3話
勇者でしょ?いえ農夫です。のその後の魔王ミラ・レティスの物語です。
物語を楽しむために
勇者でしょ?いえ農夫です。https://ncode.syosetu.com/n3769hp/
を先に読んで頂けると幸いです。
ミラ「ただいま〜!」
カイト「ミラちゃん!おかえり!わお!お肌が艶々ではないですか」
ミラ「そう?カイトにだけ特別に触らせてあげてもいいのよ?」
カイト「どど、どの辺りを触ってもよろしいのでしょうか?」
アムス「邪魔だ!どけエロ漁師」
にやけ顔のカイトを突き飛ばして進むアムス
カイト「誰がエロ漁師だ!農業オタクめ!」
マリア「ただいま…」
少し落ち込んでいるマリア
カイト「おかえりマリアちゃん!どうしたの?そんなにお疲れだったの?」
マリア「ごめん!大丈夫、何でも無い!それより夕飯の準備ありがとう!」
カイト「俺は切るだけ、アムスは焼くだけのシンプル料理!素材が良いからそれでじゅうぶん!ロイドが今エビとカニをボイルしているとこ!」
マリア「確かにここに集まる素材の良さは一級品よね!ねぇカイト、ウニ少し分けてもらえる?〆はウニ飯を炊くから」
カイト「ウニ飯いいね!殻むいてあるの好きなだけ使って〜♪」
マリア「ありがと!」
ミラ「冷えたビーーールをお持ちしました!乾杯しよう!」
カイト「賛成!」
ロイド「このカニ味噌最高ですよ!」
ボイルしたカニやエビを運ぶロイド
カイト「なにフライングしてんだよ!」
ロイド「溢れたカニ味噌は蒸した人が味見する!これは特権だよ!」
アムス「心底どうでも良い、みんないったん座ろう。ミラ乾杯の音頭!」
ミラ「…。死ぬかもしれない戦いから2年が過ぎたね、てか私1回死んだけど」
リサ「私も1回死にました」
アムス「俺は2回な」
ミラ「とにかくみんな生きていて良かった!本当に毎日楽しい!乾杯!」
一同「乾杯〜〜〜〜!」
カイト「ミラちゃん!ウニウニ!」
ミラ「カイト!山盛りのウニ!頂きます!」
カイト「ウニは鮮度が命!濃厚な旨みをご堪能ください」
ウニを山盛り頬張るミラ
ミラ「口の中が贅沢…」
角がニョキニョキ伸びるミラ
カイト「ミラちゃんはそのまま食べてて!カニの身を殻からほぐしておくから!」
ミラ「ありがとカイト♪」
アムス「カイト俺の分もカニの身もほぐしてくれよ」
カイト「俺がお前の分をほぐすわけねぇだろが!」
アムス「ほう、ならばこの茹でではなく焼き枝豆は貴様の口に入る事はないな、香ばしさが違うと最近話題になっている新品種なんだがな」
リサ「新王都でけじゃなく旧王都でも話題になっていますね!」
カイト「マジかよ、そんなの食べたいじゃん…。ほぐすよ、全部俺がほぐすよ…」
アムス「等価交換だな」
マリア「アムス…あなたの口から等価交換はやめて欲しいわ」
リサ「本当にその通りです」
アムス「す、すまん。俺にその時の記憶は無いんだがつい」
ミラ「カニ味噌うまーーい!何これ!?」
カイト「それでチビチビ米酒飲んだら最高なんだよ!マリアちゃんもリサちゃんも食べて食べて!」
アムス「焼き枝豆も食ってみろ」
マリア「頂きます!」
熱々の焼き枝豆を食べるマリア
マリア「香ばしい!何これ凄い!少し色が茶色いわね」
リサ「本当になんて香ばしさ!甘みもちょうど良いですね」
アムス「薄皮が少し硬いのが気になるからそこが今後の改良点だな」
カイト「刺盛りもあるよ〜!」
ロイド「この光り物美味しいよカイト!なんて魚?」
カイト「サンマな!脂がのりにのって最高だろ?」
ミラ「口の中でトロける〜」
カイト「アムス!炭はまだもつか?」
アムス「まだまだもつぞ、今モロコシとジャガイモ焼き終わる所だ」
カイト「ならその後サンマ焼くわ!これも米酒にもビールにもあうからな!大根1本引っこ抜いてきていいか?」
アムス「俺がいってくる、おろしだろ?青首大根なら今日抜いたのが冷蔵室においてあるぞ」
カイト「サンキュー」
マリア「つくづく食材が良いだけで食事って成り立つのよね…」
少し元気がなくなるマリア
アムス「どうしたマリア?お前らしくない」
マリア「料理が好きで好きで好きなんだけどここに集まる上質な素材を殺してないかな〜って思って…」
アムス「くだらん。マリアの料理より美味しい料理など食べた事がない。あるなら食べてみたいくらいだ」
カイト「アムスの言う通り!」
ミラ「目の前の素材もそれは美味しいけどマリアの料理と比べる事はできないわ!こないだのトマトソースのパスタ!アスパラ、オニオン、ベーコン、絶妙なバランスだった!それこそ食べる幸せってコレって感じよ!」
ロイド「マリアさんの凄い所は朝ご飯を食べた後に昼ご飯が待ち遠しい、そして夕飯が待ち遠しいって毎日思う所です」
マリア「みんなありがとう、嬉しいわ」
アムス「まだまだあるからな!残さず全部食べるぞ!」
マリア「残してもちゃんとリメイクして朝出すわよ」
そして酒盛りも終盤になった頃
マリア「ロイド、スミスの系譜のその後はどうかしら?」
ロイド「全ての部署が国有ではなく会社化して運営しています。マリアさんの軍事力放棄の宣言はとても強烈でしたからね」
マリア「かなりの反発があったのは理解しているわ」
ロイド「職人達を路頭に迷わせる事にならないようにホワイトスミスとレッドスミスを合併して鍛冶全般の会社にしました。ブルースミスは馬車に代わる車輌制作会社、グリーンスミスが漁船などの非戦闘用造船会社になりました」
リサ「人族の軍事力放棄は魔族との信頼を深めるのにこれほど良い手はありませんから」
ミラ「そうね、ほとんどの魔族が共存を受け入れたからね。でもごくわずかだけど今でも反対している魔族がいるのよ、悪さしないように監視しているけどね」
マリア「人族も根深く魔族を嫌う者は大陸の東に移住しているようなの、私達がなんとか理解してもらえるようにしないと…」
ミラ「問題はまだ山積みよね…」
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