第15話 誕生日パーティー①
ランセの誕生日は夏休みのど真ん中だった。
クラスメイトのみんなに連絡をとり、誕生日に学園でパーティーをする事になった。
ディタが誕生日よりも前に、早々に学園に来てくれた。
ランセは喜んだ。
ランセとふたり暮らしをしていた寮母のソルベも、落ち着きのないチビ助の相手をしなくてすんだので喜んだ。
誕生日当日、昼前に他のみんなも集まってくれた。
「えー、故郷から追い返されたんだ。おばあちゃん厳しい人だね」
ピノが言う。
「ランセさんも歳を重ねたらそんな風になるのかしら?」
「全く想像できないわ」
ディタとズコットが言った。
そしてランセの部屋にみんなで飾り付けをした。
「お姉ちゃんの誕生日用に作ってた飾りが役にたったね」
ピノはランセのために飾りを用意していたわけではなかった。
自意識過剰だったランセは涙目になりながらもお礼を言った。
「ほら、料理できたぞ」
エレルが美味しそうな料理を運んでくる。
「すごいご馳走! ソルベさんが食材用意してくれたの?」
ピノが聞くと、
「いや、おじいちゃんが猟師だから何か食材くれって言ったら色々持たされてさ。ソルベさんに渡したらすごい料理作ってくれた」
エレルが答える。
「エレルありがとう!」
珍しくランセがエレルにお礼を言った。
「作ったのソルベさんだし、ソルベさんに言ってこいよ。オレ関係ないし」
エレルがかわすと、
「うん、行ってくる。でもエレルもありがとう」
ランセがもう一度お礼を言った。
「わかったって」
エレルは照れも隠れもせず答えた。
「じゃあ、ランセは調理場行っといで、後の準備はやっとくから」
ズコットが言うと、ランセはうなずいて調理場にいるソルベにお礼を言いに向かった。
ランセが出ていくと入れ替わるように、
「みんなお待たせ」
ベストなタイミングで学園まで配達を頼んでいた誕生ケーキを持ったビートが部屋に入って来た。
荷物を受け取った非常勤の先生に、
「誕生日会かー、いいなー先生も混ぜてくれよー」
などと絡まれて遅くなったとビートは言った。
「すごい美味しそうだよー」
ビートは箱を開けて自慢げに中を見せた。
いちごタルトのケーキだった。
「わー、キレイ」
「美味しそうですわー」
「マジうまそうじゃん」
「チートデイだから今日は食べられる」
ビートはケーキをテーブルの上に置いて、みんなに魔法のろうそくを2本ずつ渡す。
ろうそくに魔力を込めると、きいろ、きみどり、あか、あお、ピンク、それぞれの魔力に応じた色の火が灯った。
それをケーキに立てた。
カーテンを閉めて部屋を暗くした。
ランセが戻って来た。部屋に入って来たところで、
「「「誕生日おめでとうー!」」」
全員で言った。




