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異世界だけど優しい世界だった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにこれ

俺は自分の部屋で、ベッドに早々に寝かしつけられ、兎だか猫だか分からないぬいぐるみを腕に抱かせられ、おでこに熱冷ましシートみたいな薄いのを貼られて寝かされた

・・・魔族の皆さんは、素早いのですね

うん、もう・・・何か、疲れた・・・驚きすぎて、疲れた


眠くなってきたし、丁度いいや。寝ちゃうとしましょう・・・うん・・・


「お嬢様、辛かったら魔法にて音を鳴らして知らせて下さいね」

「・・・マホ~・・・?はーい・・・」


なんだそりゃ、とか言うのは言いたいけどなんか当たり前っぽいので下手な事言ったらますます酷く病気認定されかねない・・・圧倒的に俺は情報が足りてないのだ、この屋敷から追い出されでもしたら大変だ、大人しくしてよう・・・

そう思って俺は眠りについた

・・・

・・


「おはようございます、お嬢様。具合はいかがですか?」


カラカラと台車を押しながらやって来たのは昨日俺を部屋まで抱えて廊下を滑るように飛んでくれたメイドさん

台車の上には洗面器、タオル、洗顔材・・・二代目には何故かティーポット、みたいな水差し南画かお湯何だか分からない液体入れと、昨日見た緑色の液体エックス

うぇえあおくrっでwふぇmn・・・


また飲まないと、いけないのですね・・・ハハハ・・・はぁ・・・


ちょっぴりだけ、これは夢なんじゃ無いかなーとか思ったのにな・・・

あとは、あの少女の声の人に説明してくれないかなぁーとか思ってたりしたのにな・・・

そんな親切は無かったぜ

普通に起きたら昨日の寝かされたベッドで、部屋だったぜ・・・


まじで、なんなの・・・

死んだら異世界転生ってやつなの?

好きに生きて良いの?それとも何かさせたいことでもあるの?

あと何で魔族なの

人間環境に悪い事しすぎじゃない?

そして謎の緑色の液体は、何で出来てるの


もう分かんないことだらけだよ・・・

現代っ子舐めんな、メンタル弱いんだよ?家に帰して・・・

お仕事も俺の分まだあるのに・・・いや仕事よりも今はさ、この魔族とか言う人達に、いやその味覚に、生活に、ついて行ける気が、全くしないのですが・・・

せめて・・・せめて元人間の俺に説明というお慈悲を下さい


後食事の改革を!不味いのは嫌だ!何とかして神様仏様!

せめて水が・・・ちゃんとしたお茶が、欲しいです・・・

そうこうしている内にぱぱっと顔を洗われ、いよいよ液体エックスを手渡された


「お嬢様、朝のグリーン茶です」

「・・・あい」


まだですか

助けは来ないのですね・・・

アア、苦い苦い苦いまずいまずいい!!!

ぐああ、と内心で叫びつつも何とかお茶という名の何かを無理矢理流し込む

ひょっとして一晩で味覚が慣れて、美味しくなってたりしないかとか言う希望は一瞬で粉みじんにされ苦いまま我慢して飲み下した

同じ苦みが売りの飲み物のコーヒーや抹茶が恋しい

コーヒーや抹茶の方が数億倍マシだ!これは青臭いし、とにかく不味い


「・・・」

「具合は良くなさそうですね・・・今日のお稽古はお休みしましょうか?」

「おけーこ?」

「はい、今日は魔族王朝の基本文字、数字を勉強後魔力操作のお稽古をする予定ですよ」


なんと、文字とこの世界の数字、それに魔力うんちゃら?を習えるとな!

所謂この世界で基本、チュートリアル!

受けねば!魔法が使えるようになるのは一寸楽しみだし、文字を憶えるのは大事だ

情報収集的に考えて!てかこのままなら俺が奇病にかかったと思われる!

貴重な情報源、潰す訳にはいかないぜ


「がんばる!」

「・・・お嬢様は魔力操作のお稽古がお好きですものね」


へぇ、そうなんだと思ったけど、頷いておく

メイドさんはクスクス笑って俺の手からコップを受け取った

メイドさんにベッドから降ろされて、服を数点クローゼットから出された


「ルールウド様に教えて貰うのですものね。ふふふ、楽しみですね?」


子供が子供に教えるのか・・・

トラブルとかに対応できるのか、それ・・・

良くある暴走とかさせない、自信があるのかな・・・

キッと、幼女メイドちゃんがいってた『りゅーりゅうどしゃま』って言うのが『ルールウド様』なんだろうしそれが兄の名前なんだろうな・・・


ここはとにかく、無難に頷いておくか・・・

メイドさんに怪しまれてしまうしな


「うん!」

「本日はどのお召し物がよいですか?」

「んー・・・」


そう言ってメイドさんがとりだしてきたのは、綺麗な服を二着もだした

凄ぇ、どっちも高そうな服・・・

水色とオレンジのワンピース方をした手触りの良いドレスを出された

デザインなんかは分からないけど、水色はレースがついてて、オレンジは大きなリボンが後ろの腰部分についてる

両方共襟元はシンプルに小さいリボンがついてる


・・・これよそ行きっぽく無い?

何かやたらと豪奢なんですけど

手触りめっちゃ良いんですけど

絹製と言われても納得するようなさらさら具合なんですけど!!!!!!

スタジオあり●とかで写真を撮るときに着るようなドレス見たいな装飾ついてるんですけど、コレはいったい・・・え、この服はミーシェちゃん(俺の前のミーシェちゃんの事ね)の私服ですか?普段着なんでしょうか、それとも今日は特別な何かなのでしょうか


とか思って困惑していると、いつの間にか幼女メイドちゃんがやって来て髪飾りを入れてある箱をもってやってきた

きらきらしている宝石がリボンに括り付けている数々の髪飾りがいれてある

凄ぇ・・・宝石店顔負けだぜ?後埋め込んであるのとか、ワンポイント代わりなのか、中央の所にでかい宝石、しかもルビーっぽいのあったり・・・うん、とにかく凄そう


流石は貴族のご令嬢様・・・

中身が男で、俺だというのを除けば純粋にもっと凄いと思えるだろうし喜ぶだろうに・・・


「みーしぇしゃま、きょーはオレンジ色のどれしゅでしゅか?水色どれしゅでしゅか?御髪のかじゃりはどちらにしましゅか?」

「んー・・・オレンジのドレスでしたらこの髪飾りで如何でしょう」

「うん・・・それにして」


詳しく分かんねぇから、もうメイドさんの言うとおりでいいや

一応メイドさんだって身の世話をするプロだし、お任せしちゃおう

するとメイドさんが微笑んでぱちりと指を鳴らした

それだけであっという間に、まばたきもする魔が無い位に俺の寝間着が選ばれたばかりのドレスに替わった


す、すっっっっっっっげぇ!たった一回、指鳴らしただけで着替え終わってる!

何それ便利!教えて貰いてぇ!忙しい出勤前に是非共時間の有効活用として採用したい!

化粧も、髪を纏めるのも、一瞬!すげぇ!

とと、人知れずひっそりと興奮してたら何故か俺はベッドに座らされた

何されるんだろと思ったら、今度は靴を黒か赤のパンプスか、短めのブーツが良いかとか・・・足下のことを言われたのでこれもお任せして、パンプスに決定された

おおお、すげぇ・・・何も分からない、呆けてる間にあれよあれよと色々と決まっていく・・・


身支度が終わったのでメイドさん二人は頭を下げて退出していった


残ったのは広い部屋に、俺一人だけ

スィートホテルの一室みたいな広々とした部屋に子供一人だけ・・・

部屋を改めて見回してみると今いる場所は無駄にでかいベッドとサイドテーブル、それにさっきまで着ていた寝間着(いつの間にか、寝間着は畳まれてベッドの掛け布団の上にちょこんと乗っていた)に、へんてこな形をしている、訳の分からない物達がそこら中においてある

無難に触ったりしない方が良いと思えたので、分からない物達には一切触らず、俺はベッドから降りて扉を開けて寝室から出てみる

そこには広々とした部屋で、大体日本で言うと130畳くらいの広さの部屋で子供用の机と椅子、部屋の半分は本棚と本に囲まれていて、子供部屋と言うより一寸した書庫だ


なんだこれと思いつつ昨日はこうじゃ無かったはずだと記憶をさかのぼる・・・

しかし、やはりこんな書庫みたいな部屋じゃ無かった

昨日はどちらかというと女の子みたいな可愛らしい部屋だったはず・・・


ぬいぐるみや可愛らしい小物入れ、猫のキャラクターの描かれた棚に、数冊の本が入ってる小さな棚、子供用の勉強机だけだったはず

やたらと少女趣味な物があるなとしか印象に無かったから、憶えてるのそれだけだが、こんな書庫顔負けの本棚や本はなかったぞ?どうなってるんだ?


「あれ、どうしたの、ミーシェ」

「あ、えっと・・・」


声を掛けられたので振り返るとお兄様がいた

えっと、ここは俺の部屋として宛てられた部屋じゃ無いの?でもやっぱり昨日と違うし、迷い込んだのか?でも、俺寝室から出た途端にここに出たし・・・????


「・・・ね、お兄ちゃんに言いたいことあるの?」

「・・・寝てるとこから出たらここに来ちゃった・・・」

「・・・・・・ミーシェ、そんなことも忘れたのかい?」

「?」

「・・・否、寧ろ知らないんだね?」


何故か一人で納得され、頷かれた

知らない、と言われて一寸どきっときてしまったが俺には説明の無いまま、成る程成る程となにか納得された・・・何が分かったんだろうか


お兄様は俺を手招きして長机のあるところへ進ませ、椅子に座らせた



次回、ルールウドくん(ミーシェちゃんの兄)に昇次が色々と説明して貰うことになります


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