26.野生の動物?
ヴィクトリア視線に戻りました。
宮の中に居た少年は黒曜石のような長い計画性の無いように無造作に伸ばしたクセ一つ無い髪と緑の深い吸い込まれるような神秘的な瞳を持っている10歳くらいの少年だった。衣服はボロボロで破れかけ全身傷だらけの理不尽な程怪我を負っていた。
やっぱり世界は広いのね。前世でもこんなひどい子は見たことないわ。私って恵まれていたのね、あらためて実感するわ。
泣きそうになるわ―って危ない危ない。淑女はいかなる時も冷静にって前世のお父様が言っておりましたわよ!
ヴィクトリア、冷静を保つのです。
まあこれは置いておいてこの野生王子をどうしましょうか?
まず“野生„から“人間„に戻すべきよね。
でもまずは魔法で治癒しましょう。
ヴィクトリアは少年に駆け寄り少年の手を取って言った。
「聖癒」
ヴィクトリアが唱えると少年の傷が体から痕跡なく消えた。
あと第一印象は大事ですよね。
笑って明るい声で答えると良いって前世の皇妃教育に学んだわ。
ヴィクトリアは笑顔を作っていった。
「こんにちは、なかなか入らせてくれないので無理やり入らせていただきました。私は貴方様に配属された召し仕えのディアレイドと申します。あと後ろに居るのは黒髪のほうがノア、金髪の人がクレイアです。よろしくお願いします。」
ヴィクトリアの後ろにはノアとルーカスがいつの間にか居た。
少年はオロオロして言った。
「僕は...青巒...僕には何で貴方たちは暴力を振らないの?ここに来る人は皆僕の事を嫌ってるのに...」
少年は少し警戒しながら言うとヴィクトリアは泣きそうになった。
可哀そう...
暴力振るわれていたのね。よく今まで耐えてきたわ。
一生は仕えていられないけどギルドの任務中は面倒話見てあげましょう。
じゃなきゃこの子は大人になっても自立できないわ。
ヴィクトリアは笑顔になって言った。
「大丈夫、私たちは暴力なんて振りませんよ。」




