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『ゴミ拾いは要らないと追放された僕、実は落ちてる魔物素材を拾うだけでスキルが増えるチート能力でした』  作者: マロン64


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第二話 新たな友人と初めての魔物討伐

 カサカサカサ!

 途中で茂みが動いた!


 リクは解体用のナイフを構えて、茂みから何かが出てくるのを待つ。

 そこから飛び出してきたのは……。


「待って、攻撃しないで!」

 細長い耳をした、金髪の美少女が茂みから飛び出してきた。

 目は細長く切れ長で大きい。すらっとした小顔の美麗な少女だ。

 体のラインはすらっとしていて165センチのリクと同じくらいの身長だ。

 森の香りがする、黄緑色のドレスを着ている。


「どうして、茂みから出てきたの?」

「私はエルフのアナリス・フォルマント。君の事を見ていたの」

「それはどうして?」

「君は私たちエルフの様な清らかな雰囲気がするから」


 よくわからないが、悪い人ではなさそうだ。

 リクは少し考えて、あることに気づく。


「もしかしてここにスライムの核を置いてくれたのは君?」

「そうだよ。君を街で見かけて、森に来るんじゃないかって思って待ってたの」

「ありがとう。良かったらリクって呼んで」

「うん。そうする、リク」


 アナリスはその切れ長の目を緩ませて、かわいらしい笑みを見せる。

 リクはその笑顔に今まで出会った人とは違う、温かい感情を感じた。


「それにしても、なんで魔物の素材を置いていたの?」

「リク、それはね。君のスキルを鑑定で見抜いたから」

「え? アナリスは鑑定が使えるの?」

「うん。リクのスキル「ゴミ拾い」は魔物の素材を拾うことでそのスキルを得ることができるって書いてある」


 すごい。鑑定を使える人は世界でも本当に一握りの存在だ。

 アナリスはすごいなあ。


 リクはさっき自分で倒した魔物の素材を拾ったらどうなるか、試したいとアナリスに話す。


「良いよ、アークフォレストを案内する」

 

 アナリスに連れられて、アークフォレストの鬱蒼とした森の中を一緒に歩く。

 やがて森の中に開けた湖が現れる。


 スライムがぽよぽよと呑気に跳ねていた。

「リク。倒して」

「……うん。ちょっと罪悪感があるけど」


 スライムは水色の透明な物体の中に核がある。

 それをめがけて、リクはナイフを振り上げ、核に精いっぱい突き刺す。

 スライムは煙を出して、スライムの核に変わる。


「じゃあ、素材を回収するよ。「ゴミ拾い」」


『「ゴミ拾い」で倒したスライムの核を拾いました。水魔法(小)を付与します』

 やった! 「ゴミ拾い」は自分で倒した魔物からだと二重にスキルがもらえる!


「アナリス! 水魔法(小)が使えるようになったよ!」

「リク、おめでとう」


 水魔法(小)は魔法の水が手から出せるようになり、ウォーターボールやウォータアローも使えるようだ。


 リクが腕を突きあげて喜んでいるところをニコニコしながら見るアナリス。


 ちなみに「ゴミ拾い」で得た魔物の素材は無限容量のボックスの中に残っている。


「もっと魔物を倒しましょ。ホーンラビットやゴブリンもいるわ」


 ホーンラビットをまずはアナリスが倒す。

「風の精霊たちよ、敵を切り刻んで。ウィンドカッター」


 透明な風が吹いたと思ったら、遠くのホーンラビットの体を真っ二つにして、角だけが残った。


 リクが「ゴミ拾い」で回収する。

『「ゴミ拾い」でホーンラビットの角を拾いました。槍術(小)を付与します』


 槍術(小)は槍を使ったパワーランスという溜めをしてからの突きや槍の使い方が向上するみたいだ。ただ槍は持っていないので今は使えない。


 次はリクがウォーターボールでホーンラビットを倒す。

 リクは手に魔力を溜めて、球状に魔力を放つ。

「ウォーターボ―ル!」

 水色のウォーターボールがホーンラビットに撃ちだされ、湖で水を飲んでいたホーンラビットを仕留める。


「ゴミ拾い」でリクが倒したホーンラビットの角を回収すると……。

『「ゴミ拾い」で倒したホーンラビットの角を回収しました。俊敏(小)を付与します』


 やった! 俊敏はいつもより移動速度が上がる能力だ!

 これは取得している、していないで初心者にとって、かなり違ってくる能力だ。


 次はゴブリンと戦ってみる。

 緑色の皮膚をした小鬼の姿がゴブリンだ。


 湖周辺にはいなかったので、アナリスと一緒にアークフォレストの中を歩く。

 ん? 見つけた。

 まだこちらに気づいていない二匹のゴブリン。


「風の精霊たちよ、敵を切り刻んで。ウィンドカッター」

「ウォーターアロー!」


 アナリスのウィンドカッターとリクのウォーターアローが空気を切り裂いて二匹のゴブリンに命中する。


 ウィンドカッターは一匹のゴブリンを首ごと切り裂いて、ウォーターアローはもう一匹のゴブリンの頭を貫く。


 ゴブリンは素材となり、棍棒となって地面に落ちる。

 ゴブリンの素材はその棍棒だ。


 アナリスがニコニコと見ている中、リクは「ゴミ拾い」で素材を収納する。

『「ゴミ拾い」で倒したゴブリンの素材と拾った素材を回収しました。棒術(小)と身体強化(小)を付与します』


 これも当たりだ!

 棒術(小)は棍棒を使ったため攻撃や回転振りが可能になる。

 身体強化(小)はリクの体に魔力を循環させ、素早く動いたり、力をいつもより込めて攻撃が可能となる。


「リク。また強くなったね!」

「うん。アナリスのお陰だよ」



 リクのステータス


◇リク

 ◇性別 男

◇種族 人間

◇年齢 22

◇職業 冒険者

◇レベル5


 ◇体力 E(F→E)

 ◇魔力F(G→F)


 ◇固有スキル 《ゴミ拾い》

 ◇一般スキル

 ◇HP回復(小)

 ◇水魔法(小)new!

 ◇槍術(小)new!

 ◇俊敏(小)new!

 ◇棒術(小)new!

 ◇身体強化(小)new!


 ◇二つ名

 ◇ゴミ拾いのリク。

 ◇エルフの友(???の友)


 魔物討伐はここまでにして、二人は焚火を炊き、夜に備えることにした。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします

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