5.初めての友達
ヴィクトリアはルーカスを見て呟いた。
「ルーカス様って身長が5歳にしては高いわね...私のほうがチビじゃない。」
ルーカスはヴィクトリアのつぶやきを見逃さなかった。綺麗な顔が少し落ち込んだ表情になった。
「ヴィクトリア、私がそんなに気に食わなかった?ごめんね...なんか傷つけちゃって。」
ルーカスが突如謝るとヴィクトリアが驚いて目を見開いた。
私はそんな意味で言ったわけではなかったんだけど...なんかルーカス様はピュアですね。
でもルーカス様は顔はすごく綺麗なのよね。しょげてる顔も素敵だわ―って!私は何を考えてますの!
ヴィクトリアは慌てて返事をした。
「そんなことありませんわ。私こそすみません、ルーカス様がこんなにもピュアで傷つきやすい性格だと知らなくて...無自覚すぎてごめんなさい。」
ヴィクトリアの返事にルーカスが更に涙目になる。
「私ってヴィクトリアから見てはそんなにも愚かな男に見えた!?まって、ちょっとタイム。少し泣いていい?」
ルーカスの問いにヴィクトリアは突っ込む。
「ルーカス様、もう泣いてるじゃないですか。」
ヴィクトリアが微笑むとルーカスは答えた。
「私の友達が遠回しにディスってくる。」
ヴィクトリアはルーカスのっ言葉に我に返った。
私ったら、ルーカス様がしょげている姿がいくら面白いとはいえやりすぎだったわ。謝らなければ。
ヴィクトリアはルーカスに謝った。
「ルーカス様、すみません。大丈夫ですよ、ルーカス様は私があった中で一番素敵な男性ですから。」
ヴィクトリアが返すとルーカスは顔を輝かせた。
「ホント?私ってそんなにかっこ良かった?」
ヴィクトリアは笑って返す。
「えぇ、十分かっこいいですよ。」
ヴィクトリアは内心こう思ったが。
だってルーカス様は前世の婚約者のアレクや私を見捨てた周りの友人よりはずっといいわ。