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怒りのクラスと電話の恐怖

祝・総合評価200突破!

なんと…驚き桃の木山椒の木!うわぁ〜お!

今日のすべての授業が終わり、俺は中等部の生徒会室———ではなく、いつも通り集合場所の校舎裏へとやってきた。

もちろんそのままさっさと帰るつもりなのだが、呼ばれている以上さすがに待ちぼうけをくらわせるのも可哀想なので、知り合いに『天陵は帰った』ということを徳永に伝えてほしいと頼んだ。

これでもう気に病むことはない、今日もいつも通り早く帰れるな!

そう思っていると———

「お兄ちゃん!」

「お兄様!」

これまたいつも通りに双子の女神様方が我が両腕に抱きついてこられた。

「うおぅっ、蓮名、想愛、今日も早いな」

「当然だよっ、お兄ちゃんを待たせるわけにはいかないもんっ♪」

「それに私達は少しでも速く、少しでも多くのご奉仕をお兄様にしたいですから♪」

家ではいつも2人と身体を密着しているが、16年経った今でも未だドキドキする。というか何年経ってもドキドキし続けるだろう。しかも学校にいる間は一回も逢えないのだ。そのため2人とも俺の腕を強く抱きしめて…あぁ、至高のお山の至福の感触が…!

毎回この感触を味わうたびに俺はいつ死んでも良いと思ってる。まぁ蓮名と想愛のためにも生き続けなければいけないのだが。


家に帰っていつも通り近況報告をしていると、話題は朝の事についてになった。

「そう…あいつ(徳永)はお兄ちゃんのことを私達の兄じゃないって言ったの…殺してやる…!」

「しかもお兄様を変な人を見るような眼で見たですって…!滅してやる…!」

「まてまてまて!?落ち着け!」

殺意いくない。人殺しダメ、絶対。

蓮名と想愛は俺のことになると超感情的になる、それが唯一の欠点だ。…いや、めっちゃ嬉しいし可愛いから欠点ではないな、可愛いは正義。つまり蓮名と想愛は正義。

「でもあいつはお兄ちゃんを…私達のご主人様を侮辱したんだよ!?死んで報いを受けさせないと…でもダメ、あいつなんかの命なんかじゃ到底高貴なるお兄ちゃんの怒りを収めるに値しない…」

「いくらお兄様のお言葉でも落ち着くことなどできません。あいつはお兄様を…ご主人様を侮辱したのですから!お兄様を侮辱する輩などこの世にいりません。あいつの一族郎党皆殺しにしてきます!」

ヤバイ…俺のいうことを聞かないってことはそうとう怒ってるぞ!?このままじゃ本当に殺人を犯すかもしれない、なんとかせねば。

こういう時は———

「なぁ蓮名、想愛、ちょっとこっちに来て」

「なに?お兄ちゃん」

「なんですか?お兄様」

そう言って近づいてくる蓮名と想愛。よし、射程距離まで3…2…1…GO!

「それっ!」

俺は2人に抱きついた。

「「!?」」

おぉ、動揺してる動揺してる。攻めが強い女の子は攻められると弱いってのは本当なんだぜ。

ちなみに今余裕があるように言ってるけど俺の方がもっと動揺してる。もう心臓がバックバクやで!

「「♡………はっ!?」」

TOKIMEKIがエスカレートして心がDOKIDOKIなリズムを刻んでいると2人が我に返って慌てだした。

「お、おおおおお兄ちゃん!?どどどどうしたの!?もしかして今シたくなったの!?まだ夕方だよ!?お日様まだあるよ!?」

「お、おおおおお兄様!?ななななんでしょう!?今!?今ですか!?せめてお風呂に…あ!いえ!別に嫌というわけではなくてですね!?」

なんとか注意を惹きつける事はできたけど2人とも完全に誤解していらっしゃる。おいおい、そんなこと言ってるとその気になっちゃうだろ、誤解じゃなくなっちまうだろ。

このままではヤバイ、理性がヤバイ。ってことで俺は2人から手を離して距離をとった。

…否、距離をとろうとした。

「「えいっ!」」

「おわっ!?」

しかし、俺が手を離した瞬間蓮名と想愛が逆に抱きついてきて俺はベッドに押し倒された。

おいおい、美少女双子にベッドで押し倒されちゃったよ…めっちゃ興奮するじゃねえか!

今まで何回もなったシチュエーションだけど毎回ドッキドキやで!もうそろ自分の心臓が過労死するんじゃないかと不安になってくる。

「お兄ちゃん…まだ夕方だけど…私達と…このまま…!」

「お兄様…お風呂に入っておりませんが…どうか私達と…契りを…!」

そう言って自らの服に手をかける蓮名と想愛。

あ…ヤバイ…このままでは理性が…。なんとかして2人を止めねば!

「そ、そういえば蓮名と想愛は学校どうだった!?あいつ(徳永)から何か言われなかったか?」

「「っ!!」」

そう言った瞬間に2人の行動が停止した。

…なにがあった?


「なるほど、そんなことがあったのか」

蓮名と想愛の話をまとめるとこうだ。

昼休みの時間に急に徳永が蓮名と想愛のクラスに入ってきて、(徳永はA組、蓮名と想愛はB組だ)

『蓮名さん!想愛さん!天陵先輩になにか変な事されてない!?嫌なこと言わされたりしてない!?何かあったらすぐ僕に言うんだよ!いつでも相談に乗るから!』

と、言ったらしい。

これに蓮名と想愛は激怒して、

『あなたに話すことなど何もありません。そしてもう二度と私達に話しかけないでください、私達はあなたのことが嫌いです』

と、言ったそうだ。

徳永ドンマイ…俺を変人扱いしてムカついてたけどこれはさすがに哀れに感じてくるな…。

徳永としては善意で言ったのに、2人に嫌悪と憎悪が込もりまくった視線を向けられ、完全拒絶の言葉を言われる。それだけでもかなり悲しいのに言われたのが自分の好きな子など、到底俺には耐えられない。

あんなにも正義感が強そうで責任感がありそうで頭良さそうでイケメンで生徒会長なのに…自分で言っててなんかムカついてきた、やっぱ徳永ざまぁ。

いやぁ、リア充が盛大に振られてるってどうしてこんなに気持ちいいのだろう。他人の不幸は蜜の味、実に甘露なものだ。フゥーハハハ!

「すいませんお兄様!教室という人が大勢いる場所であんなに感情をあらわにするなど…はしたなくてすみません!」

「ごめんなさいお兄ちゃん!次からは絶対にあいつに口をきかないから!いくら話しかけられてもずっと無視するから!」

「いやいやいや!?」

そんなに深刻にならなくてもいいから!こっちはついさっきまで心の中で高笑いしてたくらいだから!


謝る蓮名と想愛をなんとかなだめて落ち着かせていると、俺の携帯が鳴った。

「「…誰から(ですか)?」」

怖い!?

「キクゴローからだよ!及川菊五郎!」

俺に電話がかかるたびに何か変な威圧感を向けてくるのはやめてほしい…。

「大丈夫だよお兄ちゃん。お兄ちゃんの携帯の電話帳には私達とお母さん達しか女の人がいないのはわかってるから♪」

「そうですよお兄様、だから今のはちょっとした冗談です♪」

ならよかっt…俺、2人に携帯の電話帳見せたことあったっけ?

「とりあえず電話に出てくるよ。すぐ戻るから」

そう言って俺は部屋を出た。

「「…電話」」

だから蓮名と想愛が呟いた言葉に気づかなかった。


「もしもしキクゴロー?電話なんて珍しいな、どうした?」

「おぉ銀河、突然だが今週の日曜って空いてるか?暇なら優也達と遊びに行こうぜー」

遊びの誘いか、俺は部活に入ってないし習い事もしてないからいつでも暇なんだが———

「空いてるけど空いてない。まぁいつも通りのやつだ」

「やっぱりな。まぁ最初からダメ元だってわかってるけど一応声をかけておいただけさ」

わかってくれたか。さすがはキクゴロー、だてに長い間俺と友達やってないな。

ちなみに今の俺の言葉の意味は『とくに用事はないけど蓮名と想愛と一緒に過ごすから遊べない』という意味だ。

だから俺は友達と学校以外で遊ぶという経験がほとんどない。そのため家に友達を呼んだことも友達の家に遊びに行ったこともほとんどない。そしてそれは蓮名と想愛も同じだ。

別にこれを煩わしいと思ったことは俺も、蓮名も、想愛も一度もない。

友達はもちろん大切なのだが、俺にとっては蓮名と想愛が、蓮名と想愛にとっては俺が一番大切な存在なのだから。


「ただいま〜」

そう言って部屋に戻って携帯を机の上に置く。

その直後———

「「ていっ!」」

「のわっ!」

俺は再び蓮名と想愛に抱きつかれてベッドに押し倒された。

「な、なんだ!?いったいどうし———」

ガチャン

「ガチャン!?」

気づけば俺の両手は2人によって手錠で拘束されていた。(手錠は蓮名と想愛の私物)

「ねぇお兄ちゃん。今日の朝学校で電話したときのこと、覚えてる?」

「朝の電話?あぁ蓮名と想愛が変な違和感を感じて俺に電話してきたことか」

「はいそうです。そこでの会話で私達はお兄様との絆の深さを再び感じれました」

あのときの会話って…あっ、まさか!?

「いやいやいや!?あのとき言った『俺もちょうど〜』の部分はなんというか…その〜…あれだ!」

「ふふふっ♪そんなに慌てなくても大丈夫だよお兄ちゃん。あのときの言葉は嘘だってちゃんとわかってるから」

「だからこれは私達に嘘をついたおしおきです♪もう二度と私達に嘘をつけないようにしますからね♪さぁ、私達の絆をもっと深めましょう」

ヤバイ…派手に動けば拘束を解けるけど、そのせいで蓮名と想愛を怪我させるかもしれないから動けない!まさか…この双子はそこまで計算して…!?

「もう嘘つかない!それに俺と蓮名と想愛の絆はもう十分深いって!」

「お兄ちゃんに嘘をつかれて私達は傷つきました。なので私達はお兄ちゃんの『愛』を所望します♡」

「絆が深いのはもうわかっています。なので、すでに絆が深いならもっと深く、強い『繋がり』を持ちましょう♡」

そして俺は2人に服を脱がされて———

「ちょっ、待っ、ストッp…イヤーーー!」

俺は今日も楽しい1日を過ごしています。

高校の生徒会長はとても面白い人でした

おかげで全校集会も楽しかった!

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