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確認の言葉

祝・総合評価350突破!いやっほーい!ひゃっほーい!!フゥーハハハ!!!

「なんだ、生徒会長に呼ばれてたのか。私はてっきり兄妹での校内デートかと思ったぞ」

巣鴨先生に事情を話したらこう言われた。

先生が俺達をなんだと思っているのかがよくわかりましたよ…。

「全く何言ってるんですか先生、俺達は学校デートなんてほとんどやったことありませんよ」

「そうなのか?意外だな」

「それに私達は学校デートよりも家デートの方が好きですから!学校じゃ人目があるからお兄ちゃんだけの笑顔ができないし…」

「人目がなくて防音完備なのは音楽室だけですから…そこでしかお兄様と密着することができないんですよ」

学校デートって周囲を気にせず、目立ちたがりで優越感に浸りたいだけの自己中バカなカップルがやるものだと思ってる。

「人目とか防音とか…お前達はいつも家でなにをしているんだ!?」

ただ密着しているだけですが、なにか?

だけどたまに…というかしょっちゅう触ったり触られたり、弄ったり弄られたり押し倒されたりしてるけどな。


その後巣鴨先生と別れ…ようとしたら『楽しそうだから』という理由で付いてこられ、俺達は4人で生徒会室へと向かった。

そして生徒会室に到着、でも3人の部外者(しかもその内1人先生)を連れて入るのはさすがにどうかと思ったので3人には部屋の外で待っていてもらう事にした。

蓮名と想愛はどうしても俺と一緒に入ろうとしたが、これは俺の用事なので我慢してもらった。

「それじゃ、行ってきます」

「「行ってらっしゃい、お兄ちゃん(お兄様)!」」


「天陵だ、来たぞ」

数秒後に『どうぞ』と返事がきた。

そして生徒会室の中に入ったらそこには徳永だけが居た。

「お呼び立てしてすいません、天陵先輩」

「悪いと思ってるなら呼ぶなよな」

おかげで蓮名と想愛とイチャつく時間が減ったじゃねぇか。今の俺、ちょっとおこです。

「….すいません。ですがどうしても先輩に言いたい事がありまして」

ほほぅ?宣戦布告か?なんだね、言ってみろ。

「まず最初に…僕は蓮名さんと想愛さんのことを諦めたいと思います」

「っ!?………そ、そうか」

なん…だと…!?

俺と蓮名と想愛とがお互いを好きあっているというのを知って『自分の方が蓮名または想愛の彼氏にふさわしい』とかなんとか言って俺にわざわざ宣戦布告する奴は今までそこそこいた。

ちなみにその言い方は『お前なんかよりこの俺様の方が双姫の彼氏にふさわしい!』とか、『貴様なんかが双姫と付き合えるわけがない、さては何か弱みを握っているな!?』や、『お前から双姫を2人とも寝取ってやる!せいぜい泣き寝入りするがいい!ハーッハッハッハ!!』などがあった。

この事は将来絶対そいつらの黒歴史になるだろうな。

だから今回もそうかと、宣戦布告かと思った。というかそれ以外は考えられなかった。

だがしかし、今こいつは『諦めたい』と言った。

その言葉は初めて聞いた。なにせ蓮名も想愛もとてつもない美少女なのだ。普通の男だったら簡単に諦める事などできない。

でも『諦める』ではなく『諦めたい』と言っているあたり、こいつはちゃんと自分のことをわかっていると思う。優也なんて彼女いるにもかかわらず未だに2人に未練があるからな。

「昨日の朝に見た蓮名さんと想愛さんの笑顔、そして昨日の昼に僕の失言で怒らせてしまった時のお二人の表情でようやくわかりました。蓮名さんと想愛さんは本当に天陵先輩の事を好きなんだ、と」

本当ではないと思っていたのか、思いたかっただけなのかは俺にはわからない。

「なので…僕は素直に負けを認めます」

俺としては勝ち負けどころかお前を対戦相手として認識すらしてなかったんだがな。

「ですが!」

ん?

「ですがお二人の…蓮名さんと想愛さんの身になって、ちゃんと気持ちを考えてあげて下さい…!」

……………

「……………は?」

今こいつ、なんて言った?


「天陵先輩も蓮名さんと想愛さんのことがす…好きで、お二人を平等に扱っている事はなんとなくわかります」

………

「ですが蓮名さんも想愛さんも女の子です。デリケートなんです。2人同時より1人だけの方がいいと思っているのは間違いありません!」

………だまれ

「先輩がどう思っていようが事実上先輩は二股しているんです。2人のことをちゃんと想っているのならどちらかに絞って下さい…!」

………だまれ、だまれ

「今現在日本ではでは2人まとめて結婚することはできないんです!それがわかっているならばこれ以上下手な希望を与えない為にも今すぐお二人のどちらかと別れて下さい!」

………だまれだまれだまれだまれだまれ———

「だまれっ!」

「っ!?」

もう、耐えられなかった。我慢など、できるはずがなかった。

なぜなら———

「お前に蓮名と想愛の何がわかる….!」

まるで徳永が蓮名と想愛の全てを知っているような…俺の知らない所までをも知っているかのような発言をした。しかも俺が蓮名と想愛のことを何も知らないような発言をし、逆に蓮名と想愛が俺のことを深く知らないような発言をした。

これは俺、蓮名、想愛の3人の絆を侮辱するような事だ。それが一番許せなかった。

徳永は怒りを大量に含んだ俺の言葉に若干怯んだものの、気丈にも言い返してきた。

「わ、わかってないのは先輩の方です!先輩は女心がわかってません!普通女の子は自分1人だけを愛して欲しいと考えているものなんです!」

「蓮名と想愛をそこいらの女共と一緒にするんじゃねぇっ!!」

一般的な女心なんて知らない、俺には蓮名と想愛の心さえわかればいい。


それでも何か言ってくる徳永に怒りを募らせながらも俺は一応確認の言葉を言った。

「なぁお前…雲居(くもい)千枝(ちえ)って子、知ってるか?」

「は…?誰ですか?その人…って話をそらさないで下さい!そんなことより———」

「だまれ徳永、お前は不合格だ」

そして徳永は誰だかわからなかった。つまり不合格だ。

「ふ、不合格ぅ?」

「あぁそうだ。お前は金輪際蓮名と想愛を知っているなどと言っていい権利はない」

元からこいつにそんな権利なんてなかったけどな。

「なぜ———」

「お前は蓮名と想愛の事を何も知らない。『星鏡の双姫』としてではなく、『俺の妹達』としての蓮名と想愛を少し(・・)見ただけなのに詳しく知っていると勘違いしているだけだ。それがさっきの質問でよくわかった」

さっきの質問———『雲居千枝を知っているか?』の事だ。

なぜなら蓮名と想愛の頭の中を占める人物の割合は俺が7割、両親(4人)が1.5割、友達が0.5割、そして雲居千枝…彼女が1割を占めているからだ。


彼女は蓮名と想愛の親友であり、家族以外で唯一信頼できる相手であり、そして———




———蓮名と想愛、2人が男性恐怖症になった原因を作った人だ。

学園ジャンルが消えた…だと…!?

この作品のジャンルどうしよう…

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