第十八話 スキル女誑かしと勇者クリス
「リク、オーガを従える者って二つ名がついてるわ!」
「え? そうなんだぜ?」
「本当だ! だからオーガ達が従ったんだ」
リクはオーガキングとオーガの素材を「ゴミ拾い」で回収する。
『「ゴミ拾い」でオーガの拾った素材とオーガキングの倒した素材と拾った素材を回収しました。スキルを付与します』
『オーガから身体強化(小)とHP回復(小)。オーガキングから火魔法(中)と重撃(中)を付与します』
やった! 身体強化が(大)になって、HP回復(中)になったよ!
火魔法(中)はアナリスにあげようかな? でもちょっと保留にしよう。
重撃(中)は元々持ってた重撃(中)と合わせて、重撃(大)になった。
リクのステータス
◇リク
◇性別 男
◇種族 人間
◇年齢 22
◇職業 冒険者
◇レベル37
◇体力 B+(B→B+)
◇魔力B(C+→B)
◇固有スキル 《ゴミ拾い》《リサイクル》
◇一般スキル
◇HP回復(中)
◇水魔法(小)
◇俊敏(小)
◇身体強化(大)
◇重撃(大)
◇闘気(中)+(小)×2
◇突進(中)
◇統率(大)
◇土魔法(小)
◇威圧(大)
◇鎧術(中)+(小)×4
◇棒術(大)+棒術(小)×2 「棒術(小)×2+棒術(中)×2」
◇槍術(大)+槍術(小)×2 「槍術(中)+槍術(中)+槍術(小)×2」
◇気配察知(小)×2
◇隠密(小)×2
◇火魔法(中) new!
◇二つ名
◇ゴミ拾いのリク。
◇エルフの友(???の友)
◇女誑かし new!
◇オークキラー
◇ゴブリンキラ―
◇オーガを従える者 new!
◇譲渡スキル
◇弓術(小)×2→アナリス
◇統率(小)→マキ
◇弓術(中)+(小)×4→アナリス
◇剣術(大) 「剣術(小)+剣術(小)×4+剣術(中)」→リリ
◇怪力(小)→リリ
◇俊敏(小)→アナリス
◇飛翔(小)→アナリス
リクはリリとアナリスに得たスキルを教えると……!
「火魔法(中)! めちゃくちゃいいじゃない! でもエルフと火魔法は親和性が悪いのよね」
「俺は怪力(中)が欲しかったぜ。でもリクが強くなったのならそれでいいんだぜ!」
「それにしても、オーガキングとの戦いめちゃくちゃかっこよかったわ。神話に出てきそうなくらい」
「俺は発情期が早まりそうなくらいドキドキしたんだぜ」
何故かアナリスとリリのリクを見る目が艶めかしい。
なんか、すごい潤んでて、頬も上気しているようだ。
何かステータスで変わったのか? とリクが確認すると女たらしが女誑かしになっていた。
「お願い。リクの熱くて、素敵なものが欲しいの!」
「俺は……リクの男らしい匂いに惚れそうなんだぜ」
え? なんか二人の目が怪しい。なんかヤバい!
リクは貞操の危機を迎えながら、スキルをあげることにする。
「ふ、二人とも落ち着いて。アナリスには使ってない水魔法(小)をあげるよ。リリには隠密(小)をあげるからさ」
リクが光の玉を出して、飛びついてきそうな勢いの二人に強引に光の玉を押し付ける。
「あ、あん!」
「わ、わぁん~」
何故かスキルを付与したら二人がめっちゃエッチな声出すんだけど?
え? 僕、スキルをあげただけだよね。
なんかすごく二人が僕に依存してる気がする……?
二人はしばらく、悶えた後、とろんとした目になった。
「ふう。き、今日はこれで許してあげる」
「お、俺、後でご主人様と一緒に寝たい」
「ダメよ! 私がするの!」
「アナリス、一緒に寝ればいいんだぜ」
「名案!」
何故か、一緒に添い寝することになってしまったリク。
ぼ、僕、恥ずかしいんですけど!
リクは強引に話を切る。
ちなみに、アナリスは水魔法(小)×2と合わせて水魔法(中)、リリは元々持っていた隠密(小)×2から隠密(中)になったようだ。
「ほら! 宝箱を開けるよ!」
リクは二人を振り切って、宝箱を開けると……。
「お、オーガの精力剤……?」
二人の目が狩人並みに怖い、ってか完全に女の子のいい匂いがする。
「リク? 観念してね♡」
「ご主人様、責任取ってくれよ♡」
どこかで、オーガキングの亡霊がキランと目を光らせてサムズアップしている気がした。
その後、リクは必死に抵抗し、ダンジョンから帰ってから添い寝をしようと二人に話す。
だが、それは悪手で二人の機嫌は最高潮に悪かった。
水魔法(中)で水流を伴う、ウォーターストリームで襲ってくる魔物たちを蹴散らすアナリス。
リリは四階層より上の階層で太い大木を切り倒しまくり、落ちてきた魔物を斬りまくる。
その後はリクに無言の視線を向けてくるのだ。
「……なんでこんなことに」
「リク、何か言った?」
「ご主人様はたっぷり体を休めててくれよ」
こ、こわい! 二人が怖い。
なんで女誑かしに進化したのか、神とオーガキングを恨みながらリクはとぼとぼと歩くのであった。
その後、カミスの街の冒険者ギルドに帰還するリク達。
大量の丸ごとの素材があるとマーシャに言うと、目を輝かせる。
「リク、なんか成長した? 元から可愛くて、かっこよかったのになんか小さい王子様みたい」
女誑かしさん? マーシャまで誑かしちゃってるよ!
素材を数えながらもリクを怪しい目で見るマーシャ。
とにかく数が多いので、ギルド職員たち総出で数えている。
「貴重なシルクスパイダーの糸玉がこんなに⁉」
「パラライズバタフライの鱗粉がガラス瓶に入ってる! これも高く売れるわ!」
「あらあら。オーガキングの肉体が丸ごと入ってるわ。ウフフ、ウフフフ」
貴重な素材がたくさんあり、丸ごと持ち帰っているので素材売却額は六百万エネルとなった。Eランクダンジョンの稼ぎとしては異常だ。
ちなみに、オーガの精力剤は二人にバレる前に売ろうと思ったのだが、アナリスとリリにあっさりバレて小声でささやかれる。
「リク、それ売ったら逆に大変なことになるけど大丈夫そう?」
「ご主人様との添い寝が添い寝じゃなくなるんだぜ?」
どう見ても笑っているのに圧が強い二人に屈したリク。
マーシャと何故か素材を一緒に数えていたエルザギルド長と他の受付嬢も怪しい目で見るため、リクは無言で断念した。
「「ゴミ拾い」のリクってあんなにかっこよくて可愛かったかしら?」
「やだ! 「蝶華優閃」一筋の私が……惹かれてる?」
なぜか、残念美人の黒髪眼鏡の女性まで、リクに熱い目線を向け始める。
バーン!
急に冒険者ギルドの扉が開かれ、ボロボロの鎧と汚れた冒険者が入ってくる。
しかも濃厚な殺気を纏いながら。
「アッハッハ! 「ゴミ拾い」のリク! やっと見つけたぞ!」
「……勇者クリス?」
「さっさと雑用係に戻れ! 奴隷みたいに使ってやるからな」
アナリスとリリはリクが追放された経緯やこき使われていたことを知っているので勇者クリスに強い視線を向ける。
「リク! 役立たずのお前が抜けたせいで俺のパーティーはバラバラになっちまった。全部お前のせいだ!」
「は? 意味不明なんだけど」
アナリスがクリスにイラつき始める。
「オークキングを倒したなんて、はったりだろう! どうせ、他の冒険者が倒したところを横取りしたに違いない!」
「ご主人様の実力を、馬鹿にした?」
リリが唸り声を上げ始める。
「なんでお前がそんな女共を連れてるか知らないが、俺がもらってやるからその女共をよこせ!」
その言葉にギルドの女性たちとマーシャとエルザ含めた女性ギルド職員の目が厳しくなる。
「お断りです。あんたみたいなクソ野郎についていく気はない」
「俺に触ったら、お前の腕を斬り落とすぜ」
「リクを追放した上に、侮辱しながら戻って来いって頭おかしいの?」
「あら、ババロの街の冒険者ギルドを出禁になった、クリスじゃない。カミスの街でも出禁かしらね?」
アナリス、リリ、マーシャ、エルザが口々に吐き捨てる。
バン!
息を切らした、同じくボロボロの魔法使いサラがギルド内に入ってくる。
「クリス! 恥ずかしいことはもうやめて! リクはパーティーを支えてくれてた。それを身勝手な理由で追放したのはクリスよ」
「うるさい! 俺は悪くない! 大体、なんで俺のパーティーを抜けた後、スキルが覚醒するんだ!」
「それは私もわからない! でもゴミみたいに扱ってきたのはクリスでしょう!」
「うるさい、うるさい、うるさい! まずはサラから――」
クリスは長剣を出して、サラに斬りつけようとする。
腐ってもCランク冒険者。誰もが咄嗟に動けなかった。
ズゥン。
その瞬間、ギルド内の空気が震えて、重圧がかかったようなオーラが支配する。
当然、出しているのは……リクだ。
「クリス? 何をしているの?」
「……リ、リクがこんな重圧を?」
「僕の事は良いんだ。逆に追放してくれて感謝してる。でもね、最後まで助けてくれたサラを傷つけるのは許さない」
「う、うるさい!」
「決めたよ。決闘をしよう。僕が負けたら、一生奴隷でも何でもするよ。でもクリスが負けたら……」
「な、なんだよ!」
「勇者をやめるんだ。クリスは勇者にふさわしくない」
「リク……私のために……」
サラは涙を流しながら、リクを見る。
「ああいいだろう! リクがいくら強くなった所で俺には勝てない!」
「決まりだね。ギルドの外に出よう」
マーシャとエルザは心配そうにしていたが、アナリスとリリは微塵も心配していなかった。
次話、「ゴミ拾い」のリクと勇者クリスの決闘!
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