第三十五話 グリフォンと白い大蛇との戦い
「ストームトルネード!」
「アクアスプラッシュ!」
アナリスの風魔法(中)とサラの水魔法(大)が片方の白い大蛇の魔物に命中する。
片方の白い大蛇は空中に打ち上げられる。
「妹たちを叩きのめした罪を償ってもらおう!」
「俺もやるぜ!」
リリーナとリリが空中に上がった白い大蛇を切り刻む。
キシャアアアア!
白い大蛇が苦悶の声をあげる。
もう一匹の白い大蛇が仲間を救おうとリリとリリーナに攻撃をしようとする。
「ほれ、我の相手もするのじゃ」
ハクが透明な壁を貼って、もう一匹の白い大蛇を分断する。
ナイス、ハク!
僕は抱き着いているマキさんの肩をポンポン叩く。
「マキさん、よく頑張ったね」
「そ、その、貴方は誰なんだ?」
あ、僕は超人化(極)してるから、マキさんは誰かわかんないんだ。
「僕ですよ。「ゴミ拾い」のリクです」
「え? リ、リク? でも身長が私より高くなってるし」
「これはスキルでそうなったんですよ」
マキさんは豆鉄砲を食らった顔をしている。
だが目元には涙がにじんでいた。
「マキさん。辛かったね。今度は僕が助けるよ」
「……リク」
マキさんは左腕が千切れていて、鎧がひしゃげている。
僕が少し怒気をにじませているとマキさんは少し怯えた顔をする。
マキさんの左腕もどうにかできたらいいんだけど。
でも……まずはあのグリフォンとその上に乗ってる魔族だね。
「マキさん、少し離れてて」
「……う、うん」
なんか今日のマキさんは乙女っぽくて可憐だ。
もじもじしているマキさんの前に立って、遠くにいったグリフォンを見る。
「何だい! 急に襲ってきて、人の獲物を殺すのを邪魔するなんていい趣味してるじゃない」
「黙れ。名前を名乗れ」
僕は強烈な怒気をにじませる。超人化(極)とカリスマ(極)を同時に発動させると蝶華優閃のパーティーメンバーは息を呑む。
「あれは本当にリクなのですか?」
「ん。魔力の質は同じ。でもちょっと惚れそう」
「主よ。俺も手伝おう」
「ギン、頼むよ」
「私の名前はラプラスだよ!」
「お前には大層な名前だね」
ギンは白銀猪の体となり、リクはその背中に乗る。
蝶華優閃は驚いていたが、今はそれには構っていられない。
グリフォンが顔の牙を片方折った状態で翼をはためかせながら戻ってくる。
「ギン、やるよ」
「主、了解だ」
「貴方たちは全員お人形にしてあげるわ!」
グリフォンが炎のブレスを溜めて吐こうとする。
「ギン、突進からの跳躍!」
白銀猪のギンは俊敏(大)を活かして、突進しながら跳躍をする。
八メートルの巨体が宙を舞う。
リクはブラックメタルのハルバードをブンブンと振り回しながら衝撃波をいくつも生み出す。
ハアッ!
衝撃波はグリフォンの炎のブレスを散らして、グリフォンに迫る。
透明な壁がグリフォンに貼られる。
「それは最近も見たんだよね!」
ハクとの戦闘経験が活きるね!
リクは咆哮しながら、超人化(極)とカリスマ(極)で障壁にハルバードを力の限り攻撃する。
黒いハルバードは火花のようなものを散らして、障壁とぶつかり、一瞬抵抗する。
「うおおおおおおお!」
「くそがあああああ!」
二人の気合の声が響く中、金色の光が迸り、砕けたのは……透明な障壁。
グリフォンは頭部を破壊されて、乗っていたラプラスごと叩き落とされる。
「すごい……一撃で私たちが突破できなかった障壁を砕くなんて」
「ん。あの金色のオーラがかっこいい」
「圧倒的ですわ」
もはやリクの攻撃力だけで言えばAランクの冒険者も超えるだろう。
圧倒的な破壊力。
ギンに乗ったリクは息絶え絶えのグリフォンに近寄る。
グリフォンは怯えた目をしていた。それもそうだろう。
だが、怒りに燃えたリクはグリフォンにはあえて手を出さずに褐色の魔族ラプラスの所に向かう。
「まだこちらの手札は残っているよ! 来い、白い大蛇!」
リリとリリーナと戦っていた白い大蛇がこちらに突進してくる。
リクはとんでもない威力の衝撃波の連撃を白い大蛇に放ち、突進を弱める。
「リク! こ奴は再生力が強いのじゃ! 死んでも構わないくらいの威力を出せ!」
遠くでハクがリクに叫ぶ。
ハルバードを上段に構えて、体の力を余すことなく、大蛇に叩きつける。
超人化(極)からのカリスマ(極)からの棒術(極大)!
——その一閃は世界を潰す。
口を開けて、襲い来る白い大蛇は気づく。
こいつは敵にしてはいけない相手だと。
だが勢いはもう止められないし、傀儡術が解けない。
「悪いけど、潰すよ」
ズドォン!
リクの一振りで空気が震えて、山の斜面にクレーターができる。
土埃が舞い、晴れた頃、斜面には頭をミンチにされた白い大蛇の姿があった。
ハクと戦っていたもう一匹の白い大蛇は白い目に戻っていて、怯えるように体を縮こませていた。
「後はお前だけだよ。ラプラス!」
「クソがあああ! 何て言うと思いましたか? 傀儡術!」
リクの頭の後ろに透明な糸が接続される。
「フハハハハ! 一番強いお前を先に人形にしてしまえば、こちらのものですわ!」。
リクの意識が暗転し、世界が暗闇に飲まれる。
「リクうううううう!」
アナリスの叫び声が響き、リクの目が黒く濁ってゆく。
クソ! ここで操られたらみんなを殺してしまう。
しっかりしろ! 僕は真の勇者なんだ!
次話、褐色の魔族、ラプラスとの決着。
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