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転生少女は悪魔と共に ~異世界は神より悪魔頼み!?~  作者: 黒猫ている
5章:冒険者活動も楽じゃない

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幕間:王太子は苦悩する

「……以上が、魔の森で起きたことの一部始終です」


マクラーレン団長の報告を受けて、国王と王太子がため息を吐く。

教会が発表した“聖女の加護”とはあまりにかけ離れた真実。

騎士団長の言葉が本当ならば、全ては一人の少女によって──いや、彼女が操る召喚獣によってもたらされたことではないか。


「あの子が操る召喚獣に、それほどの力が……」


国王である父クラレンス・ペンフォードは驚きの声を上げるが、息子の王太子ライオネルは今更驚いた様子も見せない。


(あいつなら、当然だろうな……)


そんな呟きは内心に秘めて、表向きは黙って騎士団長の報告を聞く。


「息子が二人居たなら、双方ともに王家に取り込めたものを……」


クラレンスの表情は、苦渋に満ちている。

既に聖女と呼ばれるフィリス・クワイン伯爵令嬢と、王太子ライオネルの婚約を発表した。

今更ルシール・ティアニー公爵令嬢が規格外の力を持つと知ったからといって、おいそれと婚約者を鞍替えすることは出来ない。


「どうせ、ルシール嬢は嫌がりますよ」

「う、うむ、それはそうか」


ライオネルの言葉に、父クラレンスが曖昧に頷く。




教会は今回の魔王軍撤退を、聖女の加護として大々的に発表した。

だが、現地に赴いた騎士達は、全員理解している。


聖女の加護など、何の役にも立っていない。

彼等を助けてくれたのは、全て一人の公爵令嬢による力だ。

彼女が操る召喚獣が魔族を退却させ、そして騎士達を癒やしてくれた。


当然、騎士達が得た情報は王家にももたらされている。


「教会は、何を考えているのか……」


クラレンスの呟きに、ライオネルがため息を吐く。


(正直、僕は聖女も迷い子もどうだっていい。ただ、気になる女性に振り向いてほしいだけなのに……)


王太子という立場が、ライオネルにそれを許さない。

国の為に有益となる女性を伴侶とし、王家にその力、影響力を取り込む必要がある。


(どうしてこんなに上手く行かないのだろう)


父クラレンスとはまた違ったため息が、王太子の唇から零れるのだった。

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