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第四話 オークの素材のスキルとカミスの街への帰還。

「さあ、リク。「ゴミ拾い」でオークの肉と棍棒を回収して」

「うん。でもアナリスはいいの?」

「何言ってるの。ほとんどリクが倒したようなものじゃない」

「そうか。でもオークの肉は一緒に食べよう」

「……ありがと」


 アナリスは嬉しそうだ。

 リクは「ゴミ拾い」を発動する。


『「ゴミ拾い」で倒したオークの素材と拾った素材を回収しました。怪力(小)と重撃(小)を付与します』


 怪力(小)と重撃(小)だ! 

 怪力(小)は筋力がアップする能力。どれくらいかは後で試してみよう。

 重撃(小)は棍棒や武器を振るう時に、衝撃が増える能力。


 どれも冒険者に欠かせない重要なスキルだ。

 

 湖の近くに岩があったのでそこに二人で移動する。

 光はアナリスが生活魔法のライトを使ってくれた。

 生活魔法とは、生活に必要な魔法を全て弱い威力だけど使えるスキルだ。


「リク、張り切りすぎて怪我しないようにね」

「うん。でも体に力がみなぎってる感じがするんだ」


 リクは、まず身長の三倍ほどはある岩を見上げて集中する。

 そしてそのまま――


「ハァッ!」

 岩を思いっきり殴る!

 岩にひびが入り、衝撃が岩を突き抜ける。


 少し地鳴りの音がするくらいだった。


 次は、重撃(小)を試す。次も岩のひび割れたところに棍棒を振りかぶり腰を入れたスイングをお見舞いする。


 ドォン‼

 ゴブリンの棍棒から振るわれる衝撃とは思えない重い音がした。

 岩はひびが入ったところから亀裂が広がり、砕けた。


「リク! すごいすごいすごいわ!」


 アナリスは興奮してリクに抱き着いてくる。

 女性の柔らかい体と森のいい匂いがふんわりと漂ってくる。


「わっ! アナリス、びっくりするじゃない!」

「別にいいでしょ、減るもんじゃないし」


 至近距離で見るアナリスの顔はとても整っていてお人形さんみたいだ。

 リクは思わず顔を逸らす。

 アナリスはリクに抱き着いたまま、胸に顔を押し付ける。


「うん。やっぱり、リクっていい匂いがするわ」


 うーん、特に香水はつけてないけどなあ。

 その後もアナリスはべたべたと引っ付いてくるので女性に慣れていないリクは困りつつも焚火の隣で寝ずの番をすることにした。


 アナリスには先に寝てもらうことにする。

 焚火に照らされたアナリスの顔はとても綺麗だった。

 リクは夜空を眺めながらアナリスと交代するまで、焚火に火をくべるのであった。


 翌日の空は快晴。

 アナリスの提案で、カミスの街に戻ることにした。

「うう、あの四人に会いたくないなあ」

「でも、すぐに街を出るって言ってたんでしょ? 大丈夫よ」


 実は勇者クリスのパーティーは抜けた人材探しにひとつ次の街に行っていた。

 二人はアークフォレストの森を抜け、カミスの街に帰還する。


 カミスの街はレンガ造りの家と商店が並ぶ人族が多い街だ。

 治安はあまり良くない。

 なので――。


「へっへっへ。”ゴミ”拾いのリクが可愛い女と一緒にいるじゃねえか」

「おいおい。また街に戻ってきたのかよ。その女置いてどっか行けよ」


 こういう輩もやってくる。はげたスキンヘッドに大きな体をした男とその取り巻き達。

 だが、二人は無視して冒険者ギルドに入ろうとする。


「無視すんなあ!」

 スキンヘッドの男がアナリスの体に手を掛ける。


 だがするっと躱して、リクの後ろにアナリスは隠れる。

「お前ら、アナリスに手を出すな」

「うるせえ。“ゴミ“拾いのリクはすっこんでろ!」


 スキンヘッドの男がリクに殴りかかる、が、リクには動きがスローに見えた。

 右ストレートを躱し、大男を軽く殴り飛ばす。

 

 その瞬間、スキンヘッドの男は後ろに吹き飛ばされる。

 リクの殴ったところは赤く腫れあがり、顔は膨らんでいた。


「ププ、頭にたんこぶができてるみたいだわ」


 周りで見ていた住人たちや冒険者たちもリクの拳の威力に驚いていた。

「おいおい、冒険者GランクのリクがDランクのガドルを一発で伸したぞ」

「あの小さな体から出る威力じゃないわ」


 リクはふと遠くから見守る女性パーティーの視線に気づく。

 あれは……Bランクパーティーの「蝶華優閃バタフライフラッシュ」だ。

 リクはそちらに目線を向けると驚いた顔や品定めする顔もある。


 アナリスはリクの視線で「蝶華優閃バタフライフラッシュ」に気づき、リクを引っ張ると冒険者ギルドに連れていく。


「ふむ。”ゴミ拾い“のリクか。評判とは違うようだな」

 こちらを鋭く見るリーダーのマキの呟き。

 リクは遠くからの声には気づかなかった。


 ギルドに入ると、先ほどの事が伝わっていたのか、冒険者ギルドは静まり返る。

 リクは一人の顔見知りの受付嬢に声をかける。


「やあ、マーシャ。素材の買取をお願いしたいんだけど」

「リク! 追放されたって聞いたけど、大丈夫なの⁉」

「うん。それとパーティ申請をお願いしたいんだ」

「それは大丈夫だけど……その人は?」


「マーシャ、初めまして。私はアナリス」


 その瞬間、二人の視線が鋭く火花を散らしたように見えた。

 あれ? なんか雰囲気怖くない?

 マーシャの顔はにっこりと笑っていたが目は笑っていなかった。


「あら、初めまして。リクと“友達”のマーシャです」

「よろしくね。私もリクとは“とっても”仲がいいの」


 ウフフ、ウフフ。何だかとても怖い雰囲気を感じたのでリクは割って入る。


「マーシャ、素材の買取をお願い」


 スライムの核×2、ホーンラビットの角×2、ゴブリンの棍棒×1。

 オークの肉は一キロくらいあったので切り分けて半分出した。

 オークの棍棒はリクには大きすぎるので買取に出すことにしていた。


「素材をこんなに⁉ オークも倒したの!」

「うん。アナリスと二人でね」

「何言ってるの。ほとんどリク一人で倒したでしょ?」


 マーシャは少し呆けていたが、興奮したように話し始める。

「すごい! これなら冒険者のランクをGからFにできるわ!」

「やった。それは嬉しい!」

「よかったね」


 リクは勇者パーティーに所属はしていたが戦闘をしていなかったので個人のランクはGのままだった。なので喜びは大きかった。


 ちなみにアナリスは冒険者としての活動はしていなかったため、Gランクのスタートとなったが、アークフォレストに出入りして、無事にいるという点を考慮されて、Fランクスタートとなった。


「買い取り額はこれくらいよ」


 スライムの核。一個10エネル

 ホーンラビットの角。100エネル

 ゴブリンの棍棒。200エネル。

 オークの肉。10000エネル。

 オークの棍棒。5000エネルだ。


 オークの素材は現在高めに設定されていてこの値段になった。

 締めて15620エネルだ。

 これでリクの残金は15970エネルとなった。


 リクは初めて自分の力で倒した素材のお金を受け取って嬉しくなる。

 それを見ていたアナリスも嬉しそうだ。

 マーシャも嬉しそうな顔をしながらも、アナリスの様子を見て複雑そうだ。


「さあ、街に宿を取りに行きましょ」

「うん。それなら良いところがあるんだ」

「あっ、私と後で一緒にご飯、たべ……」


 マーシャはリクに声を掛けようとするが、後ろからギルド職員に肩を掴まれる。

「マーシャ君? これから忙しくなるのに、行けるわけないよね?」

「……はい」


 マーシャの悲しそうな顔に見送られて、リクとアナリスはギルドを後にした。

 次話、新しい装備と依頼受注。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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