表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

初☆オフ会にて

「はぁ…はぁ…す、すいません…少し迷ってしまって…」

 オフ会の集合場所に最後に遅れて来た少女はアスファルトに掛けていた眼鏡を落とす。

「え、えっとー、ギルドのメンバーの方々ですよね?」

 余りにも息を切らして来た少女に対して、俺を含む他のギルドメンバー達も虚を突かれて一瞬だけ固まっている。

「そ、そうだよ!ユキとアズの後に来たということは、君がルトかな?」

「…あ!そうです!ルトです!挨拶が先でした!!!!」

 先に来ていたモデル風の女性が少し戸惑いながら《ルト?》に話しかけ、《ルト》と思わしき少女が返事で肯定してくる。

「あの~?眼鏡大丈夫?割れたりしてないですよね?」

 二人が挨拶をしているときに、ユキはルトが落とした眼鏡が気になってしまい会話に割り込む。すると、ルトは驚いたのか体が少しビクッとさせて此方を見てきょとんとしている。そして、思い出したのか慌てて眼鏡を拾う。

「へ?……メガネ?…あ!アリガトウ、眼鏡は大丈夫だよ」

「それならよかったよ、ところで此処で立ち話もなんですし、オフ会する予定の店に行きません?ここで全員自己紹介もアレですし…」

 どうやら眼鏡の方は大丈夫だった様で良かったが、眼鏡が落ちたのに気付かなかったのかな?と思ったが意外と気付かないものなんだな、と思考を放棄する。

 それと同時にギルドメンバーが集まったことに気付き、自己紹介を此処で全員するのも、日の落ちかけている時間帯で寒くなるだろうと場所を移動を提案する。

「ん?それもそうだなぁ、それでは行くとするか!」

 そう言うとモデル風の女性は先陣を切り、駅前の繁華街方面にギルドメンバー達を先導し、俺達ギルドメンバーはそれに少し遅れて付いていく。


 先導されて着いた先は、駅の広場から徒歩十五分。繁華街の大通りから少し離れた個人経営の飲食店だった。

 店内に入るとカウンター席とテーブル席に分かれたレイアウトになっていた。だが、ゴールデンウィークの夕暮れ時にしては、他のお客さんは居なかった。

「いらっしゃい~、サユ~。来る前に連絡してって言ったでしょ~」

 ギルドメンバーが店内に順番に入っていたら、女性店員さんが声をかけてきた。

「ゴメンゴメン!忘れてたわ」

「そうだぞ!ミヤはおっちょこちょいだな」

 入るなり女性店員さんと先導してくれた女性とサユ、ミヤと呼ばれている男性ギルドメンバーが仲良くやり取りをしていた。少なくとも店員さんとサユ、ミヤと呼ばれたメンバーは知り合いなのだろう。

「さぁさぁ!入り口で立ち話もなんだし、座って座って!」

 パンパンと手を叩き、店員さんが席に案内をしてもらう。店員さんは案内し終えたら踵を返し入り口に向かい、外に出て掛看板を《貸し切り御免》と書かれた面に変える。どうやらお客さんが居ないと思ったら貸し切りしてもらったらしい。

 案内してもらった俺たちは、カウンター席に程近いテーブルに案内された。先に店員さんと話していた二人はカウンター席に座り、他はテーブル席に案内された。ユキはショウを奥の方に座らせてその隣に座る。

「えっと…隣、失礼するね?」

 ユキの隣の席が一つ空いていたのでルトが消えそうな声で許可?を求めてくる。おそらくギルドの中で唯一リアルで知り合いが居ないだろうから肩身が狭いのだろう。

「大丈夫だよ、ルト」

「あ、ありがとうございます…」

 なるべく警戒されないように明るいトーンで返答したが、いきなりPNプレイヤーネームで呼んだのがいけなかったのか若干警戒しながら隣の席にルトは座った。

 会話の後、俺は心の中でしまった!と思った。俺はルト=彼女と知っているが、ルトは俺がユキだと知らないのだから戸惑うに決まっている。

「さて!まず、自己紹介する前に飲み物でも頼もうか!その他の食事のチョイスは私に任せてもらおう!」

 カウンター席に座った女性は、戸惑いもなく進行していく。もう他のギルドメンバーも気付いてる人は大半だろうが、ほぼ間違いなく彼女が《寂しがりの妖狐》のギルドマスターのディアだ。

 それを踏まえると、彼女の隣に座っている男性はサブマスターのルキになる。二人がリアルでも顔見知りらしいから間違いないだろう。

 そう考えている内に他のメンバー達がドリンクメニュー表を見てソフトドリンクを選んでいる。

 ユキはメニュー表からアイスティーを選び、女性店員に伝える。

 全員が飲み物を注文してすぐに、全員分の飲み物が入ったグラスがカウンターとテーブルに並ぶ。

「よーし!皆、グラスが行き渡ったな!それでは乾p」

「ちょっと待った!」

「なんだいなんだい?いい感じだったのに…?」

「いい感じって…はぁ、まずは自己紹介が先だろ、さっき自分で言った言葉を覚えてるか?この中で誰が誰だか分からない人だって居るだろ?俺とお前は分かってるだろうが…」

「むぅ…そうだったな…」

 明らかにディア?がルキ?に正論を言われて口を尖らせている。

「わ、わかったよー、自己紹介からすればいいんだろ?ミヤ?」

「あぁ」

「という訳で順番どうする?」

「んー、とりあえず俺とお前がトップバッターと取りのどちらかをすればいいんじゃないか?」

「じゃあ、私が取りいい!いいだろ!!!」

「なんでそんな乗り気なんだよ。まぁいいよ、それだったら俺がトップバッターで他のメンバーの順番は反時計回りでいいかな?」

 二人が話し合って順番が決まったので、此方のテーブルに座っている面々に了承を求めてくる。

「ぼくはいいよー!皆もいいよね?」

「順番的にお前が二番目だから、お前が良いなら構わないよ」

 ルトの前に座る元気そうな少年が了承して、ショウの隣に座っている男子も了承する。他のメンバーも見た感じだと否定はしてない。それを見たカウンター席に座っていたルキ?が立ち上がる。

「大丈夫そうだな、改めて自己紹介しようか!俺はサブマスターのルキだ、よろしく。今は大学の二年で趣味はイラストの個展巡りだな。こんな感じか?」

 やはりカウンターに座っていた男性がルキのようだ。

 背丈はメンバーの中で二番目に背が高く、スラっとした体形で明るい茶髪だが、全体的に見れば好青年に見える。

「そうだな、PNと年齢、趣味くらいが妥当かもな。では次は君だ」

 ルキさんの自己紹介が終わった後、カウンター席に座っているディア?が紹介の要点をまとめて、次の予定の少年に自己紹介を促す。

「わかった!ぼくはリュウガだよ~中三です!趣味は~…う~~ん、!、体を動かすことかな!もちろんゲームも好きだよ。ほら、次だよ」

 リュウガ君は席から立ち上がって元気よく自己紹介をする。勢いよくリュウガ君が立ち上がったせいで彼が飲んでいたグラスを倒しそうになったが、横の白髪の少女が何とか防いだ。

 リュウガはそのことも気付かず、隣の白髪少女に自己紹介を催促している。

 リュウガの背格好は黒髪で男性陣の中では小柄の方だが、それに反して内側から元気があふれ出してる様な少年だった。

 催促された白髪少女は、ビックリしたのか慌てて皆にお辞儀を一礼して自己紹介を始める。

「え、えっと…スゥー…わ、私はユリカ…です。年齢はリュウガ君と同じ十四歳、です。趣味は、少女漫画を拝読する事と…可愛い小物を収集する事です…」

 白髪少女ユリカは、緊張していて消え入りそうな声で自己紹介を終えた。彼女は自己紹介を終えてもプルプルと体を震わせている。そこで隣の少女がユリカの頭を撫でて慰めている。

「よーしよし~頑張ったね!」

 ユリカは、白髪の髪を腰のあたりまで伸ばしている。身長はメンバーの中でも一番低く、体の線が一番細い。因みにリュウガとユリカの身長は僅差で、ユキやショウの身長に少し足りないくらいだった。

「よーし、ユリカちゃんが頑張ってくれたし、あたしも頑張ろうかね」

「へっ、言ってろ」

「なんだとー!」

 ユリカの隣の少女が張り切って自己紹介をしようとしたが、ユリカの反対側に座っている男子が茶々を入れる。そのあと二人は「そういうとこだよ!」「うるさいな…早くしろよ」などなど口論を続いている。

「え~…コホン、なんかごめんね~、コイツ五月蠅いよね。」

と少女は茶々を入れた男子以外のメンバーに謝罪をする。彼女は皆に笑顔を向けるが一瞬、隣の男子を見たときに目が笑ってなかった。…気のせいだろう、きっとそうに違いない。

「改めて、あたしがフィーナよ。高校一年生で趣味は喫茶店巡りとショッピングだよ。あ、因みにリュウガ君とユリカちゃんとはリアルで知り合いよ。あと横のヤツとは腐れ縁ってやつね」

 彼女フィーナは隣の男子に向けて、フッと鼻で笑ってそっぽを向く。彼女はユリカの頭をまたなでなでして癒されている。撫でまわされているユリカは嫌がってる様子ではなく、まんざらでもない様子でいいようにされている。

 黒髪ポニーテールが特徴のフィーナは、リュウガやユキ、ショウが同じくらいの身長に比べて、拳一個分背が高い。ぱっと見、穏やかな性格でユリカ達に優しそうな印象だ。約一名を除いて。

隣の男子は、ため息をつき前を向く。

「次は俺の番か?俺はハヤトだ、よろしく。歳は同じく高校一年生だ、趣味はスポーツ全般だな。観るのも好きだが実際に体を動かす方が好きかな。あとは、先にれ…フィーナに言われたがリュウガとユリカは俺らの後輩だな。んー、そんくらいかな」

 ハヤトはフィーナとのやり取りで厳つい性格を想像したが、自己紹介を見た感じだとそうでもないようだし、茶髪の短髪で前髪を上げていてイケイケ系の外見だが、実際は穏やかな性格だったみたいだ。

「…ちょっ!あたしは?!」

「お前が先に言ったんだから別に言わなくていいだろ?」

「ユリカちゃん達は言ったのに、あたしが飛ばされるのは納得いかないんだけど!!!!」

 しかし、フィーナに対してはそうでもないらしい。フィーナもそうだが、二人はいわゆる”喧嘩するほど仲が良い”という関係らしい。それを頷けるようにリュウガはニヤニヤと笑ってるし、ユリカも微笑んで二人の言い合いを見ている。

「ハイハーイ!二人とも、次が詰まってるからそこまでだよー」

 二人の言い合いに割って入ったのが、意外にもリュウガで二人を諫める。

「「うっ…わかったよ」」

 リュウガに注意された二人は、渋々言い合いをやめる。返事をした二人の返事があまりにも息ピッタリだったので、少し笑いそうになった事はナイショだ。

「じゃあ、次はオレだな?アズです、今後ともよろしくお願いしまーす。アバターが女性だけど、リアルだと男です。歳はフィーナとハヤトと同じで高校一年で、趣味はアニメとかサスペンス・ミステリーとかかな?勿論ゲームもです」

 ショウはギルドの中で唯一のネカマだが、アバターを女性にした理由を聞いたことがある。本人曰く

──ずっとゲームをやるのに男の後ろ姿観るよりかは、女性アバターにした方がモチベ上がるだろ?おしゃれ度も上がるし。

と言っていた。事実、近年では自分とは違う性別を選ぶプレイヤーは多い。

 ショウの自己紹介は、普通に聞いていれば問題ないが内心緊張していた。普段のショウは軽度の人見知りで、こうやって話しているのも一杯一杯なはずだ。

 彼とは中学からの付き合いで、自分とは身長は変わらないが運動神経が絶望的になく、それがきっかけで内気な性格になったしまった。

「はぁ~緊張した~」

「ハイハイ頑張ったガンバッタ」

 隣の親友は少し長めの黒髪をユキの肩に乗せて、小声で小言を零す。

 ショウは、いわゆる内弁慶で俺に対しては気兼ねなく接してくれる。

「全く、そんなに緊張するなら来なければよかっただろ?ショ…アズ」

「な…オレ以外が来るんだったら来ないわけにはいかんだろ?」

「そりゃあな」

 ふと、ユキとショウが隣同士で話していると視線を感じた。

 視線を周りに移すと他のメンバーが二人を見詰めている。少しの間忘れていたが、次はユキの番だった。

「あーと…俺の順番でしたね、ははは」

 なんだかんだで、自己紹介をしようと体勢を前に向ける。

「ユキです。年齢は隣に同じで、趣味はゲームと映画館での映画鑑賞ですね!隣のアズはこんな感じなので仲良くしてやってください」

「ユーキぃ?」

「ごめんって…イタ、痛いって」

 ユキの自己紹介の最後に言葉が不満だったのか、ショウはポカポカと俺の左肩を突いてくる。

 隣のショウを諫めてから、ショウの反対側に座っているルトに向けてアイコンタクトをして自己紹介を促す。

 ユキと視線が合ったルトは、驚いて二秒くらい固まってしまったが直ぐに硬直が解けて、身体を前に向き直す。

「あ、あの…わ、私はる…ルトです。年齢は十五歳で趣味は…漫画を読むことです…よ、よろ、よろしくお願いします…」

 彼女は緊張でガチガチになっていて、言葉がたどたどしいが何とか問題なく紹介を終えた様だ。紹介を終えた後、深呼吸を一回挟んだ後ため息を零す。

 やはり、リアルの知り合いが居ないのが不安なんだろう。

「皆、自己紹介をご苦労。では、取りは私に任せてもらおう!」

 ギルマスがよく通る声でメンバーを労い、カウンター席から立つ。ギルマスの声が店内全体に通る声量だった為、近くにいたルトは驚いてビクッと身体を震わせていた。

「フフフ、もう気付いているかもしれないが私が《寂しがりの妖狐》のギルドマスターのディアだ!今後ともよろしく頼む、歳は今年で二十歳になったばかりだ!趣味は勿論ゲームだ!…と、こんなところか…」

 ギルドマスターは自己紹介を終えると腰に手を当てて、他のメンバーを見回している。どうやら早く乾杯したくてウズウズしているようだ。その証拠にいつの間にかに、右手にグラスを持っている。

「それでは改めて、グラスを持ってー?カンパーイ!」

 ディアはグラスを高く上げ、乾杯の音頭をとる。と同時に他のギルドメンバーも飲み物が入ったグラスを上げて乾杯をする。

 自己紹介を終えて直後の乾杯なので、気弱な性格のショウやルト、ユリカは控えめに乾杯したのに比べて、ディアやリュウガ、フィーナは勢い良く乾杯して周りを盛り上げようとしている。

 テンションの差が激しい初の《寂しがりの妖狐》のオフ会が始まった。


「そういや、ハヤトってなんでドワーフなの?戦闘職向き種族じゃなくね?」

「ん?あー、ドワーフってさぁ、ドラグニンよりかは防御力は低いけど、実はヒットポイントはドワーフの方が高いんだよ。まぁ、趣味嗜好でそこらへんは人それぞれじゃね?」

「え!ほんと!オレそこまでステータス差とか見てなかったわー。アバターをシャドウパーソンにしたのもビジュアルがオレ好みだっただけだし」

「なーにがヒットポイントが高いんだよ、だよ!あんただって完全にビジュアルで決めてたじゃない!」

「ちょ、良いだろ、別に。それらしい理由があったんだからさぁ」

「それ、完全に後付けでしょ?全く…男子ってなんでカッコつけたがるんだから…」

「ハイハイ、一生言っとけ」

 乾杯してからかれこれ三十分程経っている。

 ショウは人見知りな方だが、元々ゲーム内で知り合いだったこともあり、ハヤトやフィーナ達と完全に打ち解けあっている。

(てか、いつの間にかにハヤトさんのことを呼び捨てで呼んでるし…)

 そんな親友を横目に見ながらユキ自身は、ショウ達三人以外のメンバーと雑談をしている。

 テーブルの上には、乾杯した後に出てきた色とりどりの料理が並べられている。主に唐揚げや焼き鳥などの肉料理がメインで、その他はサラダやスパゲティなどが並んでいて、卓上の料理をそれぞれ自身の取り皿に取りながら談笑している。

「だーかーら!急で申し訳ないと言ったでしょうが!」

「せめて事前に連絡欲しかったなー?」

「うっ…その件についてはすみませんでした…」

「ハーイ、その話はそこらへんにすれば?せっかくの初対面のオフ会なんでしょ?ついでにおかわりのお酒もドーゾ!」

 カウンター席に居る二人は、二十歳になったばかりしてはかなりのハイペースでお酒を飲んでいる。ルキは全然酔ってなさそうだが、彼に比べて横に座っているディアは泥酔とまではいかないがかなり酔っぱらっている様子だった。

 ディアが急遽企画したオフ会の事について、ルキに問い詰められているところを店員さんの女性に仲裁されていた。

「そういえば、リュウガ君とユリカちゃん達は時間とか大丈夫なの?」

 俺は自分のアイスティーを飲みながら、中学生と言っていた二人に門限があるのか気になって聞いてみた。

 手元の携帯端末で時間を確認したユリカは、少し唸りながら悩んでいる。

「ん~…えーと、一応まだ時間は大丈夫なんですが、あと三十分程しか居られないと思います」

「まだ大丈夫だっ──」

「えぇ~!もろそんなに居られないのら!」

 ユキがユリカに対しての返答をしようとして、ディアに遮られた。どうやら、ディアはお酒の飲みすぎで出来上がってしまっていた。

「でわ、わたしが良い提案をしようではないら!!」

「おい、大丈夫かよ。シズ」

 ディアの顔は真っ赤になっていた。横のルキが心配していたがそれに構わず言葉を続ける。

「どうあら、みら、仲良くなっやみたりだし…」

 ディアは普通に話していると思っているようだが、明らかに呂律が回っていない。ディアの傍らで女性店員さんとルキが少し呆れた感じで苦笑いしている所を見ると、彼女を止めるのを諦めたようだ。

「ころオフ会をさいろにしたくらいと思っていてら!提案だか、リアルのれんなく先を交換しないら?」

 ディアが問いかけた直後、両隣がびくりと身体を震わせた。

 所々が呂律が回ってなくて聞き取りにくいがおそらく

─このオフ会を最後にしたくないと思っていてな!提案だが、リアルの連絡先を交換しないか?

と問いかけたようだった。

 両隣の二人は自己紹介のときよりか顔色が悪くなっている。ギルマスの提案だが、本来人見知りのショウとオフ会で知り合いが居ないルトは委縮してしまったみたいだ。

「オイ、流石にリアルのは無理だろ。クラコぐらいにしとけ」

 ディアの横に居たルキが却下したことで、ユキの左右に座っているショウとルトは見るからに安堵していた。 

 ルキが言っていた”クラコ”はユキとディアが連絡していたオンラインコミュニティアプリだ。

 実際、クラコと違ってリアルで使っている連絡アプリは本名で登録することが通常なのでユキ本人からしても助かる。

 オフ会で初めてあった人達とリアルの連絡先を交換するのは、コミュニケーション強者でないと難しいと個人的には思う。

「ですね!クラコだったらマスターとユキ君、ルトちゃん達と集合用に交換してたのでそちらの方が早いかもですね」

とルキに賛同する形でフィーナも話に乗ってきた。

「それだったら俺もいいかな?なぁ、クラコってどれだ?」

「あ!私も入れてないですね」

「ぼくも!ぼくも!」

「えっと…ストアをまず開いて…って教えづらい…」

 フィーナに賛同してハヤト、ユリカ、リュウガがそれに続いたが、三人はクラコを携帯端末に入れてない様子だった。

 フィーナは、三人にアプリの入れ方をレクチャーしようとしたが、ハヤトは右からに対して、ユリカとリュウガは左からフィーナに聴いている為、フィーナは三人に挟まれてすごく狭そうにしている。

 するとフィーナは、ユキとルトの顔を見て、サッと顔の前で手を合わせて苦笑いで首を傾げる。どうやら三人の内、二人をユキとルトにそれぞれレクチャーを頼んでいるようだった。

 ユキとルトは顔を見合わせて頷きあう。

 頼まれたユキとルトは、丁度真正面にリュウガとユリカが座っていたので、それぞれ正面の相手をレクチャーする。ユキがユリカに、ルトがリュウガにそれぞれアプリの入れ方とアプリでの自分達の連絡先を教える事になった。

 ユキはユリカにアプリの入れ方と連絡先を早々に教え終え、右隣を見るとルトが何故かオドオドしていた。

「えっと、ゆ、ユキ君?あのね、リュウガ君のスマホと私のスマホの機種が違くて……ユキ君、分かる?」

「あー、ちょっと待ってね。これがリュウガ君のスマホだよね?」

 ユキはルトの持っている携帯端末を受け取り、機種を視る。どうやらユキが使っている機種と同系統の機種だった。

「これなら…ココのアプリを起動して、検索して……ハイ、これでダウンロードできるよ」

「ア、アリガトウ…えっと…」

「ねぇ!ルトさん!これからどうすればいいの?」

 説明が終えると、お礼の述べたあとに何か言いたげだったが、待ちきれないとばかりのリュウガに阻止されてしまった様だ。

──あ、えっと、まず名前を入力して…わぁ!本名じゃなくてニックネームでいいよ。

 元気いっぱいのリュウガに対して、ルトはあたふたしながらアプリの初期設定を教えていた。

 ルトは約三分かけてリュウガの初期設定を終えた。説明を終えたルトは、疲れた様子で此方を見てくる。

「はぁ、人に説明するってやっぱり難しいね…」

「大丈夫だったよ、ちゃんとリュウガ君に伝わってるし」

 当の本人のリュウガはというと、入れたばかりのアプリのグループに色々チャットを送っている。

「ほら、本人があんな感じだし…」

「そうだね…フフ」

 不意にルトは笑った。

がすぐにさっきまでの少し不安が混じった表情に戻る。

 見間違いと思い、目を擦ってみるがルトの表情は変わりがなかった。

「どうしたの?」

「…いや、なんでもないよ」

 ルトは不思議そうにユキの顔を覗いてきたが、ユキは少し素っ気ない返事をしてしまった。

(俺の勘違いだったら、恥ずかしいのは俺だし…)

 自分の考えが段々恥ずかしくなってきたので、その思考を切り替えるべく、ユキとルトにレクチャーを頼んできたフィーナの様子を見てみると、何故かまた口喧嘩をしていた。

「あーもー!何でパスワードを忘れるのよ!」

「忘れたもんはしょうがねぇだろ!」

「忘れないパスワードにするのよ!普通!」

「まぁまぁ、ハヤト、思いつきそうな単語とか数字とかないの?」

「う~ん」

挿絵(By みてみん)

 ハヤトに教えていたフィーナだが、アプリをダウンロードをする際必要になるパスワードをハヤトは忘れたらしく、それに怒ったフィーナとフィーナに反論するハヤトを何故かハヤトの隣に居たショウが仲裁していた。

(なんか、ショウは二人と仲良くなってるな。まぁ、余り友人を作らない人種だからもっと交友関係を広めて欲しいけど)

 少し情けない親友の事を考えてると、また反対側からの話し声が気になったので耳を傾けてるとディアの情けない声とルキの心配する声が聴こえてきた。

「みゅんな~…飲んでぃるか~…」

「まったく…この間も泥酔して俺が送らないといけなかったのに、また送らないといけないな…」

「そうだね、私は閉店作業があるから流石に送れないしねぇ」

 どうやら、ディアは既に泥酔していてルキと女性店員さんがディアをどうするか話しているようだ。

 そうしている内に、ルキがカウンター席から立ち上がる。

「えーと、もうディアもこんな感じだしオフ会もそろそろお開きにするか」

「のみだりないりょ~」

「はいはい、帰りますよ~。さてと、皆は未成年だよな?必要ならタクシー代出すけど?」

「ん?俺らは近所同士だし、駅の反対側だから歩いて帰るよな?」

「なんで疑問形になるのよ!なっさけないわね」

 ルキにディアがダルがらみしている。ルキはディアをあしらいながら、他のメンバーの帰宅事情を心配してくれてる。

 ハヤト、フィーナ、ユリカ、リュウガは駅の反対側で徒歩で帰れる様子。

「俺とアズは、ここから十五分も歩けば家に着きますし大丈夫です」

 ユキは横で気力を使い果たしてぐったりしているショウを見ながら言う。

「じゃあ、ユキ、アズは大丈夫だな。ハヤト達は駅までは送るよ、俺らは電車だし。あとはルトは?帰りは大丈夫か?」

「あ、えっと、大丈夫だと思います。私も電車ですし…自宅は最寄り駅から割と近いので」

「そうか、それならよかった…さてと、コイツは…なぁ、ユキとアズ、駅まで付いてきてくんね?」

「? 別にいいですけど」

「あー、コイツを介抱しながらだと何かあった時に困りそうだし」

「俺は良いですよ、アズはどうする?」

「あ~…悪いけど俺は帰らせてもらいます…」

 ショウは、ユキの隣でウトウトしながら呟いていた。

「ショウ、一人で帰れるか?」

「あぁ…多分帰れる……多分…」

「ホントかぁ?」

「子供じゃあ…ないんだから…」

 半分寝かけているが外の空気にでも当たれば少しは目が冴えるだろう。

「ということで、俺だけでも駅に付き添いますよ」

「おう、すまんな」

「あ、えっと、ユキ君…いいの?」

 ルキに付いていく事を伝えると、右隣りに座るルトが申し訳なさそうユキに聞いてくる。

「いいよ、最悪アズは一旦ここら辺に居させて帰りに拾って帰るし」

 どうやらルトは、まだ罪悪感が残っているらしい表情をしているが、ショウの事を心配しているんだと思う。

「大丈夫だって。それが無理なら引っ張って行くし」

「えぇ…」

 他のメンバー達が帰る準備や席を立って蹴伸びをしているので、ユキはルトに返答しながらショウを立たせる。

「会計も済んだし帰ろうか」

 ルキが会計を終え、ディアを支えるように立たせている。会計は事前にディアが見せびらかしていたクレジットカードで支払いをしていた。

 クレジットカードで支払いをしている大学生を初めて見た。

 メンバーの皆と店に外に出ると五月の夜にしては冷たい風が頬を撫でる。携帯端末で時間を見てみると八時半をちょうど過ぎたところだった。


 店を出た後、ショウは少しは目が冴えた様だが、やはり疲れは出ているらしく早々に帰って行った。

 ハヤト達の四人も駅まで一緒に行くと思っていたが、リュウガが他の三人を急かして颯爽と先に行ってしまった。

「なぁ、ユキに悪いがここで別れるわ。すまんな」

 駅に着くと、ルキは申し訳ない様子で詫びてくる。そう言うとディアを支えながら電車に乗るのは大変だからと、タクシー乗り場の方に向かってしまった。


「なんか、いきなりいなくなった…」

「ね…」

 ユキとルトの二人は、駅の改札に向いながら肩を並べて歩いている。

「……」

「………」

 話が詰まってしまった。

「そ、そういえば、大丈夫だった?オフ会でルト…知り合い居なくて居心地悪かったでしょ?」

 ユキは無理やり話題を作ろうとして、オフ会中にずっと気になった事を正直に切り出してみた。

「あ…えっ、そ、そうだね。なんか皆、知り合い同士だったみたいだし…」

 いきなり声を掛けてしまったので驚いたのか、ルトは一瞬戸惑いの表情を見せた。だが、すぐに表情を戻し、視線が下がりながら消え入りそうなハスキーボイスで答えた。

「あ、ごめんね!オフ会の時にフォローとか出来たらよかったけど…」

「そこまで迷惑掛けられないよぉ」

 ルトはこれ以上、ユキ(おそらくギルドメンバー全員)に迷惑を掛けたくない様子だが、知っていて放置するのはユキにはできない。

「そんな!迷惑じゃないよ…次からは気を付けるね!」

「え!でも」

 なかなか彼女は引き下がらないので、ユキはルトの目の前で手をパンパンと二回叩いて言葉を遮る。

「ハイハイ!この話は終わり!こんな暗い雰囲気になってるって聞いたらギルマスが怒るよ?」

「…そうだね」

 彼女は小さく呟き、目をゆっくり閉じ立ち止まる。

 釣られてユキも立ち止まりルトの顔を覗き込む。

「確かに、このままだと駄目だよね…私」

「?」

 ぱっと目を開けたルトは、自分に言い聞かせるように呟いているが、ユキは彼女が何のことを言ってるかさっぱり分からなかった。

「どうしたの?」

 気になってしまって、気付いた時にはユキは口に出ていた。

 質問の意図が解らなかったようで、一秒ほど彼女は止まっていたが直ぐに硬直は溶けた。

「……?、! あ、えっとー、ご、ゴメン。ひ、独り言だから」

「………」

 ルトは自分では平気そうに振舞っているが、彼女が呟いたときの顔が覚悟を決めたように表情をしていた。しかし、ユキの気のせいかもしれないが少しばかり不安の表情も混じっているような気がした。

 ふと思い出す。

 オフ会が開催されると告知される少し前。二人でチャットしていた内容を。

 確かあの時、二人が読んでる漫画の話をしていた。話の中で《ルト》はリアルで漫画は全然しないと言っていた。──”最近は特にないかな”

 最近。色々想像もできるがしたくない。できれば彼女の口から聴きたい。

 何だか、これ以上モヤモヤするのも後で気になって、日常生活に支障が出そうだ。

「ねぇ?気になっていたんだけど…何かあったの、最近…リアルで?」

 流石にリアルの事柄に首を突っ込みたくはなかったが、あの顔を見せられては聞かずにはいられなかった。

 ルトは再び目を瞑り、深呼吸をしてから此方の方へ身体を向きながらそっと目を開ける。

「……うん、まだ電車の時間は大丈夫だから…この際だから話しておこうかな」

「そ、そお…?」

 自分で聞いておいて、ルトの返事が意外だったので虚を突かれたような間抜けな返答をしてしまった。

「そうだね…リアルで最近忙しかったのもあるんだけど、一番は身の回りの環境の変化かな…」

 ルトは重い唇を必死に動かしながら、震えながらの独白が始まった。

「さっきのオフ会でも話したけど、ユキ君達と同じ十五歳の高校一年生なんだ。えっと、私が入学した高校は進学校でこう見えても私、勉強頑張っているんだよ」

 ルトは、なるべく雰囲気が暗くならないようにジェスチャーを交えながら話している。今しがた行ったジェスチャーは右腕を上げて、二の腕の力こぶを作っていた。苦笑いで。

 彼女は腕を下ろし話を続ける。

「勉強自体は苦じゃないんだ。けど…同じ中学校から入学した子が少なくてね…部活もやってなかったから他校に知り合いは居なかったし」

 話しているうちにハスキー声がどんどん下がっているような気がする。

「それでもね。頑張ったんだよ、なんとか周りに馴染もうとしたけど…気付いた時にはもう遅かったんだ…」

 今現在が五月のゴールデンウィークの終盤。高校入学の時期から約一か月経っている。

 たった約一か月、されど一か月。この時間は周りに馴染めてないとしたら、自分なら途方もない時間だと感じるだろう。

「小学校と中学校には幼馴染の女の子が一緒にいたし、他にもお友達が居たんだけど…みんな、進学先が違くて、周りが知らない人だらけで…」

 彼女の声がどんどん低く、弱々しくなっていく。どこか天井を見ながら話すルトの目にうっすら光るものが見えた。

 ユキが気付いたとの同時に目を擦り、声のトーンが少し上がる。

「でもね!それももう大丈夫だよ。こないだユキ君がくれたチャット覚えてる?」

「あ、あのチャットは覚え、てる」

 ふいに振られた会話に戸惑いながら返答を返す。

「あのチャット、多分他の人なら「そんな些細なこと」かもしれないけど、私が行動する動機にするくらいありがたかったよ…ありがとう、ユキ君!」

「どういたしまして…でいいなかな?」

「うん!いいよ、フフフ」

 あんなチャットで直接お礼を言われるなんて、人生何があるか分からないものだ。

「あのチャットの後ね、さっき話した幼馴染の女の子に相談したんだ。まぁ、相談したときは散々だったよ、沢山怒られた。その分心配も物凄くされたけど…」

「優しい幼馴染だね、心配して怒ってくれる人って中々居ないし」

「そうだね、今度お礼か何かしないとな~」

 なんだか幼馴染のことを話しているルトは他の話をしている時よりか明るく見える。

「それで、家族とも話して、その幼馴染のがいる高校に急遽転入することになったんだ。急なことでこの連休は忙しかったけど、なんとか間に合ったから、明後日から新しい学校なんだ…なんだかんだで逃げてるようで最初は気が引けたけど、今は楽しみの気持ちの方が大きいよ」

「そう、なんだ…なんかすごいな」

「全然すごくないよ、私一人では何にもできなかったんだから…」

 ルトは自虐を言っているが、ユキは本心ですごいと思った。この一週間足らずでの行動とすると、とんでもない行動力だと感心できるくらいに。

 そして、そんな行動するくらいに周りの環境が合わなかったのか。と考えてしまう。

「でも行動は出来たんだ、これから巻き返していけばいいよ。こういう時こそ前向きに!」

 ユキは実際何もしてない立場の上に関わりもしてないので、せめてのも気持ちで応援の言葉を投げかける。

「そうだね、こんなにくよくよしてたらまた怒られちゃうな…」

 また、とは先程話していた幼馴染の事だろう。声は小さいものの先程よりかは弱々しくなく、前を向いたような芯が入った声だった。

「…ありがとうね。お話をしたら、なんとなく頭の中の整理ができたみたい…これで助けられるのは二回目だね!」

 ルトは一度、ぺこりとお辞儀をして再度此方を見ながら明るい声でお礼を言われた。

「え、俺は何もしてないよ、今も話を聴いていただけだし」

「それでも助かったよ」

 ルトは感謝をしてくれているが、自分自身納得はしていない。だから、今から言うことは自己満足に過ぎない。

「うん、どういたしまして。…でも、また何かあったら相談に乗るよ!ギルドメンバーとして…一人の友達として」

「ともだ、ち……」

 ルトは呆気とたれたみたいに此方を眺めている。まるで口から零れた言葉が意味を理解出来ないとばかりに。

「えっ…友達じゃなかった…?そう思っていたのは俺だけだったのぉ…」

 なんだか恥ずかしい。

(そうだよな、今日初めて会った人に友達とか言われたら困るよな…)

「あ、ごめんね!咄嗟に言われてびっくりしただけだから」

「俺、恥っっっず…」

 ユキは口元に左手を添えて、この羞恥になんとか耐えようとする。左手の掌から熱を感じる。

「あー、そろそろ電車来ちゃうかも」

 ルトが隣で時刻表と携帯端末の時計を交互に見ながら言っているのが聞こえた。

 ユキが悶え苦しんでいる内にルトが乗るはずの電車の時間が迫っていた。

「じゃあ此処までで大丈夫だよな?」

「う、うん」

 羞恥で熱くなった顔でルトの方を観て、大丈夫そうだったので別れるべく出口の方に歩きだそうと方向転換をする。

「あ!ちょっと待って」

「ん…?」

 歩き出そうと右足を前に出そうとしたところで後ろから引き止められる。

「きょ、今日はありがとう、色々と。それとさっきの言葉うれしかったよ、気が楽になったよ」

「それならよかったよ。帰り気を付けて」

 彼女は声を振り絞ってユキに別れの挨拶とお礼を言って、そそくさに改札に向かう。それに対してユキは、ルトの後ろ姿になるべく声のトーンを高くして返答する。

 そうするとルトは、改札を通る寸前で一度此方を向いて手を振ってくる。ユキも手を上げ返し、それを見たルトは改札を通り抜けて階段を駆け上がっていく。

 ルトがみえなくなるまで見送ったユキは今度こそ帰宅すべく、少し肌寒い夜の街へと歩き出す。

 熱くなった顔を冷ますには丁度良い。

 大変お待たせいたしました!!!!!!

 作者のユキネコです!

 前回の投稿から半年以上経ってしまい申し訳ありません!自分でも出来るだけ早くと思っていてもなかなか挿絵の方が後回しになってしまい、結果このような事態を招いてしまいました…

 次回からは最低でもひと月に一話の投稿を目指していく所存です!

 謝罪はそこそこにして本編の話をしましょう。今回の話ではオフ会をまとめて一話で書かせていただきました。オフ会自体は大事なイベントなのですが、ここに話を咲きすぎると話自体のテンポが悪くなると思い一話にまとめた次第です。それでも1.4万字書いてるのでなんとも言えませんが。

 さて、次回からは舞台がガラッと変わりますのでお楽しみに!(投稿自体は前科がありますので期待せずお待ちください)

 ではまた次回の後書きでお会いできるのを楽しみにしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ