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第三十話 貴族たちの宴 後編

「ぐぬぬ! こんな平民の冒険者如きにおびえる私ではない!」

 あ、ヴィクトール伯爵が回復したようで、何か言っている。


「ふむ。ヴィクトール伯爵はカミスの街の英雄リクにケチをつけるという事だな?」

「そうだ! 平民(ごと)きがこの場にいることすらおかしい! それにシェンナ伯爵の婿むこになるなど認められん!」

「なるほど……ではランドルフ王国の国王陛下の判断にケチをつけるということで良いかな?」

「は?」


 先程まで無表情で受け答えをしていたシェンナ伯爵がニヤリと笑みを浮かべる。

「言っていなかったが、カミスの街の英雄リクは、オーガの大軍を退けたことで騎士爵の受賞が決まっている」

「何だって⁉」

「それだけではないわ」


 途中からイザベラ侯爵令嬢が喋りだす。

 リクの腕にイザベラ侯爵令嬢の腕が組まれてるのは何でだろう?

 リクの方をちらっと見て、フッと笑った後、こう続ける。


「リクは魔物化して暴走した元勇者を討伐し、その原因となった魔王軍幹部の討伐もしているのよ? これを受けて陛下の評価は高まったというのに、貴方は陛下の評価は正しくないとおっしゃるのね? あら、これは陛下にお伝えしなければいけないわ」


 僕の周りにいた貴族の令嬢たちも察したように笑みを浮かべる。

 

 幸い、証人は私たちがいますから安心してくださいな。

 あー、貴族仲間にも陛下の判断にケチをつけている伯爵がいるとお伝えしなくては!

 フフフ、当然陛下の奥方様にもお伝えしますわ。


「あらあら、こんな情報も知らなかったどこかの伯爵様は本当に貴族なのかしら?」

 

 すごい。シェンナ伯爵とイザベラ侯爵令嬢の一言で会場の空気は一変してしまった。


「そんな、冒険者ごときが貴族になる……だと」

「フフフ、いつも平民を見下しているからこうなるのです」


 その後、ヴィクトール伯爵は何も言えずに、こちらをにらみながら退場してしまった。


「この事は陛下の耳にもお伝えする。リク君よく耐えたね」

「カリスマ(極)を発動する伝説級の冒険者に口答えするなど貴族のすることではありませんわ。さあ、リク様、お食事を一緒にしましょう」

「イザベラ侯爵令嬢、リク君と食事を一緒にするのはわ、た、しだよ?」

「あらあら、私のリク様と食事をするなんてとんでもありませんわ」


 シェンナ伯爵とイザベラ侯爵令嬢の目線がぶつかりあう。

 そして何故かリクの方に視線が向かう。


「リク君は私との食事を楽しみたいよな?」

「あら。リク様は私と食事をしたいでしょう?」


 え? これはどうしたらいいんだ!

 二人のちょっと腹黒いオーラと目線が怖いよ!

 いや、昔村に来たおじさんが言っていた。女性は平等に扱うべきだって。


「シェンナ様、イザベラ様、喧嘩けんかはダメですよ。メッ!」

 リクのちょっとあざとい一言にシェンナ伯爵とイザベラ侯爵令嬢と周りの令嬢たちの心がうち抜かれる。


「くっ。あざといのに、似合っている」

「リク様は恐ろしいお方ですわ……」


 可愛いのにカッコいい。もう食事の代わりに私がリク様を頂いてもいいかしら。

 だ、ダメよ。ショタコンじゃないのに、ショタコンにされてしまうわ……。

 

 リクの周りの女性陣は胸を押さえて苦しそうにしている。

 近くの男性陣は嫉妬を通り越して感動すらしていた。


「ったく。リクはとんでもない男だな」

「ああ、主は女性を落とす魔性の感性を持っているらしい」


 何故か、レオナルド子爵とギンが半ば呆れた顔でリクを見ている。

 一方、リクは少しおろおろしてシェンナ伯爵とイザベラ侯爵令嬢の背中をさすっていた。


 リクのパーティーメンバーはカリスマ(極)の姿からのあざとい言葉のリクに戦慄していた。


「一体、どれだけ女性をとりこにするつもりかしら」

「ご主人様は女になっても国を揺るがす女になりそうだぜ」

「ううう、添い寝したい……」

「リクの周りにいると飽きんのう!」


 アナリスとリリとサラとハクは好き勝手言っている。

 その後、貴族たちの宴は邪魔ものもいなくなり、リクの冒険談や元勇者パーティーの雑用係の話で盛り上がる。


「こんなに強いのに、雑用係をしていたとは信じられんな」

「リク様は凄まじい魔力を感じますわ。それなのに魔法を一つも覚えていないなんて。何かありますわね」


 リクが狩ってきた白銀猪の肉をローストポークにしたものや切り分けた肉を丸焼きにしたものが運ばれてくるとさらに盛り上がる。


 とても美味しいですわ!

 この巨体を狩ってきたカミスの街の英雄リクの力がすごいな。

 

 ハクやギンが白銀龍と白銀猪だという事にも驚かれる。

「ロイヤルオーガキングも従えているのだろう? リクはテイムの能力もあるんだな」

「ギン様もカッコいいですわね」

「主以上に魅力的な男はいないだろう。現に俺も主のカリスマに惹かれて仲間になったんだ」


 レオナルド子爵とイザベラ侯爵令嬢とギンが話し込んでいた。

 むむ。僕の話だけだとむずかゆいな。


「アナリスやリリ、サラも強いんだよ! アナリスは僕の潜在能力を見つけてくれたし、リリは双剣使いでとっても強いし、サラは魔法をいっぱい使えるからね」


 具体的なスキルに関しては言わないが、パーティーメンバーの凄さをアピールする。

「もう、リクったら!」

「ご主人様のお陰で今があるんだぜ」

「私もリクのお陰で勇者パーティーから抜けられたし、とっても感謝してるわ」


 アナリスやリリ、サラにも注目が集まる。

 

 こんなにも可憐な美少女たちが強いとは!

 アナリスはエルフなのよね? エルフが街にいるのは珍しいわ。

 リリ嬢もサラ嬢もとてもドレスが似合っているな。


 リクはヴィクトール伯爵以外はみんないい人たちだな、とふと思った。

「フフフ、リク君は不思議そうな顔をしているが、皆リク君のカリスマ(極)に感動しているから味方になっているのだ」

「そうですわよ。私もあれを見て感銘かんめいを受けましたの!」


 そっか、ハクと戦って神様に認められたおかげで今があるんだな。

 神様、本当にありがとう。「ゴミ拾い」のスキルがここまですごくなるとは思わなかったよ。


 リクは神様に感謝しながら、貴族たちの宴を楽しむのであった。

 尚、宴が終わった後、パーティーメンバーに固められて部屋に連れ込まれ、隠していたオーガの精力剤を渡されるリク。


「それ飲まなくてもいいけど……リクは耐えられるのかな~」

「一気、一気だぜ!」

「リクったらモテモテでジェラシーを感じちゃったわ。今夜は寝かさないわよ?」

「リク~? 勿論我も、添、い、寝しちゃうのじゃ~」


 リクは半ば脅されて精力剤を一気飲み。その後の事は覚えていない。


「主はこれからどれだけの女性を虜にするんだろうな」

 これは外で門番をしていたギンの一言である。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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