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第三十一話 カミスの街からの出立

 リクが添い寝で疲れ切った翌日、カミスの街全体で宴が開かれた。

 白銀猪の肉が街中に配られ、街の人々は大喜び。


 リク様、ありがとうございます! 

 英雄万歳!


「町のみんなが喜んでくれると嬉しいね」

「これもリクのお陰よ」

「ご主人様の力が証明されているんだぜ」

「リクに負けられないわ!」

 リクとアナリスとリリとサラは嬉しそうに話す。

 ハクとギンは街の人の反応に驚いていた。


 ゴルドやエルザとも別れを惜しんだ。

「また来いよ、リク」

「王都でも頑張りなさい」


 去り際にリクに新しいハルバードが渡される。

 黒光りするブラックメタルが全身に使われている。

 漆黒のハルバードだ。


「これが特注のハルバードだ。まあリクのために前から準備してたんだがな!」

「ゴルドさん、ありがとう! お代は幾らくらい?」

「ああ? カミスの街の英雄に贈る武器だからそんなもんは要らねえ」

「いや、この出来のハルバードを無料はまずいよ」


 リクは渋るゴルドを説得し、百万エネルを渡した。

 これで残金は五千八百万エネルだ。

 ついでに使い古されて処分するだけの剣や槍、棍棒、弓、鎧をもらった。


「そんなもの何に使うのじゃ?」

「主は不思議なことをするな」

 あ、そっか。ハクとギンはまだ「ゴミ拾い」のスキル内容を知らないんだ。

 後で教えようとリクは決意する。


 ガロウはオーガの里に戻ると言った。

「王よ、またカミスに来たら呼んでくれ」

「うん、絶対だよ」


 ガロウはオーガ達を連れて、カミスの街から去って行った。

 宴の後、リクは王都への準備を始める。


 パーティーメンバー:


・アナリス

・リリ

・サラ

・ハク

・ギン


 シェンナ様は一緒に来ると言っていた。

 リリーナは騎士団長としてその護衛でついてくるらしい。

 マーシャは専属ギルド職員としてリクのパーティーに同行する。


 レオナルドとイザベラからは、王都で会いましょうと言われて別れた。

 ヴィクトール伯爵はカミスの街をすでに出ているようだ。


 リク達は食料を買いそろえていくが、野菜売りや肉屋のおばちゃんたちに有り余る量の食料を渡される。


「英雄リクのお陰でこの街が助かったんだからこれくらい受け取って!」

「そうだよ。あんたは雑用係から頑張ってたっていうじゃない? これくらいはさせてくれ」

「いやいや、こんな量は受け取れないよ!」


 おばちゃんの決意は固く、せめて白銀猪の肉を分けてあげようという事で物々交換のような形になった。


 リク達はスクラップスターがカミスの街でとても愛されていることを知って嬉しくなる。


 そして出立の日となる。リクとアナリスはシェンナ様の馬車の中に誘われて一緒に旅をすることになった。


 雇われた冒険者は他にもいるが、リク達は護衛依頼の実績を得るために馬車で休憩する以外は交代で護衛をすることになった。


 マーシャは別の馬車でハンカチを噛んで悔しがっていたという。

 リリーナは馬車の護衛だ。


 リクとアナリスはシェンナ様の馬車の中で緊張していたのだが……。

「リク達はどんな添、い、寝をしているんだ?」

「そ、それは……」

「言えませんわ!」


 意外にもシェンナ様は恋バナが好きなようで、アナリスとの出会いや他のパーティーメンバーとの話で盛り上がる。


 リクは途中からシェンナ様の膝の上で大事なところをさわさわされていた。

 なんで、こうなるの⁉


 リクは離れようとするが後ろから抱きしめられては離れられない。

 最後は諦めていた。


 やっと交代の時間になったので周囲を警戒しながらリク達は護衛の時間に入る。

「なんか、前方の林の中から気配がするよ」

「そうね。怪しいわ」

「盗賊みたいな匂いがするんだぜ」

「林ごと燃やしちゃう?」


 いや、それは危ないよ!

 リクはシェンナ様にそれを伝えて、林の近くであえて休憩することに決めた。


 むむ。やっぱり気配察知(中)に反応があるよ。

 数は……十五人くらいだね。


 だが襲ってくる気配がない。

 それもそのはず、騎士団が三十人、リク達を含めて冒険者が十人いるのだ。


「シェンナ様、どうします?」

「そうだな、斥候を放とう。リリ行けるか?」

「お任せだぜ!」


 リリは俊敏(中)を使って、素早く移動し、林の中に潜む盗賊たちのアジトを見つける。


「見つけたぜ!」

「ぎゃあ、何だ犬っころ!」


 双剣を使い、剣術(大)で盗賊たちを掃討していく。

 たまらず、林から出てくるところをサラが土魔法(大)で地面を固めて拘束していく。

 だが一人、盗賊たちの親分が拘束をハンマーでたたき壊し逃げようとする。


「ふむ。これは私が行こうか」

 なんとシェンナ様がサーベルを抜いて、盗賊たちの親分に向かって走っていく。

「クソ! こうなったらやるしかねえ」


 盗賊たちの親分は身体強化と闘気を纏い、シェンナ様にハンマーを振りかぶる。


「遅い」


 ——一筋の風が吹き抜けた。

 シェンナ様の姿が見えなくなるくらい加速し、盗賊たちの親分の首が飛ぶ。

 

 速い、速すぎる。あれは俊敏(大)よりも速いし、身体強化(大)よりも力が強い。

 元Aランクの冒険者の腕は伊達ではない。


 リクは世界には自分より強いものがいると改めて実感した。

「シェンナ様、すごいです!」

「シェンナ様、私に任せればいいものを、なぜ貴族になってもそういう行動がやめられないのです!」


 リクとリリーナは逆のことを言う。


「フフフ、馬車の旅だけでは息が詰まる。たまには動きたいのだ」

「シェンナ様が強いのはわかりますが、困ります!」


 リリーナはぷんすか怒っている。

 その後生きている盗賊たちを捕らえ、アジトで金や品物を手に入れる。

 盗賊を尋問すると最近、自分たち以外にも大きな盗賊団ができたという情報が得られた。


「その盗賊団の頭領はどんな人物だ?」

「元聖騎士のオルキッドってやつでさあ」


 リク達はすぐに気づく。

「元勇者パーティーの聖騎士オルキッド?」

「オルキッド……指名手配されて、逃げたのは見たけど、盗賊にまで堕ちるなんて……」

 リクとサラは複雑な顔をする。


「ふむ、その盗賊団はどこで活動しているのだ?」

「この先のババロの街の前の森にいるみたいでさあ」


 リクは決意した。

 元聖騎士オルキッドを討伐することを。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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