第16話 誕生日パーティー②
「!?」
ランセが部屋に入ると、暗い部屋でケーキに立てられたろうそくが光を放っていた。
一瞬単純に驚いたが、『誕生日おめでとう』 という友人たちの言葉で状況を理解した。
「わー、ありがとう!」
バースデーソングを、みんなバラバラのリズムでガシャガシャと歌う。
目を輝かせニコニコ笑顔でその歌を聴くランセ。
歌が終わると、ろうそくを吹き消した。
「ふー!!」
消し終わると、
「おおー!」
全員が拍手した。
「ありがとー! 早速食べようよ!」
ちょうど昼時だったのでみんなお腹が空いていた。
ケーキはデザートにして、ソルベさんが作ってくれた料理をみんなで食べた。
今日の料理は、パン生地の上にトマトソースを塗って、チーズやバジルなどを乗せて窯で焼いた料理。
同じくパン生地にほのかな塩味の4種類のチーズを乗せて窯で焼いたものに、だらしない甘さのハチミツがかけられた料理。
ローストしたお肉に甘辛いソースのかかったもの、揚げた魚介類にレモンソースのかかったものなどが山盛りのサラダとともに盛り付けられていた。
普段は紅茶か水しかないのだが、ソルベさんがこっそりフルーツジュースを出してくれた。
甘いジュースを飲みながら、美味しい食べ物を頬張った。
「おいしー! みんなの誕生日のたびにこれ作ってもらおうよ」
ピノが言った。
「あはは、それいいかも」
ビートが言った。
「次は誰の誕生日が近いのかしら? って本当に美味しいわー」
笑顔でディタが言うと、
「近いのはズコットか? あ、魚もうまい」
エレルが答える。
「私の誕生日は、鶏肉焼いて、塩で食べる。あとサラダ。それだけでいいかな」
肉を口に運びながらズコットが言うと、
「えー、そんなのやだー! もっと特別なのが食べたいー!」
口周りや手がべとべとのランセが答えた。
料理を食べ終わると、最後にケーキを食べた。
6人分を切り分ける。
一番下のパイ生地はサクサクしていた。その上のアーモンドクリームの層と、甘さ控えめのカスタード生クリームの層が、イチゴの酸っぱさと調和している。
「おいしっ、お腹いっぱいでもう食べられないと思ってたけど、いくらでも入るわ」
ピノが自分に驚きながら言った。
「別腹って本当にあるんですのね」
ディタがほっぺをおさえながら言った。
「甘すぎなくて美味しいー」
ビートがいつもより高い声で言った。
「マジでうますぎるコレ」
エレルが手掴みでガッつきながら言った。
「明日からまたササミ肉かと思うと、この一口がとても大切なもののように思えてきた」
ズコットがしみじみ言った。
「おかわりー!」
ランセが言った。
「そんなもんないから」
エレルが突っ込む。
そんなこんなでパーティーは終わった。




