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プロローグ 『バッドエンド』

第一章 始まりは突然に

ーーこれで全て終わる。


 右手に巻き付けた鎖と、封呪と書かれた日本のオフダを剥がした。

 指先から肩まで真っ黒の右手を、いま眠っている少女に触れようとしている。


「おい、ジャック!何躊躇してんだよ!早く触れろよ!」


 この少女を殺せば全て終わる。俺は許され平穏な日々を取り戻せる。


ーー許してくれ。

 俺は少女の右頬に触れーー



 はぁ。いったい君は何度繰り返せば運命を変えてくれるんだろうね。

 それとも、抗えない運命なのかな。

 

 僕にはもう時間がないんだ。

 僕の時間が無くなると、もう時を戻す事も出来なくなる。


 次が恐らく最後の世界になるだろう。

 さて、見届けようか。


 新しい世界を。


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