1/1
プロローグ 『バッドエンド』
第一章 始まりは突然に
ーーこれで全て終わる。
右手に巻き付けた鎖と、封呪と書かれた日本のオフダを剥がした。
指先から肩まで真っ黒の右手を、いま眠っている少女に触れようとしている。
「おい、ジャック!何躊躇してんだよ!早く触れろよ!」
この少女を殺せば全て終わる。俺は許され平穏な日々を取り戻せる。
ーー許してくれ。
俺は少女の右頬に触れーー
はぁ。いったい君は何度繰り返せば運命を変えてくれるんだろうね。
それとも、抗えない運命なのかな。
僕にはもう時間がないんだ。
僕の時間が無くなると、もう時を戻す事も出来なくなる。
次が恐らく最後の世界になるだろう。
さて、見届けようか。
新しい世界を。