30.傲慢な王子様と傲慢な正妃様
ヴィクトリア達が掃除をしていると先ほどルーカスが直したはずの扉が勢いよく開いた。
そこに立っていたのはヴィクトリア達と同じくらいの少年だった。
どこまでも深い黒に青い海の色をした瞳。
顔は整ってはいるが側に居る金髪に青い瞳を持った女によって近寄りがたい雰囲気をしている。
「青巒、お前どう言う事かい?なぜお前が使用人を持っている?しかも下民の癖になぜこいつは私と同じ高貴な金の髪をしている?しかもこの小娘なんて私とそっくりな貴族の鑑の瞳を持っているのはなぜ?この使用人を譲りなさい。さすれば今日はお仕置きをしないであげる。」
女は傲慢そうに微笑みながらルーカスとヴィクトリアを指して言った。
ヴィクトリアの隣に居た青巒は怯えてひどく震えていた。
そんな青巒を庇うようにヴィクトリアは前に立った。
何このクソババァ、おっと駄目ですよヴィクトリア。
淑女はこんな汚い言葉を使っちゃいけないわよ。
しかもこの女、質問多いわね。
『なぜ』が口癖かしら?
しかもなぜ私が貴族の鑑をしているか?って言ったわよね?
それは勿論私が貴族だからよ。
少しは脳みそ使ってほしいわ―って私身分を隠しているじゃない?
そりゃ分かるわけないわよね。
なぜルーカス様が金の髪を持っているかって聞いたら神様だからでしょ。
むしろ貴方が分けられているのよ。
ルーカス様って優しいのね。
こんな女に自分の色を分けてあげるなんて。
ヴィクトリアが心の中で呪詛を吐いていると女の側に居た少年が口を開いた。
「ありがたく思え。お前たちの新しい主人になってやるから感謝しろ。しかもそこの白髪女。お前ってなぜ若いのに白髪生えてんの?ババァ臭いな。」
何?白髪女だって?
この銀髪はお父様譲りなのに...
もう我慢できないわ。
「そうですか、ありがたいですね。こんな傲慢親子に従うなら青巒様の方がマシです。私の髪がババァ臭いって?それなら貴方の何も変哲の無い黒は世界にあり溢れています。私共は貴方に従う気はサラサラありません。貴方のような方が世間に立つと国は一瞬に滅びますね。そろそろ出て行ってくれません?掃除の邪魔です。役立たずトリオ様。」
ヴィクトリアは精一杯の皮肉を込めて言った。
だが正論だとヴィクトリアの言葉に青巒とノア、そしてルーカスは頷いていた。




