜ん!こっちだよ〜!」
「おいスズ、こんな場所であまり大きな声をだすな。お前は子どもか」
烈と鈴子ちゃんはふれあいコーナーにいた。
ここでは小魚とかカメとか貝とかヒトデとかナマコとかをさわれるらしい。
……わざわざこの中からナマコを選んで触る人っているのか?
「心配かけてごめんね?すずちゃん、烈さん。でももう大丈夫!お兄ちゃんのおかげですっかり元気になりましたー!」
「すずちゃん、烈さん、心配かけてすみませんでした。でもお兄様のおかげでなんとか復活できました!」
「いいっていいって〜♪……あ、そうだ、センジュナマコさわる?思ったよりモチモチしてるよ?」
「「けっこうです」」
……いたよ、好き好んでナマコに触る人。というか鈴子ちゃん今日一日でキャラ付きすぎじゃない?
「ただいまー。いやー悪いな烈。3人だけで別行動とっちまって。誰かさんがいなかったおかげかこっちはゆっくりできたぜー」
「おかえり、そしてOK、お前が俺に謝罪する気持ちが微塵もないということがよくわかった。歯ァ食い縛れゴラァ!!」
「上等だァ!滅べオラァ!!」
ちゃんと烈にも途中で3人だけで離れたことを謝り(謝ってない)、俺達は再び5人で水族館の中を歩きだした。
ちなみにセンジュナマコにも触ってきた。思ったよりモチモチしてた。
「アオハタって約40年も生きるんだな……そこらの大型犬よりも長生きじゃねぇか」
「センジュナマコって……思ったよりモチモチしてたね」
「認めたくはないですけど……良い感触でした」
「ねぇ兄ちゃん。マンボウはダメでもナマコなら家で飼えるかな?」
「お前いつか家から追い出されるぞ」
水族館から出た後、あたりはもう暗くなっていたので近くのレストランで夕食をとり、駅へと向かって歩いていた。
それよりせっかく水族館まで来たのに5人のうち4人の感想がナマコ関係ってどういうこと?
「あ〜これから1時間かけて帰宅か〜。電車の中で寝ちまいそうだな」
「安心して眠るがいい。終点で駅員さんが起こしてくれるから」
「OK、お前が俺を電車の中において行こうと考えてることがよくわかった。歯ァ食い縛れゴラァ!!」
「上等だァ!滅べオラァ!!」
そんなこんなあって俺達はなんとか深夜になる前に家に帰ることができた。
「なぁ銀河、風呂の順番どうする?やっぱり女性陣が先か?」
「烈が一番風呂でもいいぞ。水風呂と熱湯風呂どっちがいい?………もちろん冗談だ、だからそんな怖い顔をするんじゃない。本当はお前が一番最後だ」
「まぁこれから世話になるんだから順番はどこでもいいんだけどさ」
「ちなみにもし万が一にも風呂と聞いて変なことを想像したら家から排除するからな」
「この家は篠宮の家であってお前の家じゃねぇだろ……。しかしまぁ、その、善処します」
「よし、釜茹でだ!」
「やめて!?」
………そんなこんなあって俺達は何事もなく、何かをすることも何かをさせることもなく、平穏に1日を終えた。
余談だが、寝る前に風呂から出た直後の烈を蹴り飛ばした。
烈はそれをガードせずに受け止めた。そして一切反撃せずに寝室へと向かって行った。
本当に釜茹でにしてやろうか。
1日を7ヶ月かけて書く男、スパイダーマッ!!




