第二十六話 真の勇者の効果とスキル「融合」
「リク? どういう事かしら?」
ええええ! アナリスの顔が般若に見えるよ。
他の女性陣もめちゃくちゃ真顔で僕の事を見てる。
「ぼ、僕もどういうことかわかっていないんだよ。ハク、もう少し詳しい説明を頼むよ」
「我とリクは使い魔の契約を結んだのじゃ。勿論リクが主じゃ」
「抜け駆けは許さないんだぜ?」
「なんか魔法の試し打ちがしたくなってきたな~。リク、的になってくれる?」
「むう、リクは女に節操がないんだな。私も何かを徹底的に斬りたくなってきた」
「王よ……女が本当に好きなんだな」
リリとサラとリリーナの目が怖いよ!
ガロウに助けを求める目を向けると目線を逸らされた。
「い、いや、僕はハクにそういう事をするつもりはないから! 皆にもしないけど」
「え?」
「添い寝はするんだぜ?」
「もちろんするよね?」
「私も添い寝フレンドにしてほしい!」
添い寝フレンドって何だよ……。
リクは女性陣をなだめすかして、「真の勇者」という二つ名を得たことを教える。
どうやら、全ステータス+20%の上昇と経験値が30%上がるみたいだよ。
「真の勇者は、魔王軍に立ち向かう選ばれた勇者に与えられる称号だわ!」
アナリスも教えてくれる。
「だがそれだけではない。真の勇者を得たものは異性にめちゃくちゃモテる」
リリーナの余計な補足のせいで空気が冷たくなる。
「ご主人様はまだ女を増やす気なんだぜ」
「リクはみんなのものだけど、変な人には渡さないわ」
リリとサラが小声でぶつぶつ話しているのが怖い。ていうか普通に聞こえてるし。
「それだけじゃないんだ。スキル「融合」も手に入れたんだ」
アナリスが鑑定で「融合」の詳細を見てくれる。
「これはすごいわ! 各種スキルを融合させて新しいスキルを得ることができるみたい」
リクも調べてみたところ、(大)スキルしか融合ができないけど、その分強力なスキルを得ることができるようだ。
リクのステータス
◇リク
◇性別 男
◇種族 人間
◇年齢 22
◇職業 冒険者
◇レベル50
◇体力 A+(B+→A)
◇魔力A(B→A)
◇固有スキル 《ゴミ拾い》《リサイクル》
◇一般スキル
◇HP回復(中)
◇俊敏(小)
◇身体強化(大)+身体強化(中)
◇重撃(大)
◇闘気(大)
◇突進(大)
◇統率(大)
◇威圧(大)
◇鎧術(大)
◇棒術(大)+棒術(小)×2 「棒術(小)×2+棒術(中)×2」
◇槍術(大)+槍術(小)×2 「槍術(中)+槍術(中)+槍術(小)×2」
◇気配察知(中)
◇隠密(中)
◇氷魔法(小) new!
◇二つ名
◇ゴミ拾いのリク。
◇エルフの友(???の友)
◇女誑かし new!
◇オークキラー
◇ゴブリンキラ―
◇オーガを従える者
◇真の勇者 new!
◇譲渡スキル
◇弓術(小)×2→アナリス
◇統率(小)→マキ 現在統率(中)
◇弓術(中)+(小)×4→アナリス 現在弓術(大)
◇剣術(大) 「剣術(小)+剣術(小)×4+剣術(中)」→リリ 現在剣術(大)
◇怪力(小)→リリ 現在怪力(中)
◇俊敏(小)→リリ 現在俊敏(中)
◇飛翔(小)→アナリス 現在飛翔(小)
◇水魔法(小)→サラ 現在水魔法(大)
◇火魔法(中)→サラ 現在火魔法(大)
◇土魔法(小)→サラ 現在土魔法(大)
「(大)スキルでしか融合できないみたいだね。棒術(大)と槍術(大)でも融合しようかな?」
「リクよ。我も知識しかないが、剣術(大)と棒術(大)と槍術(大)を合わせると武神術(極)になるのじゃ」
「火魔法(大)と水魔法(大)も融合できるのかな?」
リクの言葉に反応したハクとサラ。スキル「融合」を試してほしいと言われたので、リクは統率(大)と威圧(大)を融合してみる。
融合の瞬間、リクはまばゆい光に包まれる。
「すごい! どんなスキルになるのかしら」
『スキル「融合」で統率(大)と威圧(大)からカリスマ(極)を付与します』
リクの小さい体からとても魅力的でそれでいて男らしいオーラが立ち上る。
「リクよ! とても神々しいオーラを感じるぞ!」
「王がさらなる力に目覚めたか!」
ハクとガロウは神に拝むような姿勢を取り始める。
リリーナはあまりのリクのカッコよさにシェンナ様と同じくらいの忠誠を感じた。
「ああ、シェンナ様以上にカリスマを感じる者が現れるとは……」
このカリスマ(極)というスキルは相手への威圧と親密を自由に操作できるというチート能力だった。
魔物が来てもヘイトが取り放題だし、リクに親密の情を向ける者にとっては王と変わらないくらいの忠誠心を持つことになる。
「リク、白銀猪が来たわ!」
まだ銀の森に居るので、白銀猪がこちらに来たのだが、何か様子が違う。
リクの前でしゃがみ込み、まるで服従しているかのように、リクに鼻を向けてフガフガ言っている。
「リクよ、どうやらこの森の主である我を倒したことと同族と戦い、勝ったことから恭順を求めに来たようだぞ」
体長八メートルほどの白銀猪の長と言ってもいい姿の白銀猪が165センチのリクに忠誠を誓う姿はとても異常なことだった。
「え? どうすればいいの?」
「我にしたように、魔力をこやつに渡してやればいい」
「うん」
リクが白銀猪の長に魔力を与えると白銀猪の長は銀色の光を放ち、人型の姿になる。
銀髪の二メートルはありそうな筋骨隆々のイケメンになったよ!
ただ全身裸なのはやめてほしいな!
「主よ。俺はお前に服従する。俺に名を与えてくれ」
「うん。僕はリクだよ。君の名前はギンにするね」
「かしこまった」
ギンの姿はまたまばゆい光に包まれて、白いシャツとズボンをはいたイケメン姿になった。
「リク、すごすぎるわ。魔物のテイムしてるじゃない」
アナリスはリクに抱き着かんばかりに興奮していた。
他の女性陣はギンの存在感に圧倒されていた。
「姫たちよ。主に服従するギンだ。よろしく頼む」
「え? 姫って俺たちの事なんだぜ?」
「リクほどではないが、キュンと来た」
「ふむ、中々強そうだ」
「己はロイヤルオーガキングのガロウだ。よろしく頼む」
「我は白銀龍のハクじゃ。良しなにのう」
銀のイケメン言葉に動揺するリリ、キュンとしているサラ。
リリーナは騎士団長としての顔になってる。
ガロウとハクは挨拶していたよ。
正直、ギンが男で良かったと思った。
これ以上女性が増えたら身が持たないよ……。
それにしてもテイマーの才能はないはずなのに、なんでこんなに魔物が寄ってくるんだろう。
リクは首を傾げていた。
「リク、そのカリスマのオーラは隠しておいた方がいいわ」
「え? なんで?」
「魅力的過ぎて男の人にもモテるけどいいの?」
そ、それはヤバイ。僕はノーマルだからね。
カリスマ(極)はスイッチのオンとオフができるみたいだから今はオフにしておいた。
ハクとギンは魔物の姿に戻れるというので、ハクの白銀龍の背中に乗って街に戻ることになったよ。
ハクは十メートルの体長が長い龍の様な姿だ。
空を飛んでいるけど、風や空気の冷たさを感じない。
結界を貼ってくれているらしい。
白銀龍の背中に乗って、カミスの街のちょっと前で降りようと思ったんだけど。
「あ、これ騒ぎになってるね」
「それはそうでしょ。龍が街に近づいてきているのよ?」
「私が門番に説明しよう」
カミスの街の城壁からは弓やバリスタを構えている者もいる。
だがハクが人の姿に戻り、リリーナが門番に説明すると、事なきを得る。
おいおい。龍が飛んできたと思ったらまたリクが連れてきたのかよ!
なんだかリクがさらにかっこよく見えるわ。ああリク様……!
おいおい、女たちがめちゃくちゃリクを見てるぞ!
あ、ヤバい。これ、真の勇者の効果が出てる。
ため息をつきながら、みんなと共にカミスの街に戻る。
「リク君? この騒ぎの説明はしてくれるよな?」
シェンナ様が怒りのオーラを放ちながら、僕達の方に歩いてくる。
え? 僕が悪いの⁉
次話 シェンナ様に怒られるリクと宴の準備!
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