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遅めの昼食

祝・総合評価1300突破!YATTA!



「なぁ〜腹減った〜、飯食おうぜ〜」


鈴子ちゃんが満足するまでマンボウを観賞したあと、烈がこう言ってきた。

確かに腹減ったな……。もともと昼御飯を外食にしようってことで家を出たわけだし。


「少し遅いが昼飯にしようか。蓮名と想愛は何か食べたいものとかあるかー?ちなみに俺はチャーハンだ」


ぐぅ〜……


言った直後、タイミングよく俺の腹が鳴る。

よかった、俺の腹からで。もしも蓮名か想愛の腹の虫が鳴いてたら聞いた男の耳を全部削ぎ落とさないといけないところだった。危ない危ない。


「麻婆豆腐!」

「担々麺です」

「唐揚げ!というか肉ならなんでもOK!」


麻婆豆腐と担々麺か…。俺が中華料理が好きでよく食べてるからか、蓮名と想愛まで中華が好きになってしまったようだ。

食べ物の趣味が合うのは良いことだ。将来毎日蓮名か想愛、もしくは2人が力を合わせて作った手料理を食べることになるのだから食べ物の趣味は同じの方がいいからな。

あと烈、お前には聞いてない。お前はホルモンを2時間ぐらい噛み続けてろ。


「鈴子ちゃんは?何か食べたいものってある?」

「そうですねぇ………あっ!わたし、お寿司が食べたいです!」


マジか。さっきまでイキイキと泳ぐ魚をキラキラとした眼で見てたのにその直後に寿司が食べたいのか。

例えるなら馬を見ながら馬刺しを食べるようなもんだぞ。少なくとも俺は競馬場で馬刺しを食べたいとは思わない。競馬場行ったことないけど。

というかエビを見てる時に聞こえた「美味しそう…」って言葉はもしかして俺の聞き間違いじゃなかったのか!?まさかそのまんまの意味だったのか!?

……さすが鈴子ちゃん、篠宮の血筋。この一族は俺を驚かすことに()けているな。






まぁとりあえず、今は昼飯を食べれるところを探そう。良い中華料理店があると良いなぁ。


探し歩くこと5分、俺達が見つけたのは———




—————あったよ、海鮮料理店。ここ水族館の敷地内なのに。

しかも『産地直送!とっても新鮮!』って看板に書いてあるし……。産地ってどこさ、あれか?あの水槽か?

……なんかいろいろ気になってしまって逆に魚料理を食べたくなってきた。

食材の鮮度には自信あるそうだし腹も減ったし、もうここでいいんじゃないだろうか?


いや、言い換えよう。ここでいいんじゃない、ここ“が”いいんだ。さっきまで見ていた魚を肴に海鮮料理を食べてみたい。


蓮名、想愛、鈴子ちゃん、ついでに烈にも聞いてみたところ、昼飯は満場一致でここに決まった。

俺が言うのもなんだけど本当にここでいいのだろうか?

そんなちょっとした不安を抱えながらも店内に入った。




店内はけっこう繁盛していた。

ゴールデンウィークの初日だからというのもあるが、やはりみんな水族館での海鮮料理が気になってしまったのだろうか。

でもよかった。奥の方にあるテーブル席が空いているから待つ事なく席に座れそうだ。


入店すると同時に注目される俺達、もとい俺以外の4人。

……だれか俺にも好意的な視線を向けてくれよ……好奇な眼で見られるのはもう慣れたけど好きじゃない……。


「学校で慣れているとはいえ、学校外でまでこの汚らわしい視線を浴びることになろうとは……」

「ここにいる人達、全員どこかに消えてくれないかなぁ…」


だけど俺の妹姫(シスタープリンセス)達はこの好意的な視線にうんざりしているようだ。

普段から学校で『星鏡の双姫』として嫌でも注目されまくっているから仕方ない。

多くの人から注目されるということは、たくさんの好意的な視線と同時に、たくさんの悪意ある視線も向けられるということだ。

そのせいで、蓮名と想愛は昔から男性からの欲望や好奇、女性からの嫉みや妬みの視線を浴び続けた。

もちろん女性からの羨望の眼差しや男性からの好意的な視線もたくさん向けられたが、そんなもの、大きな悪意と比べたら微々たるものだ。

さらに蓮名も想愛も軽度とはいえ男性恐怖症なんだ。

俺を含む家族や烈などの親戚、キクゴロー達みたいな俺の友達などは大丈夫みたいなのだが、そこらへんの男性に注目されるのは例えそれが好意的な視線であっても嫌らしい。


つまり蓮名と想愛、2人にとって注目されるということは苦痛でしかない。

だから人が多い場所が嫌いなのだ。

まぁ、それだけが原因ってわけじゃないんだけどさ。





「お待たせしました、ご注文をお伺いします」

「じゃあまずは俺から、『海鮮チャーハン(大盛り)』を1つ」

「『イカスミパスタ』を1つ!」

「『鯖の味噌煮』と『ご飯(小)』を1つお願いします」

「焼きそば……じゃなくて『焼きサバ定食』を1つ」

「『アカマンボウのムニエル』を1つです」

「「「「!?」」」」


アカマンボウ!?


『アカマンボウ』: アカマンボウ目アカマンボウ科に属する深海魚。だけどマンボウの仲間ではない。ちなみに味はマグロの赤身っぽい。


とっさにスマホで調べてしまった。スマホマジ便利、さすが異世界転移の必需品だな。

便利なのはスマホっていうよりwikiだけど。




店内にある水槽の中にいるオオグチボヤを眺めながら料理を待つ。

……それにしてもコイツ……オオグチボヤだっけ?すげぇ形態してんな。

説明文を見る限りどうやら肉食性のホヤらしい。それを知るとこの大きな口がさらに不気味に思えてくる…。

さっきから鈴子ちゃんだけじゃなく蓮名と想愛までもが『可愛いー♪』って言ってるけど俺にはその可愛さがわからない。たぶん烈もわかってない。

可愛い…?どこが…?その大きく開いた口のせいで今にも笑い出しそうな顔……顔?……顔じゃないな。そういう見た目してるぞコイツ。

海鮮料理店の水槽にいるってことはコイツも食べられるのだろうか……。うん、俺は食べたいとは思わないな。




そんな事を考えてると次々に料理がきた。

具材が新鮮だからだろうか、とても美味しかったです。ごちそうさまでした。


友達とプールに行ってガチの競泳してみたら俺の水着が脱げるという悲劇が発生

可愛い女の子のポロリを期待してたのにまさか俺がポロリするとは……

誰も得をしない、全員が損しかない悲しすぎるポロリだったよ……

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