第二十四話 白銀猪との激闘
「ガロウ、壁役をお願い! アナリスは風魔法で引きつけて!」
「王よ、任された!」
「リク、わかったわ」
白銀猪は前足で地面をかいて突進する構えを見せている。
アナリスがウィンドカッターを放つが、銀の毛に弾かれる。
苛立ったのか、白銀猪が加速しながら巨体を揺らして突進する。
グラアアア
——猪突猛進!
一瞬で加速してロイヤルオーガキングのガロウまで到達する。
「むううううううう! こ、これは己では抑えきれん!」
「サラ、今のうちに、退路を断って!」
「分かったわ!」
サラは火魔法(大)を使い、木々の間を縫って火の壁を設置する。
「王よ! グァッ! 今のうちに!」
「うん! 身体強化(大)、闘気(大)、重撃(大)からの棒術(大)!」
リクは小柄な体を引き絞り巨人のような力でブラックメタル入りのハルバードを白銀猪に打ち付ける。
白銀猪は当たる瞬間で象牙でハルバードを弾こうとする。
グァン!
お互いの力と力がぶつかり合い、リクの手と白銀猪に衝撃が走る。
それでもリクの力が勝り、白銀猪はガロウから離され後退する。
リクの攻撃力でも一撃では仕留めきれない。
白銀猪は火魔法の壁の中をぐるぐると回り始めた。
銀の森の木々をへし折り、壁の中を更地にする勢いだ。
足を狙ってリリやリリーナが剣術(大)で斬りこむ。
少しずつ、足にダメージが入るが……。
「うわあ!」
「くっ!」
リリやリリーナが吹き飛ばされる。
リクは白銀猪の速さに追いつけないため、待ち構えるしかない。
アナリスとサラは水魔法(中)や水魔法(大)でこちらに来るように誘導してくれている。
更地になった火属性の壁の中でリクは決断を迫られる。
「そうだ! アナリスとサラは地面にぬかるみを作って!」
リクはアナリスとサラがぬかるみを作っている間に隠密(中)で気配を隠す。
だが中央に大きなぬかるみは出来た。
白銀猪はアナリスとサラに向かって突進を開始する。
「ぬおおおお! 己はオーガの長なり!」
間一髪で横から白銀猪をタックルで止める。
そしてぬかるみに白銀猪を陥れる。
「とどめだよ!」
リクは、隠密(中)で隠れていた場所から飛び出し、身体強化(大)、闘気(大)、重撃(大)からの槍術(大)で白銀猪の頭めがけて飛び掛かる。
——パワーダンクランス!
「やったか!」
脳天を貫いたはずだが、白銀猪はまだ息があった。
「ごめんね。でも弱肉強食の世界だからね」
グオオオオ……。
白銀猪はぬかるみから脱出できずにリクの一撃で命を落とした。
「リクが気配を隠さなかったらじり貧でやられてたわ」
「ご主人様の一撃でも一発でやれないんだな」
「私の火魔法も直接は効かなかったわ」
「己の力のなさが王に迷惑をかけてしまった……」
「私の剣術(大)でも切れぬものはあるんだな」
皆が少し落ち込むがリクがパチンと拍手して気を引く。
「何言ってるの! 皆のお陰で倒せたんだから。これは歴とした勝利だよ!」
リクは明るく笑う。アナリス達もその顔を見て顔を明るくする。
「それに次はここのフィールドを使って作戦を組めば勝てるよ?」
「え? どういう事?」
「流れはさっきと一緒。さっきは一撃を食らわせた後逃げられたけど次はこのぬかるみに落として逃げられないようにすればいいんだ」
「なるほどだぜ!」
リクはスキル「ゴミ拾い」で白銀猪を一頭丸ごと回収する。
『スキル「ゴミ拾い」で白銀猪の倒した素材と拾った素材を回収しました。突進(中)と身体強化(中)を付与します』
やったね! 突進(中)が(大)になったよ!
身体強化(大)はまだ上がらないけど、すっごく強くなった。
後はリリとリリーナが白銀猪を怒らせて連れてくるように頼んだ。
ここからは単純作業だ。ガロウが怒らせた白銀猪を一頭ずつぬかるみに止めてぬかるみに落とす。
サラが火魔法(大)で壁を作って逃げれないようにしてから、ガロウの重い拳の一撃やリクのさらに強化されたパワーダンクランスで白銀猪を仕留める。
流れで四頭仕留めたところで終わりにした。
だが……。
「ドラアアアア! 我の住む森で人間とオーガが何をしているのだ!」
絶対的な威圧感と存在感を放つ白銀の十メートル程の龍が姿を現す。
あまりの存在感にリクとガロウとリリーナ以外は縮こまってしまう。
リクも怖気づくのをこらえて、威圧(大)を出し、後ろの仲間たちを守るように出る。
「申し訳ありません。貴方の住む森を汚してしまいましたか?」
「そうではない。我の好物の白銀猪を四頭も狩るなど言語道断だ」
「そ、それは確かに……」
だが、白銀龍は話を別の方に持っていく。
「小僧がこのパーティーのリーダーだな? 我と戦い、生きた証にはわしの叶える範囲の願いをかなえてやろう。勿論白銀猪を持って帰るのも許す」
「え? だったら戦うのをやめるというのは……」
「そんなことは許さん」
何だよ! ただの戦闘ジャンキーじゃん!
「お主は中々強そうじゃ。我と戦うのじゃ」
白銀龍は一鳴きすると今の開けた場所に白い壁を張る。
ガロウとリリーナたちは白い壁を叩いているが、壁は全く壊れない。
「ったく。やるしかないんだよね」
「小僧、やる気になったか」
「一人でやるならパーティーに危害も加えられないしいいよ」
「なるほどな。仲間思いという事じゃの」
リクは威圧(大)を発動しなおし、白銀龍に殺気を向ける。
次話、白銀龍との連戦!
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