02 黒髪の美少女
私以外に、誰もいない電車。
唯一の例外として、私に寄りかかって寝ている、黒髪の少女。
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・誰?(汗)」
(知らない人・・・・・・だよね)
とりあえず、声をかけてみる。
「あ・・・あの・・・・・・
ちょっと」
「ん・・・・・・」
反応が返ってきた。
(なっがい手足・・・・・・!)
彼女の日本人離れしたプロポーションに驚く。
まるでモデルみたいだ。
(―――あれ?
同じ制服・・・・・・?)
白い半袖ブラウスにリボンタイ。
濃紺のプリーツスカート。
彼女は、私と同じ学校の生徒なのだろうか。
「んん~~~っ」
黒髪の少女が背中を反らして、悩ましげな声を漏らした。
私はその声と表情に、目を奪われる。
ずるい。
スタイルだけじゃなくて、顔まで一級品だ。
ミディアムショートの黒髪は艶やかに、人形のように整った顔にはらりと垂れかかる。
その目は閉じられたままだが、長い睫毛が艶やかで美しい。
「くふ・・・」
彼女は小さく息を漏らすと、再び私に寄りかかって寝息をたて始めた。
色気がありすぎる。
私の鼓動は痛いほど早く打ちつけ、自分の顔が熱くなるのを感じる。
(・・・って私!!
なに女相手にドキドキしてんのよーっ!?)
ひとりドギマギしている私を、見ている影があったのだけど、とうぜん私は気付いていない。
その影は、隣りの客車から、私と隣りの美少女を凝視していた。
そして、ためらいがちにノブに手を伸ばし、思い切って勢いよくドアをスライドさせた。
こうして私は、やっとその人物の存在に気付く。
それは、不機嫌そうな表情をした、金髪碧眼の少女だった。




