9話
勇者でしょ?いえ農夫です。のその後の魔王ミラ・レティスの物語です。
物語を楽しむために
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を先に読んで頂けると幸いです。
そして披露宴当日を迎えました。
ミラ「たくさんの人!いったい何人いるのよ!」
リサ「スミスの系譜だけでも300人以上はいますね。ロイド様は優秀な職人ですし有力者からの依頼や付き合いも多いですから」
カイト「スゲえな!」
アムス「リサ、俺たちの服とか大丈夫か?俺はこんな席に出たことが無いから心配だぞ」
リサ「問題ありません!家政婦の国家資格を持つ私が皆様をコーディネートしています。どうぞご安心ください」
カイト「リサちゃん本当に助かるわ〜。俺なんか生まれて初めて長袖着たよ」
アムス「お前と一緒な事で安心したのはこれが初めてだ」
ミラ「マリアはどうしたの?」
リサ「マリア様は厨房で最後の指示をしています。この結婚披露宴の料理のコースはマリア様が担当しています。披露宴最中は厨房に行けないのですから、300人以上の盛り付けは王国料理長が総指揮を執っていますので期待できますよ!」
アムス「俺も飾りに使う食用菊とか野菜果物全般育てたけどマリアの気合いの入り方は凄かったな」
カイト「俺も鯛と鰤をどんだけ釣ったかわからない!2人の席には超特大の鯛が出るはずだぜ!」
そして走ってくるマリア
マリア「はぁ〜!間に合った!王国料理長がいなかったら無理だった!」
アムス「お疲れマリア。俺も今から料理が楽しみだよ!」
ミラ「ビールはあたしの工場のプレミアム出るからね!」
カイト「おお!始まるぞ!ロイドとローズちゃんが向こうに!」
司会「これよりロイド・グリーンスミス・ローズ・ホワイトスミスの結婚披露宴を始めます。皆様、暖かい拍手でお出迎えください!それでは新郎新婦入場です」
会場に割れんばかりの拍手がおこりました。そしてゆっくり歩きだすロイドとローズ
マリア「ローズさん綺麗…。この前会った時より綺麗…」
リサ「ウェディングドレスもさることながらティアラとパールのネックレスが素敵…」
ミラ「きっとロイドが作ったに違いないわね…」
アムス「ロイドなら当然だな」
カイト「パールは俺が採ってプレゼントしたんだぜ!にしても本当にローズちゃん綺麗だな…」
マリア「あの貝真珠貝だったの!?よくもまああんなに採ったわね」
ミラ「人族にはこんな素敵な儀式があるのね…いいな〜。」
司会「それでは新郎より皆様に歓迎の挨拶をお願いします」
ロイド「本日はご多用のところ私達のためにご足労くださり誠にありがとうございます。みなさまに見守られて無事結婚披露宴が出来て喜びで心がいっぱいです。そしてこのような素晴らし日を迎えられたのは皆様のおかげと感謝しています。本日は日頃お世話になっている皆様をお招きして少しでも感謝の気持ちを伝えたくこのような席を設けさせていただきました。短い時間の中行き届かない面もあろうかと存じますがどうぞ皆様楽しくお過ごし頂ければ幸いです。
会場から盛大な拍手が起こりました。
司会「それでは新郎の師でもあり元王国武具工房長でありますシド・ブラックスミス様より祝辞と乾杯の音頭をお願い致します」
ガチガチに緊張したシドがスピーチ台に向かう
小声のアムス「おい、おやっさん左右の手と足が同じタイミングでだしてるぞ」
小声のマリア「シドさん緊張しすぎ」
小声のリサ「頑張ってくださいシド様!」
小声のカイト「おっちゃん落ち着いて!」
シド「た、ただいま、しょ、紹介をあ、預かりましたシ、シド・ブラックスミスです。こ、この度はこのような、お、おめでたい席に」
スピーチに詰まるシド、静まる会場、そこに
大声を出すミラ「ロイドの師匠!緊張し過ぎよ!あなたはこの大地を救った英雄達の武具を制作した生きる伝説よ?霊獣素材を扱うよりはこのスピーチは簡単じゃない?」
息を整え、マイクに向かうシド
シド「魔王ミラ・レティス様、ありがとうございます。頭が真っ白になっていました。格好の良い師匠を演じなければと考え過ぎていたようです」
アムス・マリア・リサ・カイト・ロイド(ミラ!ありがとう!)
シド「新郎が私の店に初めて来たのは新郎がまだ学舎に通っている頃でした…」
シドは穏やかに過去の回想を話始めました。そして終盤
シド「披露宴用のお世辞ではなく私の技術の全てが新郎に受け継がれています。スミスの系譜が新郎を経由し更なる発展をすると確信してお祝いの言葉と代えさせて頂きます。それでは皆様ご起立ください」
司会「お手にグラスを」
シド「2人の門出を祝して 乾杯!!」
出席者「乾杯!」
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