第六話 Dランクダンジョン突入
「アナリス、ちょっとこっちに来て」
「リク、どうしたの?」
リクがアナリスを呼んでひそひそ話をする。
「実はね、「ゴミ拾い」のスキルは便利なアイテムボックスくらいの説明にとどめておきたいんだ」
「確かにまだ「蝶華優閃」の人たちや他の人に明かすのは早いわね」
「そうでしょ? この能力は出来るだけ秘密にした方がいい気がするんだ」
二人のひそひそ話を不思議そうに見る、「蝶華優閃」の面々。
リーダーのマキは金髪ブロンドと目を輝かせて、興味深そうにしていたが。
しばらくすると、冒険者ギルドについたので中に入る。
冒険者ギルドによってDランクダンジョンに出てくる魔物の素材のどれが依頼として出されているか見に行く。
「お、おい。「蝶華優閃」のメンバーの中に男が入ってるぞ」
「え? あれって「ゴミ拾い」のリクじゃん。あいつと「蝶華優閃」が合同で依頼を受けるのか⁉」
「ただでさえ、美少女のエルフを連れているのに、「蝶華優閃」との合同依頼なんて羨ましいわ!」
ざわざわとする冒険者たちと、何故か血の涙を流しながら、リクに迫ろうとする黒髪の丸眼鏡をかけた女性。
冒険者ギルド内での乱闘は認められていないので、職員に引きはがされていく残念美人だった。
「ふむ、Dランクダンジョンで求められている素材は……オークの素材全般とロックフロッグやゴーレムの素材なんかも依頼に上がってるな」
「Dランクダンジョンは三十階層まででしょ? 十階層まで行けばとれる素材だよ~」
「俺っち、毎日湧きなおす宝箱なんかも取っていきたいぞ」
「「山の麓ダンジョン」なら状態異常を掛けてくる魔物もいませんし、いいかもしれませんわね」
「ん。同意」
マキやマーレッド、クルミ、ルナ、ウララが掲示板を見ながら話す。
リクとアナリスはそれを学ぶようにしっかりと見ていた。
二泊三日の予定なので、食料に不足がないかをちゃんと確認する。
一行はDランク「山の麓ダンジョン」に到着する。
ギルド職員に通行証をもらう時に、ランクFの冒険者とBランクの「蝶華優閃」がなぜ一緒に行動するのか、説明しなければならなかったが、「蝶華優閃」のネームバリューにより、認められてDランクダンジョンに入る。
「山の麓ダンジョン」はDランクに上がりたての冒険者に人気のダンジョンだ。
一階層から四階層までは見晴らしのいい草原地帯。
五階層はボス部屋で、六階層から九階層までは山の麓から中くらいまでを歩く。
階層までの階段が見つかりやすく魔物の討伐がしやすいのだ。
一階層はゴブリンやホーンラビット、スライムくらいでアークフォレストの湖にいた魔物と変わりない。
リクは準備運動とばかりに、ハルバードを振るい、ゴブリンをミンチにしてしまう。
「リク、一応、討伐の証拠になる耳は残すんだぞ」
「ごめん。確かにそうだった」
マキは項垂れるリクを慰めながらも少し顔を上気させていた。
「リクが可愛くてたまらん」
リクには聞こえない声だったがアナリスはばっちり聞いていて、マキをジーっと見ていた。
アイテム収集はリクの「ゴミ拾い」で楽々収集だ。
「蝶華優閃」の面々はこんなに回収が楽とは……と驚いていた。
リクを撫でながら、ほめる薄赤色のポニーテールのマーレッド。
更にアナリスのジト目が強化される。
後ろから何か蜃気楼の様なオーラが出始めるアナリス。
次の戦闘が始まるが……。
アナリスはあえて、リクに当たるスレスレでウィンドアローを放つ。
ゴブリンをハルバードで唐竹割りにした後、後ろをかすめる風魔法にびっくりするリク。
「アナリス⁉ 僕に当たっちゃうよ!」
「リクの馬鹿、阿保、間抜け!」
アナリスは狂ったようにリクを魔法の的にしようとする。
ヒュン、ヒュン! 途中からウィンドカッターまで飛ばし始めるアナリス。
何で怒っているかわからないリクは十分間躱し続け、息を切らしていた。
「ちょっとは反省しなさい」
「……うう、なんで」
「蝶華優閃」の青髪のボブのルナはリクに生暖かい視線を向けていた。
そんなこんなで二階層に突入する。
見晴らしのいい草原なのは変わらないが、ここからは猪系の魔物と闘牛のような魔物が出てくるようになる。
「気を付けろ。突進を躱してから攻撃をするんだ。クルミ、見本を見せてやれ」
「俺っちに任せろい!」
猪の魔物、バトルボアが桃色の猫耳美少女クルミに気づく。
クルミはお尻をフリフリさせ、バトルボアを挑発する。
結果、バトルボアは怒り、クルミに突進する。
——桃色の残像が分身したように見えた。
バトルボアの突進はかなり早かったが、クルミの動きは見えなかった。
なんて、身のこなしとスピード。
リクは流石Bランクパーティーのメンバーだと感心する。
バトルボアは頭からナイフで串刺しにされ、死体となっていた。
「クルミ、すごい!」
「俺っちの速さに酔いしれろ! だ!」
「一瞬、残像が見えるくらい早く動いて、後ろを取っての串刺しは強すぎるよ」
リクの的確なほめ方に照れるクルミ。
「リク、それくらいにしろ! 俺っちが溶けちまう」
「あはは」
その後はバトルボアの解体だ。ダンジョン産の魔物は倒しても、すぐには素材にならないので解体できる。内臓や皮は一定の需要がある。
当然肉も食える。リクは食べたことがあるがアナリスは興味津々だった。
「さあ、一回こいつを解体してみるか」
「はい!」
「分かったわ」
マキの一声でリクとアナリスは解体を始める。
一階層でもホーンラビットは解体をしていた二人。
リクは元勇者パーティーの雑用係なので解体はお手の物。
アナリスに的確に指示を出し、革を剥いで、内臓を傷つけないように取り出し、食用可と出ている部分だけを保存しておく。勿論鑑定はアナリスがした。
「ん。内臓食べるの?」
「私の鑑定では肝や心臓、他にも食べれる部位はあるわ」
「さあ、リクの「ゴミ拾い」で保管しておいてくれ。アイテムボックスの容量は余裕はあるか?」
「まだまだいけますよ」
ほう? とマキの目が興味深げに光る。どうやらマキはリクの「ゴミ拾い」のスキルの容量を気にしているらしい。
リクはそれとなく誤魔化して、素材を入れる。
『「ゴミ拾い」でバトルボアの拾った素材を回収しました。突進(小)を付与します』
アナリスは何気なくリクにアイコンタクトを送りながら鑑定する。
「え?」
「アナリス、どうしたんだ」
「い、いえ。何でもないわ」
二人の予想では解体した素材ごとにスキルがもらえると思っていたが……。
リクはそれはさすがにチート過ぎるか、考えを改める。
だが、アークフォレストで倒したオークの時は二つスキルをもらえた。
つまり、同じ魔物は結局拾った素材と自分で倒した素材の二回しかスキルの獲得チャンスがないってことなのか?
その後、リクとアナリスは交互にバトルボアと突進してくる牛、バトルカウを回避しながら倒す。
結果、倒したバトルボアからは闘気(小)、拾ったバトルカウと倒したバトルカウからは突進(小)と槍術(小)が付与された。
(小)は3つ同じスキルを集めると(中)になるようだ。
第二階層は難なく越えて、第三階層に入ることになる。
リクのステータス
◇リク
◇性別 男
◇種族 人間
◇年齢 22
◇職業 冒険者
◇レベル12
◇体力 D+(D→D+)
◇魔力D(E→D)
◇固有スキル 《ゴミ拾い》
◇一般スキル
◇HP回復(小)
◇水魔法(小)
◇槍術(小)×2 new!
◇俊敏(小)
◇棒術(小)
◇身体強化(小)
◇怪力(小)
◇重撃(小)
◇闘気(小)new!
◇突進(小)×2 new!
◇二つ名
◇ゴミ拾いのリク。
◇エルフの友(???の友)
◇女たらしnew!
小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。




