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天然彼氏  作者: 湖真子
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探してます!

捜索開始!

先輩の表情が忘れられない。

先輩をもう一度見て、確かめたい。

この気持ちが本物なのか、まがい物なのか確信したい。



その日から私は先輩の姿を探した。

次の日から毎朝早く学校に来て渡り廊下に通ったけど見かけることは無かった。勇気を出して先生に用がある振りをして、三年の先輩のいる三階に足を運んだけど見かけることは無かった。

お昼にお弁当があるのにもかかわらず食堂に足を運んだけど居なかった。

(縁が無いのかな…)

神様が諦めろと言っているみたいで更に凹む。

先輩は見かけなかったけどあの時の子犬は見かけた。子犬は迷い犬だったらしく、学校近所の家に兄弟と思われる犬と一緒にいるのを次の日に見かけた。

(先輩に会いたい…)



「はぁ…」

私の溜息に幼馴染の里香(りか)が心配する。私と同い年なのに妙に色っぽい。羨ましい。私は里香と比べると、子供っぽい。何故か時々小学生と勘違いをされる程に幼い。

「最近溜息ばっかり…幸せが逃げちゃうよ?」

「もう逃げて無くなってるぅー…」

弱弱しく私は呟いた。先輩を見かけない事がこんなにも気分を重くする。お気に入りの葉っぱを見ても先輩のことを思い出すだけで更に凹む。そんな自分に驚いていた。

(会いたい…)

思いが募る。

先輩に会えないのは、前世でろくな事をしなかったに違いない。

加奈(かな)~。まだ先輩を探してるの?」

私が先輩を探している事を知っている里香は諦めちゃえと、囁く。

(それは絶対に嫌!!!!)

私は里香を見つめた。

「…イイ顔。優しい優しい幼馴染からアドバイス~」

私の表情に満足な笑みを浮べる。

「眼鏡の先輩の隣にいる先輩はサッカー部の副部長なんだって」

「……?」

その情報がアドバイスなのかが分からない。

「馬鹿ね。その先輩経由で調べればいいのよ!」

そう言って私の頭を叩く。

「!」

「じゃ、今日ダーリンとデートだから先に帰るね」

遅れちゃうわ~とか言いながら早足で教室のドアの方に行く。私はその姿に手を左右に振る。

里香が教室から居なくなった後、里香の彼氏がサッカー部だった事を思い出した。

「逃げた!!!」

今まで知っていて黙っていたに違いない。もしかしたら私が探している先輩の名前とかクラスとか知っているかも知れない。いや、きっと知っている。じゃなくちゃ、いつもならデートに平気で遅れる里香が急いでデートに向かうのはおかし過ぎる。

「……」

(本当に前世で私はどんな悪い事をしたんだろう…)

そう思いつつもサッカー部が練習しているグランドに行く事にした。


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