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第四十三話 聖なる海のダンジョン 後編

 リクとセリーナ様は第五階層——ボス部屋のユニコーンの前に呼ばれていた。

「一体、何が起きたのですか?」

「分からないけど……」


「リク様、私のレイピアを出してくださいまし」

「うん。セリーナ様は大丈夫ですか?」

「セリーナと呼んでくださいまし。もう体調は万全ですわ」


 リクはセリーナにレイピアを渡しながら、目の前に立つユニコーンを見る。

 体長十メートルの巨大な聖なる魔物がリク達の前にそびえ立っていた。


『む? リクだけを呼んだつもりだったが。巻き込まれてしまったか』

「貴方は、聖なる海のダンジョンの五階層のユニコーン様ですか?」

『そうだ。本来はそこの娘の呪いを解くために試練を与えるつもりだったが、先に呪いが解かれてしまった。聖光魔法(極)を得るためには試練を受けねばならぬ。それを与えるためにお主を呼んだ』


 セリーナは除け者にされていると感じたのか、頬を膨らませてユニコーンに抗議をする。


「わたくしもいますわ。リクの妻ですのよ」

『お、おう。それは失礼なことをしたな』

「僕には妻はいませんよ⁉」


 リクが抗議するが、ユニコーンは一人頷いて、リクとセリーナを見る。

『ならば、お主たち二人で試練を受けるがよい』

「分かりましたわ」

「セリーナは病み上がりですよ⁉」

「リク様が頑張ってくれればいいのですわ。私だけ指をくわえて見ているわけには行きませんの」


 しょうがないな。セリーナとユニコーンはやる気だ。

 リクは超人化(極)とカリスマ(極)を発動する。


『おお、古のカリスマ(極)を有する者がこの時代にいるとはな。これは期待できそうだ』


 ユニコーンは首をうんうんと縦に振り、嬉しそうにいななく。

「こうなったら手加減できませんよ」

『それでよい。わらわも五階層の魔物としてではなく、本気の本気を出そうではないか』


 ユニコーンはいななくと白い結界に包まれる。

「セリーナ、僕が結界を壊すから、その後に魔法を放って!」

「分かりましたわ」


 リクは俊敏(中)と(小)と突進(大)と(中)を重ね掛けして距離を詰める。

 白い雷撃がリクを狙って落ちてくる。


 左、右、左!

 ジグザグに走って、雷撃を避ける。


 槍術(極大)と超人化(極)とカリスマ(極)と重撃(大)!

 リクは白い結界に漆黒のハルバードの矛を向けて、突貫する。

 白い結界と金色のオーラがぶつかり合う。


『何という一撃!』

「負けないよ!」


 パリィン! 

 白い結界が砕けて、ユニコーンは隙を晒す。

「セリーナ!」

「分かっていますわ! ヴォルケーノ・ブレイズ!」


 流石セリーナ! 火魔法(大)の獄炎の炎の塊を撃つ。

『甘いのう。魔法の選択がなっておらぬ』


 何とユニコーンは腰まで浸かる水を操り、獄炎の炎の塊にぶつける。

 黒と青がせめぎ合い、青に飲み込まれてしまう。

 


 その水は勢いを増しながら、リク達に向かってくるが……。

 リクは金色のオーラを纏い、金色の衝撃波を放つ。


『ふむ。やはりリクは一味違うな。だがその娘を守りながらわらわの前に出れるか?』


 ユニコーンはセリーナに狙いを定めて、白い雷を落としまくる。

 危ない! 腰までつかる水に足を取られて、回避できていない!


 リクは間一髪で、飛翔(特大)を使い、素早くセリーナを抱き上げて回避する。

「リク様! 申し訳ありませんわ」

「大丈夫! でもどうしたものか」


 ユニコーンの結界はリクじゃないと壊せない。

 だが、その後の攻撃は防がれる。

 つまりセリーナの攻撃力が不足しているのだ。


「仕方ないですわ。私の固有スキルを使いますわ」

「え? どんなスキル?」

「スキル『共有』ですわ」


 共有? それはつまり、僕のスキルをセリーナが共有できるってこと?

 リクが考え込んでいると、セリーナは僕に抱き着き、口づけをする。


 すると、セリーナの黒髪が金髪に変わり、リクと同じオーラを放ち始める。

「一時的ですが、リク様の融合スキルを共有しましたわ!」

「本当に⁉ それなら……行ける!」


 リクとセリーナは抱き合ったまま、白いユニコーンに流星のように飛んでいく。

 セリーナはカリスマ(極)からの超人化(極)でレイピアをユニコーンの結界に突きさす!


「何だと⁉ 小娘一人でわらわの結界を突破するか!」

「ただの小娘と侮ってもらっては困りますわ!」


 再び、結界が割れて、ユニコーンは防御ができなくなる。


 リクはセリーナを下ろしながら、空中を跳びあがり、カリスマ(極)からの超人化(極)からの俊敏からの重撃と棒術を組み合わせる。


「これで、終わり、だよ!」

 ユニコーンも四メートルほどの角をぶつけてくる。


 だが漆黒のハルバードに当たると少しの間、ぶつかり合ったが、折れてしまう。

 返す刀でリクはユニコーンの頭部に全力の一撃を加える。


『見、見事』


 ——金色の閃撃。


 リクはユニコーンを一撃で倒す。

 ユニコーンはその体を横たえる。


「やりましたわ!」

 セリーナがリクに抱き着いて頬ずりしてくる。

 リクは抱き留めながら、ユニコーンに近づく。


「天使の回復魔法(極)と聖光魔法(極)」


 瀕死だったユニコーンはリクの回復魔法によって立ち上がる。


『礼を言うぞ。わらわはダンジョンの魔物だから、またいずれ蘇るが、肝心の話ができないところだった』


 全長十メートルのユニコーンは一メートルくらいにサイズを縮める。

 次回、ユニコーンの報酬!





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