第三十七話 マキの左腕と白い大蛇の魔物
「みんな、本当にありがとう。僕達の勝利だよ!」
リクの一言でスクラップスターと蝶華優閃の面々が喜び沸き立つ。
「リクが戻ってきて本当に良かったわ!」
「優しいご主人様になってくれて嬉しいんだぜ」
「全く。リクは心配させるんだから」
アナリスとリリ、サラが胸をなでおろす。
「リクが操られてしまった時はどうなるかと思ったぞ」
「主と本気でやり合ったのは初めてだが……本当に強かった」
「もう我はリクと戦いたくないのじゃ。肝が冷えたのじゃ」
リリーナは本気で心配し、ギンとハクは疲れたのか、地面に座り込む。
「リクがあんなに強くなってるなんて知らなかった~」
「俺っちより余裕で強いな」
「もう動けませんわ~」
「ん。もう魔力ない」
マキはまだ僕の胸に抱き着いている。
マキの左腕は止血はされているものの、千切れている。
「マキさん、左腕が……」
「良いんだ、リク。私はもう冒険者を続けることができないだろう」
そんなこと言わないで!
まだまだマキには頑張ってほしいんだ。
リクは何か名案が浮かばないかと考えている。
すると白い大蛇の魔物が自分のもう一つの肉体を示して何かを伝えようとしている。
そうだ。確か白い大蛇の魔物は再生能力が強いんだったね。
これを「ゴミ拾い」で回収すると何かスキルを得られるかもしれない。
「マキさんの左腕をどうにかできるかもしれない」
「リク? そうか「ゴミ拾い」ね!」
蝶華優閃のメンバーたちは首を傾げているが、アナリス達とマキは気づいたようだ。
リクは「ゴミ拾い」で白い大蛇の魔物を回収する。
『スキル「ゴミ拾い」で白い大蛇の魔物の倒した素材と拾った素材を回収しました。スキル回復魔法(大)と再生(大)を取得します』
おお! 白い大蛇の魔物が使っていた白い光は回復魔法だったんだ。
リクはステータスを確認して、詳しく詳細を見る。
・回復魔法(大):体の外傷や内臓の損傷を回復する。欠損部分は回復できない。
・再生(大):体の怪我や欠損部分を回復する。自分以外には効果なし。
だ、ダメだ。これでは僕しか使えない。
落胆するリクにアナリスが話しかける。
「リク! このスキルを融合すればいいのよ」
それだ! この二つを融合すると……?
「回復魔法(大)と再生(大)を融合!」
リクの周りに白い光が舞い降りて、天使の羽の様な幻影が見える。
『天使の回復魔法(極)を取得しました』
やった! この魔法なら!
リクはマキに天使の回復魔法(極)を掛ける。
するとマキの左腕が白い光を放ち、元通りの体になる。
「リク! 貴方はすごすぎる!」
マキは感極まって、リクに抱き着く。
何故かマキさんに抱き着かれると心がすごくときめくんだ。
後ろからスクラップスターのパーティーメンバーのジト目が降り注ぐ、マキはそれにも気づかず嬉しそうにしていた。
「蝶華優閃のメンバーには黙ってたけど、僕の固有スキル「ゴミ拾い」は魔物の素材を拾うとスキルが得られるんだ。それを「融合」させて、天使の回復魔法(極)って魔法ができたよ!」
「そんな魔法聞いたことありませんわ!」
「私にもかけて~」
「ん。マキが惚れる理由がわかる」
「俺っちにもかけてほしいぜ」
蝶華優閃のメンバーやハクやギンにもかけてあげる。
そして、横たわったグリフォンをどうするか決めることになった。
「このグリフォンも操られていたんだよね?」
「そうじゃの。こ奴もラプラスとやらの被害者だ」
リクとハクが話していると白い大蛇の魔物がグリフォンにすり寄って、リクを見る。
「あーもう、わかったよ。ただ今度向かってきたら次は潰すからね」
「……クウ」
グリフォンとついでに白い大蛇の魔物にも天使の回復魔法(極)を掛けてあげる。
白い大蛇の魔物はハク曰く、この近辺の守り神的な魔物でカッキーを害鳥から守っていたらしい。
グリフォンもどこかの守り神で連れてこられた可能性が高いそうだ。
外傷が直った二体はリクにすり寄ってくる。
リクが撫でてやると、嬉しそうにしていた。
「この二匹は契約しないの?」
アナリスが聞いてくる。
「ハクがいるからいいよ。この二体には守るべきところがあるだろうし」
「うう、そういう所がリクの良いところじゃ!」
リクの言葉にハクが嬉しそうに抱き着いてくる。
次はマキのジト目が突き刺さる。
リクは気づかないふりをして、ハクの頭を撫でていた。
「クウ!」
グリフォンが地面に落ちていた、自分の牙を咥えてリクに持ってくる。
「ありがとう。もらってもいいの?」
「クウ!」
リクはグリフォンを撫でてやってから、「ゴミ拾い」で回収する。
グリフォンからはブレス(大)と飛翔(大)をもらった!
リクのステータス
◇リク
◇性別 男
◇種族 人間
◇年齢 22
◇職業 冒険者
◇レベル60
◇体力 S(A→S)
◇魔力A+(A→A+)
◇固有スキル 《ゴミ拾い》《リサイクル》《融合》
◇一般スキル
◇HP回復(中)
◇俊敏(小)
◇身体強化(中)
◇重撃(大)
◇突進(大)
◇鎧術(極大)
◇棒術(極大)+棒術(小)×2
◇槍術(極大)+槍術(小)×2
◇気配察知(中)+(小)×1
◇隠密(大)「隠密(中)×2」
◇氷魔法(小)
◇剣術(特大)+(小)×2
◇弓術(大)+(小)×7
◇雷魔法(小)×2
◇ブレス(大)new!
◇飛翔(大)new!
◇融合スキル
◇カリスマ(極)
◇超人化(極)new!
◇天使の回復魔法(極)new!
◇二つ名
◇ゴミ拾いのリク。
◇エルフの友(???の友)
◇女誑かし
◇オークキラー
◇ゴブリンキラ―
◇オーガを従える者
◇真の勇者
◇棒と槍を極めし者
◇王の器 new!
◇譲渡スキル
◇弓術(小)×2→アナリス
◇統率(小)→マキ 現在統率(中)
◇弓術(中)+(小)×4→アナリス 現在弓術(大)
◇剣術(大) 「剣術(小)+剣術(小)×4+剣術(中)」→リリ 現在剣術(大)
◇怪力(小)→リリ 現在怪力(中)
◇俊敏(小)→リリ 現在俊敏(中)
◇飛翔(小)→アナリス 現在飛翔(小)
◇水魔法(小)→サラ 現在水魔法(大)
◇火魔法(中)→サラ 現在火魔法(大)
◇土魔法(小)→サラ 現在土魔法(大)
「リク、聞いてくれ。私は騎士を目指していたが、その力が当時はなく夢半ばで終わった」
「マキさん」
「マキ……」
リクと姉であるリリーナが押し黙る。
「私は騎士ではない。だが姉のように使えるべき主君を見つけた。それがリクだ」
「……はい」
マキは折れた片手剣をリクに渡し、前で膝をつく。
「英雄リクを主君とし、マキ・オルエンターナは生涯の忠誠を誓う。リク、受けてくれるか?」
「はい。マキさん、いやマキ・オルエンターナの忠誠を受け取る」
リクはマキの肩に折れた片手剣を触るように当てる。
リクとマキの手の甲に龍と猪の紋様が刻まれた。
「マキはリクの騎士となったか」
リリーナが寂しそうに話す。
蝶華優閃のメンバー達も嬉しそうにだが、厳かな雰囲気となっていた。
「これで蝶華優閃は解散かもしれないわね」
「ん。マキの幸せが大事」
「俺っちが次のリーダーになるぜ」
「じゃあ私がリーダーする~」
他のメンバーたちはあえて明るく振舞う。
だがその目には涙が溜まっていた。
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