伐山弁護士、まさかの殺人予告!?
[グサッ!]
「いやあああ!」
[プルルルルルル!]
「はい、警視庁捜査一課。
・・・ふむ・・・。
何、人が殺されてる!?
それで、現場は!?
・・・・・・。
分かった、直ぐに向かう。」
[ガチャ]
2006年9月1日、午後9:30。とある一室で、女性の刺殺体が発見された。
被害者は、現在、芸能界でも人気噴騰中の弁護士、伐山 和雄の妻、伐山 恭子。
恭子は、生前、ストーカー行為に悩まされており、何度か警察にも顔を出しており、警察内部では、痴漢引き寄せ体質、と噂をされていた。
警察は、生前の被害者を付け回していたストーカー男、高山 洋一氏を恭子殺しの容疑で逮捕した。
事件はそれで終わったかの様に見えた。
が、それは全ての始まりにしかすぎなかった。
また、その後の調査で、洋一にアリバイがある事が解り、事件は振りだしに戻った。
そんな中、事件は再び起きる。
2006年9月4日、午前10:00、私は伐山弁護士の記者発表のニュースを見ていた。
「妻が死んで、本当に、本当に悲しいです。」
伐山弁護士が涙を流しながら言う。
[カシャ!カシャカシャ!]
カメラマンが写真を撮る。
「犯人について、どう思われますか?」
記者が質問する。
「もう、殺してやりたいほど憎いです。」
伐山弁護士は言い放った。
「もし、犯人がこの会場にいたらどうしますか?」
「この手で、絶対に殺します。警察に捕まる覚悟は出来ています。」
[ターン!]
画面が切り替わり、右上に小さく、"伐山弁護士、まさかの殺人予告!?"と表示され、アナウンサー達が画面中央に横並びに映った。
「聞きました?伐山弁護士の発言。」
「また、大胆な事を発言しちゃいましたね。」
[ブチ!]
私はテレビ画面を消した。
画面は映像が消え、一瞬で真っ黒に染まった。
(何か面白い事無いかなあ・・・。)
そんな事を考えていると、お母さんが部屋に入ってきた。
「真理絵、電話よ。警視庁の警部さんから。」
(警部が?)
私は電話を受け取る。
「はい、お電話換わりました。」
『お、真理絵ちゃん。久しぶりだね。元気してるかい?いや、そんな事よりも・・・。』
警部の声が真剣な声に変わる。
『先日、伐山家で殺人事件が発生したのは知ってるね?』
「知ってますけど、それが何か?」
『その事で、君にお願いがあるんだ。』
「お願い?」
『事件の捜査を協力してほしい。』
「ちょ、ちょっと待って?それって、もう解決したんじゃないんですか?」
『いや、新たな情報が入ったんだ。おかげで事件は振り出しに戻った。』
「なるほど、それで協力を依頼って訳?」
『違う、要請だ。だから、捜査費用はやらんぞ。』
「それは残念・・・。」
『まぁ、兎に角、そういう訳だから、一緒に捜査をしてくれないかね?』
「分かりました。では、事件現場で落ち合いましょう。」
[ピッ!]
私は電源を切ると、受話器を置きに部屋を出た。
ドラマ化するなら、伐山弁護士役は丸山弁護士だ!
この役は彼にしか出来ない!