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名前の順番

祝・総合評価650突破!気分上々↑↑!!やる気上昇↑↑!!アハー↑ハー!


今回少し話が長いです

これは俺が7歳、蓮名と想愛が5歳の時の出来事。



その日は特に何もない休日で、俺たち一家は篠宮家に遊びに来ていた。

…いや、遊びに来ていたはちょっと違うな。だって俺にとっては篠宮家も自分の家みたいなものなのだから。

それはともかく、

あの時は篠宮家の一階の居間にて親達はテレビを見ながら話しをしていて、俺と蓮名と想愛の3人はその近くでおままごとをしていた。

おままごとの内容は、当時いつもやっていた俺が夫役で蓮名と想愛が妻役での一夫多妻の結婚生活というもの。

…決して修羅場系のリアルおままごとではない。でっかいうさぎのぬいぐるみも殴らない。

そんな幸せな時間を過ごしていた…のだが、事件はそんな時、急に起きた。



当時の蓮名と想愛は、四六時中常に俺にくっ付いていた。(今もだが)

理由は簡単。

俺が幼稚園を卒園し、小学校に通った———つまり、1日の大半を小学校で過ごし、蓮名と想愛と離れ離れになったからだ。

俺が小学校に行っている間の2人は母さん曰く『飼い主に捨てられた2匹の仔犬』だったらしい。

学校だから仕方ないとはいえ、その頃の蓮名と想愛に寂しい思いをさせてしまった事を俺は今でも心の底から反省している。猛省している。懺悔したい。

そんなこんなで3人ずっと一緒に過ごしてきたのだが、正直に言ってあの時までの俺は蓮名と想愛に対して恋愛感情などもっていないと思っていた。ただの兄妹愛だと思っていた。

俺の行動や言動や思考が普通妹に向けるものではないということに気づかなかった。気づけなかった。

なぜなら、田舎に住んでいたためか同年代の他の兄妹とあまり出会う事がなく、普通の兄妹の距離感を知らなかったからだ。

でも家から若干離れた所にある少し都会の小学校に入学した後、俺は多くの人達を見て、多くの事を学んだ。

たとえ兄妹でも俺達みたいに仲が良すぎるのは異常だという事、むしろ普通は兄妹喧嘩は日常茶飯事であるという事、双子でもケンカはする事、そして……俺と蓮名と想愛の関係は兄妹とは言わない事。

わかっていたはずなのに…ショックだった。

その際に血が繋がってないと兄妹とは言えないという事を知った。(そのせいで一時期蓮名と想愛はご飯に血を入れようとするなどして俺に血を飲ませようとした)


俺と蓮名と想愛は兄妹ではない。

たとえ兄妹だったとしてもここまで仲が良いのは異常だという。

ではこの気持ちはいったい何だ?母さん達に向ける好きとは何かが違うこの気持ちは…?

当時の俺は好き(Like)好き(Love)の違いがわからなかった。

当時7歳の小学生だったから仕方ないといえば仕方ないのだが、この時点で蓮名と想愛は、当時5歳の幼稚園児でありながら俺に対し好き(Love)だという気持ちを理解していた。

それ以降俺は妹に、幼馴染に、蓮名と想愛に好き(Love)という気持ちを向けられる度にココロにモヤモヤとした感情を積み重ねていった。



あの日もココロのモヤモヤは消える事は無く、むしろモヤモヤは日に日に大きく、強くなっていた。

そして、俺は()に密着し、右左両方から好き(Love)という気持ちをぶつけられ、更にはおままごとの夫婦という設定を使って多大で濃厚な愛を直接伝えてくる蓮名と想愛(妹達)にココロが耐えられず、おままごとをいつもより少し早めに終わらせた。


おままごとが終わったからといって蓮名と想愛が俺から離れるわけもなく、特に何かをするってわけではないけど左右からくっつかれ、3人仲良くソファーに座っていた。

ココロにモヤモヤが残っていた今の俺にとって蓮名と想愛に左右からくっつかれて身動きが取れない状態は少々居心地が良くなかったので、その気持ちを紛らわす為にテレビを見ていた。

時刻は昼、テレビには休日の昼間らしく昼ドラが放送されていた。

そして蓮名と想愛も俺の目戦の先が気になったのか、テレビを見た。

と、まるでその瞬間を狙っていたかのようにタイミング良くテレビの画面に映し出されたのは———



昼ドラ最高の見せ場であるキスシーン。それもかなり長く、かなり濃厚な。



その数秒間、篠宮家に居た人達の時は確かに止まったのだった。


俺達子ども3人もドラマを見ていたのを思い出した母さんが慌ててテレビのチャンネルを変える…が、もう遅い。

あの刺激的な光景は既に俺達の目に焼きついた後だった。

その後、なんとなく気まずい空気になる事数秒…。沈黙を破ったのは想愛だった。


『あのひとたちはなにしてたの?』と想愛が俺に問う。続いて蓮名も俺を見る。

困惑している俺を両親達が緊張した面持ちで見つめてくる。当時の俺にはキスがどのようなものかなんとなくわかっていた。が、なんとなくわかっているだけに変な気恥ずかしさを感じてしまう。

想愛の問いに答えてやりたい…だけどなんか気恥ずかしい…しかし()として()の質問には答えてやらねば…期待を裏切るわけには…蓮名と想愛に対してふさわしい()であらねばばば…。

と、盛大にパニクってたところで紅葉義母さんから助け舟が出された。

『あれはね、好きな人に「好き!」って気持ちを伝える為の方法なのよ』

『『へー』』

蓮名と想愛が同時に俺を見る。

少し焦る俺、盛大に焦る母親達、笑っている父さん、そして絶望した表情を見せる新斎義父さん。

今この場はちょっとしたパニックになっていた。

『「好き」にもいろいろあるからね!?キスはとっても大事なものなの!この人とずっと一緒に居たい…とは思ってそうだから…え〜とえ〜と……この人にはおやつもオモチャも自分の全部をあげられると思う人にだけするものなの。だからパパとかには絶対にキスしちゃダメなのよ、わかった?』

『『は〜い!』』

蓮名も想愛も納得したようだ。

少し残念そうな顔をしている俺、ホッとした表情を浮かべる母親達、少しつまらなそうな顔をしている父さん、そして希望を断たれたかのような表情を見せる新斎義父さん。

ホッとした、だけど、少し悲しかった。

………どうして悲しかった?なんで俺は残念がっている?蓮名も想愛も()なのに、()である俺が、何故?

と、そう考えこんでいると—————

『お兄ちゃん、こっち向いて?』

と、想愛に声をかけられ———



『———チュッ♡』

『っ!?』



想愛の方に顔を向けた瞬間、唇にキスされた。


固まる両親達、俺と想愛を見ている蓮名。

3秒後、想愛はようやく唇を離した。俺にとってはその3秒は3時間にも3日にも、永遠のようにも感じられた。

照れくさそうにはにかむ想愛、そんな想愛に見惚れる俺。

そしていまだ固まっている両親達。

だけどその時の俺の瞳には可憐にはにかむ想愛の顔しか映ってなかった。

そしたら—————

『むぅ〜〜〜!!想愛ばっかりずるい!蓮名も〜〜!!お兄ちゃん、こっち向いて!』

と、蓮名が言い、俺は言われるがままに蓮名の方を向く。

何も考えず、何も考えられずに。

そして———



『ちゅ〜〜〜!!』

『っ!?……ぁ…』



今度は蓮名からも唇にキスされる。これまたきっちり3秒間。

新斎義父さんが倒れた音がしたが気にしない、というか気にならない。むしろ本当に倒れたの?全然気がつかなかった。

が、その新斎義父さんが倒れた音がきっかけで両親達が正気に戻り、再び時は動きだした。

俺と蓮名と想愛は3人だけの空間を作っていたのでその時間の流れには乗れなかったが。


その後、母さんと紅葉義母さんが混乱した様子で何か言ってきたが、全然覚えてない。

母さんが紅葉義母さんに何故か謝っていたり、新斎義父さんが泣き崩れたり、父さんが超笑顔でサムズアップしてきたり、そんな父さんを母さんが殴ったりと、そこには阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていたらしい、が、やはり思い出せない。

しかし、最後に父さんが真剣な表情で俺に言った『男ならちゃんと責任を取れよ』だけは、ちゃんと覚えていた。



以上、これが俺のファーストキスの話だ。




・・・・・・・・・・・・・・・

「———と、いうわけだ。これで満足か?」

話し終えた俺はキクゴロー達に問いかける。

「なんだろう…俺今思い出を話せって言ったことを猛烈に後悔してる」

「奇遇だなー俺もだ。まさかこんな惚気話を長々と話されるとは思ってもみなかったぞ」

「こいつ、本当はただ惚気話と自慢話をしたかっただけじゃないのか?」

すると、なかなかheavyな感想が返ってきた。

「おいおい…話せって言ったのはおまえらだろ?」

「「「だまれ、爆発しろ」」」

……かなりheavyな感想が返ってきた。

「まぁそれは一旦置いといて、さっきの話しを聞いて思ったんだけどさー銀河」

「……なんだよ」

一存が質問してくる。

「銀河のファーストキスの相手は想愛ちゃんなんだろ?その事について蓮名ちゃんはどう思っているんだ?」

あー、その事ね。

「あ、それ俺も気になってたんだよ。どうなんだ?銀河」

「右に同じく。俺、気になります!」

閬とキクゴローも聞いてくる。

「ふむ…良かろう、答えてやろう。そのかわり今度ジュース奢ってな」

「2Lの炭酸水を3本、同じ日に渡そうか?」

……それは、嫌だな。

「……ヤクルトでいい」

「OK。交渉成立!」

…まぁ、それで良いか。


「あれから時を経てファーストキスが大事なものなんだと知って、俺の初めては想愛だったという事がわかった蓮名は泣いてしまった。そして、想愛と大喧嘩した」

「へぇ〜、あの2人でも喧嘩するんだな。全然想像できねぇや」

「そりゃあ人間だからな。まぁでも喧嘩なんて滅多にしないがな」

ほんと、良くできた妹達だ。

「それで、喧嘩を終わらせる為に俺が尽力した結果、想愛にある罰を与えたら蓮名は想愛を許すって言ったんだ」

「ファーストキスを許せるぐらいの罰か。それはどんな罰だったんだ?」

「ちなみに、その罰は今でも続いてるぞ」

「今でもかよ!?もう許してやれよ!」

俺もそうしてやりたいが、一生この罰を与えると約束した後だからもう遅い。当時の俺には一生という言葉の重みがわからなかったのだ。

ファーストキス、つまり俺の一生(・・)に一度の体験の相手が想愛だったのだから蓮名にとってはこれでおあいこになると思っているのだろう。

だから俺は蓮名に『もう許してやれよ』とは言わないし、言えない。

「蓮名が想愛に与えているその罰とは…」

「「「その罰とは?」」」

「俺が2人の名前を呼ぶ順番を固定する事だ」

「「「………は?」」」

まぁ、そうなるだろうな。

「なぁキクゴロー、俺っていつも妹達のことをなんて呼んでいる?」

「へ?呼び方って…『蓮名と想愛』、だよな?」

「「……あっ!」」

どうやら一存と閬は今のでわかったようだ。

「その通りだ。そして俺は今まで別の言い方をした事ってあったか?」

「マイハニー」

「…それは忘れて」

「マイエンジェルズ」

「……それも忘れて。あれは『中二病』という悪魔が俺に言わせた言葉なのだ」

一存と閬が笑いを堪えている。くそぅ、おまえらだって黒歴史の一つや二つぐらいあるだろうが。

「その話は一旦置いといて!俺は1度も妹達のことを『想愛と蓮名』って呼んだ事がないだろう!?」

「………あっ!確かに!」

ふぅ、これでキクゴローもわかってくれたか。…何故か、疲れた。

「俺が2人の名前を呼ぶ時の順番を一生固定。これが蓮名が想愛に与えた罪なんだよ」

「「「なるほど」」」

と、言い終えたところで俺の携帯が鳴った。

この着信音は…蓮名!

発信者が誰だかわかった瞬間にズボンのポケットから携帯を取り出し、電話に出る。

それまでにかかった時間、約1秒。

「「「速ぇ…」」」

うるさい、今はだまってろ。

「もしもし、蓮名、どうした?何かあったか?」

『お兄ちゃん…。困った事になったの…』

聞こえてきた蓮名の声からも困惑している感じが伝わってきた。

「わかった、一言一句聞き漏らすことなく注意して聞こう。それで、何があった?」

「…それっていつものことじゃね?」

だから今はだまってろって。

『えっとね、今さっきお母さんから電話があったんだけど———



———今度のゴールデンウィークに従兄妹(いとこ)が私達の家に泊まるって内容だったの…』



なん……だと……!?

戦極姫7が発売だー!やったー!

………んん?……あれ!?

島津家√が6に続いて無い…だと…!?

そんな馬鹿な!俺は初代戦極姫で島津に惚れたからここまで買ってきたというのに…!?

俺を四姉妹萌え、ツンデレ萌え、クーデレ萌え、デレデレ萌え、幼馴染萌え、姉萌え、妹萌えに一気に覚醒させた島津家√を返してくれよぉぉぉ…

いえちゃんを返してくれよぉぉぉ…できれば2(PC版)のいえちゃんをぉぉぉ…

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