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【ヤンデレになれ!】と命じられた悪役令息ですが、なぜか周囲のイケメンが溺愛ヤンデレ化しました  作者: 日月ゆの
成長期の12歳

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20.秘密の夜ふかし


 「ふう」



 寝れない。体は気だるげで疲れているのに、頭だけが動いている。体と頭がバラバラだ。

 どうにか寝てみようと、コロンとベットの中で寝返りを横向きにうつ。

 掛ふとんを頭からかぶり薄暗い中目を閉じ体を丸める。



 でも、頭の中にポンポンいろんなことが浮かんでしまう。



 おじさまはあんなにもレオとの婚約を何故いやがるのか。

 あの時、レオとイヴくんを見たのは。

 婚約者候補としてアッシュを強引すぎる方法で推す理由。



 うっすらした違和感を無視し、アッシュの時みたいに、僕は後悔しないのか。



 あぁ。アッシュのお家の問題もこれからはわからないよな。

 おじさまがアッシュを預かると言い、連れて行ったけど。

 アッシュは『夢』のために僕なんかの婚約者候補になるなんて、嫌ではなかったかな。



 レオはイヴとこれから恋人になるから、僕はアッシュと婚約するしかないよね。

 アッシュに好きな人がいたら、勝手に婚約者にされちゃうの可哀想だ。



 うぅぅ。考えても仕方がないことまで、もんもんと気になりだしちゃった。



 もうぱっちりと目が冴えてきたよ。



 寝れないときは、もう無理して寝ることはないよね! と開き直り、今日新たに気付いたことを確かめよう。



 ゆっくりとベッドから体を起こす。


 少しでも物音を立てるとエリアスが飛び込んでくるからさ。

 静かに床に足を着き、ベッドから降り、そーっと足音を立てないように向かう。

 カーテン越しでも明るい2つの満月に照らされた机へ。



 机上に置きっぱなしになっていた懐中時計。

 パープルサファイアが月光を受け、キラキラまたたいていた。



 藤の花が輝く懐中時計をパジャマのポケットにしまい、机の最上段の引き出しをゆっくり気をつけながら開ける。

 引き出しの奥から、虹色のキャンディー柄の四角い缶をそっと取り出した。

 慎重に音を立てないように、缶の蓋を開け、目当ての小石を手に取る。



 表面がツルツルして、陽にかざすと内包する雲母がきらめくだけのなんの変哲もない小石。



 僕が『ラズ』になる前の『ラズ』が拾った小石だ。



 子供ってキラキラした石を謎に集めるよね。

 何だか捨てるのも忍びないし、僕の宝物入れの中に取っておいたんだ。



 使わせてもらうね。もう1人の『ラズ()



 いそいそと忍び足でベッドに戻る。


 ささやかな白銀光に染まる薄暗いお部屋にもすっかり目が慣れ、逆にちょっと楽しくなってきちゃう。

 エリアスや使用人さんに見つからないようにする夜ふかしはスリル満点だ。

 妙な高揚感に浮かれながら、ポケットから出した、懐中時計と小石をベッドの上にそろえて置く。



 さて、実験スタートだ。



 実験といっても懐中時計とこの小石に聖力を流すだけ。



 まずは両手の平に懐中時計を載せる。


 聖力を体の中で練り上げ、重ね合わせ色を変えて『純白』へ。


 昼間一回変えたからコツをつかんだのか、スキルのおかげなのか時間をかけることなく出来た。



 聖力を手のひらに集めていくと、懐中時計がぽわんと光りだす。


 薄暗い中、丸く光る文字盤は満ちたお月様のよう。

 きれい、と見惚れた僕はさらに聖力を足した。



 今まで決して動かなかった秒針が、ふるふると小刻みに震え出す。


 秒針が巻き戻るように、ぐるりと文字盤を反時計回りでゆっくり一周しだした。


 一周回りきった秒針に短針がカチッと小さな音を立て、進みだされた瞬間。



 時計からひときわ溢れだす純白の光。



 目も開けていられないほど眩しい光に、思わずぎゅっと目を閉じた。



 ぱちぱち目を慣らしながら、手の中の懐中時計を見れば。


 お母様が亡くなって以降どれだけ修理しても動かなかった時計の針。


 秒針は、カチカチ、規則的な音を立てながら再び時を刻んでいた。



「……やっぱり」



 確信を得た僕は、すぐに次の実験へ。



 先ほどと同じように手の平に小石を載せ、純白の聖力を放出する。

 やはりほのかに光り出した小石に、思いっ切り聖力を注ぎ込む。



 手の平からはカッと目も眩むような反射した光。



 小石のみに絞り込むように僕はグワッと体の内側から聖力を押し出すと、一直線に純白光が熱を伴い集まっていく。


 熱さに驚いているうちに、手の平の小石が溶けたようにさらりと砂へ変わる。



 実験の仮設を証明するため、この状態にさらに再び聖力を大量に流していく。


 体内のもてる聖力全てをからっぽになるまで引きずり出したら、圧縮しぶち込んだ。



 真っ白な視界に、膨大なエネルギーを孕む光の帯となった『純白』の聖力が収束し白く輝く砂のもとへ。


 暴れ狂うような純粋に真っ白な光の奔流が唐突にふっと消え失せる。


 すぅ、と今まで無意識に止めていた息を吸い込み。



「………………」



 吐き出すことを忘れたように、息が引きつる。



 ありえない結果に、喉からは音ともいえない、ただの空気がもれた。



 呆然と見下ろした先。



 そこには僕の手の平のみ(・・)



 信じられなくて、確かめようと手を動かそうとした。



 けど、指一本もまったく動かせず。



 意識がぷつりと途絶えた。





 

 

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