番外編:母の日
祝・総合評価250突破!からの〜300突破!!
本当にありがとうございます!これからも頑張ります!!
皆さんは母の日にちゃんとプレゼントを渡していますか?
今日は5月8日…そう、母の日だ。
なので俺、蓮名、想愛の3人は母さん達へのプレゼントを買いにデパートに来ていた。
「お兄様とデートに行けてますしお母さんと華月義母さんにプレゼントを渡したい気持ちはあるのですが…やはり人が多い場所は苦手ですね」
「だよね…嫌な視線をあちこちから感じるよ…」
蓮名と想愛は外出が嫌いだ。理由は嫌でも目立ってしまうから。
男性からの視線はもちろん、女性からの憧れや羨望の視線も蓮名と想愛にとっては迷惑でしかない。
そして俺にもついでで多くの視線が向けられるのだが、これまた迷惑でしかない。
男性からの妬み、恨み、『お前とは釣り合ってねーよ!そこ変われ!』という心の声、女性からの『あの2人とこの人の関係性ってなんだろう?』という疑問に満ちた表情をあちこちから感じるのはかなりキツイ。てか面倒くさい。
けどそれならまだ平気だ。まだ耐えられる。
でもどうしても我慢できないのは…蓮名と想愛に向けられる野郎共の視線だ。
蓮名と想愛は俺の為だけに美を極め、俺に褒められたいが為だけにオシャレをしてきた。
そんな俺だけに見せる為に極めた蓮名と想愛の美貌が野郎共の野獣のような眼で見られるのは我慢できるものではなかった。
「………」
………男共の視線を感じなくてすむように…もういっそのこと蓮名と想愛を監禁して一生俺だけしか2人を見れないようにしようかな…蓮名も想愛も絶対嫌がらないと思うし…。
「———って待て!俺今なんて危ない思考回路をしていた!?」
周りの人達が驚いてるけどそんなの知らん!蓮名と想愛は驚かしてゴメン!
あぶねー!マジあぶねー!!このままでは俺は本当に蓮名と想愛を監禁しかねない、たとえしなくても何か別の犯罪をやらかしかねない!
自分で自分が怖い!俺はヤンデレか!?
この時俺は頭の中が完全にパニクっていた。
だから気づかなかった。この時蓮名と想愛がどんな表情をしていたかに。
「売り切れてなくて良かったね、お兄ちゃん♪」
「そうだな、まぁ普通は1人1本だからな」
「未婚で母親が2人いる人はそういませんからね」
とりあえず花屋にて3人でカーネーションを2本ずつ、計6本買った。母さんに3本、紅葉義母さんに3本渡すつもりだ。
店員さんが『なんで6本…?』とか言ってた気がするけど気にしない。だって渡す相手が2人いるとその数になるんだよ。
本当ならこの後2人のショッピングに付き合いたいのだが今日は母の日だ。つまりデパートに人が多い。
人混みが嫌いな俺達は他の買い物を諦めてさっさと帰ることにした。
もしも蓮名と想愛が変な奴に絡まれたりしたら俺はそいつを全力で殴りかねないしな。
「母さん、紅葉義母さん、いつもありがとう!」
「「お母さん、華月お義母さん、いつもありがとう!」」
夜、篠宮家で2家族合同の母の日パーティーが行われた。(篠宮家は天陵家の1.5倍ぐらい大きい。だから7人居ても狭くないのだ)
この日はいつも忙しい新斎義父さんもちゃんと参加している。
「3人とも…ありがとうね。お花、大切にするから!」
「いつも母親らしい事できずにゴメンなさいね。蓮名、想愛、銀河くん、あなた達は最高の子供達よ!」
おうおう、照れるではないか。
でも喜んでもらえてなによりだ。紅葉義母さんなんて涙ぐんでるし。
その後はみんなでご飯を食べたりして楽しく過ごした。
今年の母の日パーティーは大成功で終わり、後は家に帰って風呂に入って寝るだけだった。
だったのだが…。
「ふんふ〜ん♪お兄ちゃんがお泊まり〜♪」
「今日こそは私のベッドで…うふふふふっ♪」
「…あぁ、そうだな」
俺は今日、篠宮家に泊まる事になった。
蓮名と想愛がめずらしくわがままを言ったのだ。
上機嫌になってる母さん達はこれを了承、父さんもいつも通り了承、そしていつもは反対してくる新斎義父さんさえも酒を飲んで酔っぱらっていたおかげで了承してくれた。
新斎義父さんは明日きっと自分の発言に対して後悔すると思う。国会議員なのにこれで大丈夫なんだろうか。
「『そうだな』って事は…お兄様の初めては私が貰って良いということですか!?」
「想愛ずるーい!お兄ちゃんの初めては私が貰うのー!!」
そんなこんなで俺は今蓮名と想愛の部屋に居る。
あいかわらず蓮名と想愛の部屋はとても良い匂いというか香りというか…とにかく良い。
部屋もとても女の子らし………くはないな、ところどころおれの写真があるし。
昔『いつでも会えるんだからそんなに写真を貼らなくてもいいんじゃないか?』と聴いたところ『精神安定上あったほうがいいの!』と答えられた。だからもう写真については諦めてる。
「お兄様!初めては私にくれるんですよね!?」
「お兄ちゃん!私にくれるんだよね!?」
「…どうしよう?」
どうしようか?
深夜、篠宮家にもちゃんと俺の部屋があるのでそこで寝ようとしてたら蓮名と想愛が部屋に入ってきた。そしてそのまま布団の中にも入ってきた。
うむ、暖かい。
じゃなくて!
「いやいやいや!何してんの!?」
「今日は母の日でしたよね?」
「?そうだけど…」
時刻的にはもうすぐ昨日になるけどな。
「私達も来年にはお母さんになりたいな〜って思って、ね♡」
「っ!?」
…なかなか心揺さぶられる言葉をかけてくるじゃねぇか。今のはかなりヤバかったぞ。
あいかわらずこの双子は俺の理性を崩壊させるのがうまいな。
「それに…」
「…今度はなんだ?」
「私達を監禁してくれるのですよね?」
「…!?なぜそれを…!」
「ふふっ♪」
本当にこの双子は…!
てかあの時の危険な妄想を口に出していたのか俺は!?
聞いていたのが蓮名と想愛で良かっ…たのか?
いや、そんな事より今はこの状況をどうにかするのが先だ。
「なぁ蓮名、想愛、ひとまず———」
「私達を監禁して…ずーっと愛してくれるんだよね?お兄ちゃん♡」
「うふふっ♪子どもは何人作りましょうか?お兄様♡」
「………」
あ、これあかんわ。主に俺の理性が。
母の日に祝う相手が2人増えるのはそう遠くないかもしれない。
ちなみにその後適当にはぐらかしているうちに睡魔が蓮名と想愛を襲い、2人は寝てしまった。
その為いかがわしい行為は何もしていない。
そして翌朝、3人一緒に同じベッドで寝てる俺達を見た新斎義父さんの叫び声によって朝早くに起こされるのであった。
私は母の日に生活用品をプレゼントしていますね
花よりもそっちの方が貰って嬉しいと思いますから




