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第二十五話 白銀龍との激戦

 白銀龍は、リクを見下ろし絶対的な存在感と威圧感を放っている。

 だが、ここで負けたら死ぬだけだ。

「絶対に生きて帰る!」

「フハハ! その意気じゃ!」


 白銀龍は息を吸い込み、体長十メートルの体を縮こませて、ブレスを吐く準備をする。

 リクは即座に身体強化(大)+(中)、闘気(大)、鎧術(大)をかけて、突進(大)を移動に使いながら白銀龍の足元に向かう。


 ドラアアアアアア!


 白銀色のブレスがリクの移動している後ろを吹き抜けて、大きな衝撃をもたらすがリクは避けきった。


「落ちてこい!」

 リクは身体強化(大)の効果で高く跳びあがり、脳天めがけて、重撃(大)を付与しながらハルバードを叩きつける。


 パリィン!


 何か透明の壁がリクのハルバードを弾こうとするが構わず、重撃(大)で押しつぶす。

 だが……。


「我の結界をすべて割るとはやるのう。だがちと勢いが足りんな」

 脳天にたどり着いたハルバードはぺちと鱗を撫でるだけ。

 くるりと回った尻尾でリクを叩き落とす。


「うわあああああ!」

 鎧術(大)でも抑えきれない衝撃がリクの身を襲う。

 地面に落ちても衝撃をこらえきれない。


 やがて白い壁の所まで行って止まる。

「フフフ、我の威圧付きの衝撃は痛いじゃろう?」

「ク、クソッ!」


 白い壁のもう片方にはアナリスとリリが涙を流しながら、リクに何かを言っている。

 サラは火魔法(大)を何回も白い壁に撃っていた。

 リリーナは剣術(大)で攻撃し、ガロウは拳から血が出ているにも関わらず、壁を攻撃している。


「無駄じゃ、無駄じゃ。お主らのパーティーリーダーはここで死ぬかのう」

 白銀龍はおかしそうに笑う。

 

 リクは考える。今の手札で勝てる方法を。

 そして先ほどの白銀龍の発言を思い出す。


「……威圧付きの衝撃?」

 確かにこれまでも無意識に威圧を出しながら攻撃をしていた時はあった。

 それを意識的にする。


「……負けない! 皆のために!」

 リクはブラックメタル入りのハルバードを無言で素振りし始める。

 ブン、ブン、ブゥン! ブゥゥン!


 それはやがて白い壁の中で気流を生み出し、巨大な竜巻となる。

 威圧(大)を意識的に攻撃に組み込む。それをすることで普段の何倍もの力が生まれる。


「そしてここで統率(大)!」

 統率はパーティーメンバーに何倍ものバフを与える。

 ——だがリーダーが一人で戦うときは仲間の数×数倍のバフを自身にもたらすのだ。


「勝つ!」


 リクは巨大な竜巻を白銀龍に撃ちだし、身体強化(大)と闘気(大)と突進(大)で目にも止まらぬ速さで移動する。鎧術(大)で竜巻のダメージを軽減し、白銀龍の居る空中まで飛び込む。


 白銀龍はブレスを溜めて、竜巻に撃ちだす。

 白い閃光と竜巻が衝突する。


 ——竜巻は消えない。

「何⁉ 我のブレスが負けるじゃと!」

 リクは驚いている白銀龍に少しだけ残った竜巻で上昇気流に乗り、上から重撃(大)と威圧(大)、統率(大)を付与した体で白銀龍の脳天を攻撃する。


「うおおおおおおおおおおお!」


 パリパリパリパリィン!

 全ての結界が砕けても勢いは落ちない。


「ドラアアアア! 何じゃ、何じゃ、この小童は!」

「僕を馬鹿にした報いだよ。落ちろ! 白銀龍!」


 リクの全力前進の一振りが白銀龍にぶち当たり――。

 ドォオオオオン!


 白銀龍は地面に落とされる。

 黒い雷のようだったと見ていたアナリス達は語るだろう。


「はあ、はあ。どうだ。僕の力は……」

 リクは全身全霊で出した自分の力に驚きつつ、地面に横たわる白銀龍を見る。


『合格です』

 え? いつものスキル名を告げるお姉さんの声がしたよ。


『「ゴミ拾い」のリクに新たなスキルを付与します。「融合」を付与します。それと貴方に真の勇者と言う二つ名も与えます』


 僕が呆けていると、白い壁が解除されたのか、アナリス達が急に抱き着いてくる。


「リク! よかった、生きてた! もうあんなリクは見たくない。結婚しましょう!」

「ご主人様、すごすぎるぜ。もう発情期きちまったぜ! 番になってくれるよな?」

「リク! 本当に心配したけど……もう貴方が勇者で良いわ。結婚しましょ!」

「リク、お前は本当にすごい奴だ。そ、その私もお嫁に貰ってくれないか」

「王よ! 更に高みに登ったな。オーガから見目麗しいものを嫁に出そう」


 アナリス、リリ、サラ、リリーナ、ガロウが口々に褒めてくれるのは嬉しいんだけど、なんで皆嫁の話するの⁉


 皆に揉みくちゃにされながら、何とか追及を避けて、白銀龍に向かう。

「ぬう、負けたか」

「はい。僕が勝ちました」


 リクは持っていた特上ポーションを白銀龍に飲ませる。

 そうしないと死んでしまうくらいの、ダメージを負っていたからだ。


「リク! なんで回復させるの⁉」

 アナリスが抗議する。

「伝説の白銀龍様を殺すわけには行かないし、僕の願いをかなえてもらわなきゃね」


 白銀龍は白い光を放つと人化して、背の高いとても包容力がある女性に変わる。

「リクよ。我は負けて命まで救われた。できる範囲でなんでも叶えよう」


 僕の願いは一つだけ。

「それでは言わせていただきます。もう二度と僕達に関わらないでください!」

「#$%&⁉」


 白銀龍は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、次第に顔をしかめる。


 うううう、うわあああああん!


 白銀龍が号泣しはじめる。

「だ、だって~。我じゃなくて神の奴が戦えって言うから戦ったのに! 何で我だけ嫌われるんじゃあああ!」

 呆気にとられるリク達。


「ううう、酷い、酷いのじゃ。神が試練を与えるとか言って我に襲うように言ったのに。しかも仲間には危害を加えんようにしてやったのに。酷い、酷いい、うう」


 神様が試練のために白銀龍を呼んだ? でも確かにいつものスキルを与えてくれる神様は言ったんだ。合格ですって。


 もしかして本当に神様の試練? あれ、悪いことしちゃった?


「あ、あ~あの、それならさっきのお願いは変えますから……」

「え? いいのリク? 神様がどうこうって信じるの?」

「う、うん。心当たりがあってね」


 リクは泣き叫ぶ、白銀龍をポンポンと背伸びして撫でる。

 するとリクと白銀龍は白い光を放つ。


「あ、あれ? これは何ですか?」

「う、うう。これはの。リクと我との契約の印じゃ」

「何ですかそれ?」

「リクと我は結ばれたのじゃ!」


 その言葉に女性陣は一斉にジト目を向ける。

 え? 僕、またやっちゃいました?


「リクが求めれば、番となり、強い子を産もうぞ。これからはハクと呼んでくれ」

「え? えええええ!」


「リク?」

 後ろの女性陣の視線が怖すぎる。ロイヤルオーガキングのガロウだけは生暖かい視線を向けているのであった。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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