星鏡の双姫
処女作です。これから頑張ります!
昔、幼稚園の先生は言った。「人は必ず良い所を一つは持っているのよ」と。
それを聞いた幼きころの俺は先生にこう言い返したらしい。「れんなとそあはいいところたくさんもってるよ?」と。
「4月になったばっかなのにもう桜が散ってる…」
あぁこれが地球温暖化なんだなーと思いながら俺、天陵銀河は帰り支度を済ませて教室を出た。
季節は春、月は4月。俺の通うこの星鏡学園はつい最近新入生達が入学してきたばかりだ。
星鏡学園は中高一貫校で、この地方一番のマンモス校だ。そのせいで校舎がやたらでかい。新入生は迷う、必ず迷う。『迷ってから本当の星鏡の生徒になる』という迷…名言が生まれるぐらいだ。
さすがに中等部時代から数えて計5年この学園にいる俺はもう迷うことはないが、今日もすでに3人の迷子を助けている。人助けとはよいものだ…
それから長い廊下を進み、多い階段を下り、でかい昇降口を抜けて、人が多い校庭から隅の方に歩き、生物部の宝である飼育小屋の方に向かい、小屋の先にある角を左に曲がって人がいない校舎裏にやってきた。
………長いわ!
と、そのとき———
「お兄ちゃん♪」
「お兄様♪」
両腕にとてつもなく見目麗しい女神様方が抱きついてこられました。
それと同時に神経にダイレクトアタックしてくるお山様の感触ととても良い香りが我が両腕に…!
「………蓮名、想愛、遅れてごめんな?」
俺はまともに言葉を紡ぐ事ができただろうか…ヒートアイランド現象を引き起こしている我が頭ではわからない。
そう、この見目麗しい女神様方こそが『星鏡の双姫』と呼ばれる俺の幼馴染、篠宮蓮名と篠宮想愛其の人である。
「いいえ、私達は全然苦にしておりませんから大丈夫ですよ♪お兄様♪」
「うんうん♪けどちょっとお兄ちゃんに聞きたい事があるんだ〜♪」
さすがは『星鏡の双姫』、心まで女神級である。ただ———
「なんだい、何でも言ってごらん」
ただ———少し———
「「ねぇお兄ちゃん(お兄様)」」
「「朝廊下で話してた女の子———誰(ですか)?」」
少し———彼女たちは病んでいる。
この作品の時代は今より少しだけ未来の設定です。
なので少し温暖化が進んで桜が早く散ったり、少し少子化が進んで一貫校が当たり前になっている…という感じです。