4話
勇者でしょ?いえ農夫です。のその後の魔王ミラ・レティスの物語です。
物語を楽しむために
勇者でしょ?いえ農夫です。https://ncode.syosetu.com/n3769hp/
を先に読んで頂けると幸いです。
半年ほど経ったある日の夕方
カイト「ただいま!リサちゃ〜ん、これ明日の出荷分ね!倉庫に入れておくね!」
リサ「はい。毎日お疲れ様です。今日もまた立派なウニ、エビ、カニ、貝がたくさん!」
カイト「最近素潜りにはまっちゃったんだよね〜」
リサ「市場ではマグロが最近少ないと価格が上がってますよ」
カイト「マジか!近々釣ってくるよ!」
リサ「よろしくお願いします」
厨房に向かうカイト
カイト「マリアちゃん、相談があるんだけどいいかな?」
夕飯の仕込みをしているマリアに話しかける
マリア「いいわよ?何?」
カイト「この貝の身なんだけど」
マリア「二枚貝の身?ずいぶんたくさんあるわね」
カイト「正解、でも刺身で食べても美味しくないんだよね、釣りのエサにも向いてないみたいなんだけど…」
マリア「これを私に調理して欲しいの?」
カイト「正解、捨てるのはもったいなくてさ、酒のつまみにならないかなって」
マリア「OK!問題ないわよ!美味しいおつまみにしてあげる!」
カイト「本当!さすがマリアちゃん!ちょいちょい持ってきてもいいかな?」
マリア「え?なんで美味しくない二枚貝をたくさん採るのよ?」
カイト「ちょっと訳あり!理由は聞かないで!おつまみ楽しみにしてるよ!」
マリア「いったいなんなのかしら?」
そしてその夕飯にて
アムス「マリア、この貝の煮物美味いな!ご飯にも酒にもあうぞ!」
マリア「塩分強めだから食べ過ぎないでね」
カイト「マリアちゃんコレはアレ?」
マリア「そうよ、おつまみにいいでしょ?」
カイト「最高だよ!さすがマリアちゃん!」
ミラ「なになに?この貝そんなに美味しい貝なの?」
カイト「この貝自体は全く美味しくないんだよ!それをマリアちゃんが美味しく味付けしてくれてるんだ」
ミラ「どれどれ」
貝の煮付けを食べるミラ
ミラ「美味い!」
マリア「保存もきくからいいのよコレ。このままご飯炊く時に入れて貝飯にもなるのよ」
アムス「本当にマリアは最高の料理人だな」
リサ「当然です」
ロイド「米酒との相性が素晴らしい!」
ミラ「ねぇカイト?なんで美味しくない貝をわざわざたくさん採ってるのよ?美味しい貝を採ってよ!」
カイト「あははは〜。なんでだろね?それよりもミラちゃんウニあるよ?殻剥こうか?」
ミラ「今日もウニあるの?食べたい食べたい!お願いカイト!」
アムス「カイト、俺のも頼む」
ロイド「カイト僕のもヨロシク」
カイト「なんだよ、ウニ食べたい人は挙手!」
全員手を上げる
カイト「みんなウニ好きだな〜」
厨房に向かうカイト
ミラ「ねぇみんな、私達この先どうなるのかな?」
マリア「なによミラ、急に」
ミラ「私はこの生活が楽し過ぎて逆に怖いのよね…」
アムス「そうだな、確かに俺達は生活を皆で依存しているかも知れないな」
ミラ「私なんか1人で何もできないわよ?料理も掃除などの家事も」
アムス「はっきり言ってリサがいなければ俺もかなりヤバいな…」
マリア「リサは私の家政婦だからね!」
ミラ「ちょっと前にマリアとリサには言ったのよ、あなたたちはお年頃でしょ?人族の寿命は短い、結婚とか子供とかそろそろ考えないとでしょ?」
アムス「確かにそうだな、でなければ先の麒麟との戦いの意味が…」
神妙な面持ちで話し始めたロイド
ロイド「皆さん、実は大事なお話が…」
そこへウニの殻を剥いて戻るカイト
カイト「ウニお待たせ〜ってどうした?みんな暗い顔してるよ?」
ロイド「カイト、話を聞いて欲しいんだ」
カイト「なになに?」
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