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異世界だけど優しい世界だった

幼女メイドちゃんに新情報として自分(少女)に兄が居ることが判明

会いに行くしかない!

会ってみたよ


では俺事妹(?らしい)はどうするべきか?駆け寄るほか無いだろ

よちよち歩きなメイドちゃんについてゆっくりと案内してもらう

本当は駆け寄りたいけど、こっちのメイドちゃんが心配になるし、何よりオレはまだこの屋敷の正確な部屋どりや、兄がいる場所を知らない


だからうんしょ、うんしょいって階段を一段ずつ降りてるメイドちゃんを待っててあげる

可愛いな、和む・・・何でこうも幼児の行動って見てて和むんだろ

何とか降りきった階段を後にして幼女メイドちゃんの案内で先程ドラゴンパパさんとエルフママさんとで通った一階のロビーっぽいところに来た


そこにはドラゴンパパさんとよく似てる雰囲気の、眼鏡の壊れかけてるみたいな、片方しか無いのをかけた青少年がいた


は、兄といってもかなり離れてんなぁ・・・と思ったが、考えてみりゃドラゴンもエルフも長寿の生物だし何ら可笑しくは無いかと思い直した

俺が青少年に声を掛けようとしたら、何故か一礼され、その青少年は後ろに下がり、斜め後ろに行くと正面を開けた

そして当然のように後ろにまだ5歳児くらいの、小さな男の子が歩いてきた


あ、兄ってこっちの子供か

俺とよく似てる、紫色の目に程長い爬虫類の瞳孔

短い髪は癖っけであちこち跳ねている物の、一応整えてある

仕立ての良さそうなピシッとしたシャツに、リボン方ネクタイ、黒のズボンにスーツのようなブレザーを上からきている


髪の毛の色はオレンジがかっている金色で肌はそこそこ明るく健康そうだ

先程の青少年はそのお兄様の従者で、きっと俺の隣に居る幼女メイドちゃんと同じ立ち位置だろうと思う

お兄様の子供用のコートを受け取り、頭を下げていることからもそう覗える


「ミーシェ、只今!」

「おかえりなさい!」


俺がそう言うとお兄様は子供とは思えないほどの早さで駆け寄り俺を物凄く力強く抱きしめだした

め、めっちゃいたい!後何あの早さ!

まばたきした途端に抱きしめられたんだけど!?

そして抱きしめと言うより締め付けなんだけど!


「ミーシェ、イイコにしてた?」

「し、してた、してた!痛いよ」

「あ、ごめんごめん」


なんなの、もう・・・子供だからといって油断してたけど、このお兄様は確かにドラゴンパパさんの子供だわ・・・あー、いてぇどんな馬鹿力だよ・・・

てか俺も同じドラゴンパパさんの子供だよね、何でこんなに力の差があるの・・・男女で関係があるとかかな?今の段階では不明だな、うん

どうやら俺はお兄様に捕まってしまったままらしい

手加減して優しく握っているお兄様だが爪が長い為、一寸だけあたって痛い


「みーしぇしゃま、りゅーりゅうどしゃま、そりょそりょおくしゃまのすーぷができるころでしゅよ」

「あ、そうだね。行こうかミーシェ。」


ひょいっと子供の体なのに子供の俺を抱き上げてまるで軽い物を運ぶように持ち上げた

青少年も、俺の従者の幼女メイドを軽々持ち上げて、二人してどこかへと移動し始めた

そしてその移動が、また・・・


床から足を浮かせて、氷の上をすげるかのようにスイーっと横滑りしていく

ふぁああああああ?!と大声を上げなかったのを褒めてくれ

ぱさ、ぱさと羽ばたきも数回程度で、良い香りの漂う二階の一部屋にたどり着いた


手が塞がっているからどう開けるのかと思ってたけどカチリっと音がしてドアが開いた

中から誰かが開けたのかな、とも思ったけどドアの近くには誰もいなかった

へぇ、魔族の家は自動ドアか、進んでるなぁ

否違うのかも知れないけど、俺の目には自分でドアが勝手に開いたように見えたからさ

意外に科学とか機械系の技術、進んでるのかも


ラノベとかファンタジーって大体ヨーロッパの中世くらいの文明でって言うのが多いし

いやそもそもヨーロッパの中世時代なんかの文明なんか知らんけど

現代っ子舐めんな。AI搭載ばりばりの機械や科学用品に囲まれてる、声一つで検索や灯り付けたり音楽、ゲームありありの俺の知識なんざ当てにならんぞ

コンビニで殆どまかなえてて、下手すりゃ野菜もそこで取れたり洗剤も何もかも一人暮らしなら困んねぇような、現代っ子だぞ


・・・そう思ったら、俺今通勤途中で死んだはずだし会社どうすんだろ・・・とか心配になってきた・・・会社に連絡・・・入れらんなかったなぁ

いやまぁ「俺電車に轢かれてばらばらになっちゃいました、行けません。申し訳ない」なぁーんて言いっこないけどさぁ・・・

そんな連絡来たら俺でも信じねぇし、俺の上司なら馬鹿いってねぇでさっさとこいで終わるわ。うん、間違いない


ふぅ・・・考えたって仕方ない


何か俺行き成り異世界でドラゴンとエルフの子供っぽいし・・・

お兄様もいるし・・・

やってけるか心配すぎて胃が痛むよ・・・

こっちに来る前、引かれてるときに聞こえた少女の声も、あれっきり何も言ってこないし、事情の一つも無いし・・・せめて説明してくれ・・・説明義務、はよ!


この世界のことを一寸でも良い、この俺の家族らしい貴族様方の説明でも良い、誰かどういうことだか、俺に何をさせたいのか、説明はよ!はよ!

と、いっても幾ら心の中で思っても何一つ返答は無し。

悲しいけどこれ、現実なのよね・・・


そうこう考え事している内に、俺はお兄様の手で子供用の背の高い椅子に座らされ、首元にナプキンを着けて貰った

俺の面倒を嬉々としてみてくれたお兄様は早々に自分も俺の隣に座り、同じくナプキンを首元につけて、大人しくしてる

こういう所を見るとやはり貴族っぽさがにじみ出ているというか、気品漂うというか・・・

良いとこの坊ちゃんだな、と思う

エルフママさんと、お兄様と俺とが座り終えるとメイドさんと執事さんがやってきた

お父さんはどうしたんだろう。良いのか、来る前に料理の方が先に来て・・・


そうこうしているうちに、メイドさん達によって運ばれてきたお皿の上に、映画やドラマで見るような銀色の蓋が被さっている物が運ばれてきた

すっげー、初めてリアルに見たよ

中に何が入ってるのか分かんねぇけど、何か凄そう


メイドさんが早々に一個、大きい皿を置いて、その後に俺の目の前の銀色のコップに毒々しいまでの緑色をした飲み物を注いだ

・・・わぁ、すっごく緑色!素敵。

見てみて、向こう側が一切見えない位濁ってる、グリーンジュース(笑)

青汁なんかより余程緑だし、絵の具より濃い緑色。

この世界の誰がどう言おうとも、現代日本生まれの俺からしたら、あり得ない色

アメリカの毒々しい食べ物よりもずっと・・・緑です


俺はこれを口にして良いのか分からない・・・


野菜ジュースだよーといわれても、着色料使ってないよーといわれても、俺はこれを口にして良いのか分からない

見た目からして飲み物じゃ無い位の緑色で、うっすら濁ってる

・・・飲むのか、これを・・この液体エックスを、飲めというのか・・・

お兄様をこっそり横目で見ると、なんと笑顔で緑の液体を飲み干してる


うわー、凄ぇ・・・じゃなくて、俺も飲まなきゃいけない、ンだよな・・・

ええい、何弱気になってんだ俺!この世界で生きてくなら飲み物一つでうろたえ・・・

うろたえ・・・うろ・・・


・・・・・・・・・・・・・うん、むり。

俺、この世界でやってけるのかな・・・

この緑の液体エックスを口に含むことすら無理だよ・・・

抵抗半端ないもん・・・


お母さんが不思議そうにしてるけど、うん、もっと普通の飲み物無かったの?

水で良いんだけどなぁ・・・


「おみずないの?」

「「は?水?あんな毒を飲む気なの?!」」


少なくともこの緑の液体よりずっと信頼できるわ!って一寸待て水が毒ってどういうことだ!?飲み水の一つも無いのか?


「おみず、ないの?」

「・・・水は、人間達が汚くしてしまったせいで飲めないのよ?それに、ここは小山の高いところにあるの。運ぶには大変なのよ?何時もの様に、グリーン茶で我慢しましょうね」


おお、お茶・・・イヤイヤお茶にしては濃い色ですよ?

透明度のとの字も無い

それとさりげなく、ここの標高が高いことを教えて貰った

道理で寒い訳だよ

庭デビューといっても雪だらけだったはずだよ


それと人間さん達何やらかしてんの?水汚したらちゃんと浄化してから放流してね!

病気になるでしょ!水回りの疫病って怖いんだからね!いやしらんけど、怖いってどこかで習ったような、本で読んだような・・・?なんだっけ?工業廃水垂れ流しにして、物凄く流行病になったとかって合った気がするし、衛生的に良くないのは確かだよね・・・


まぁええわ、ソンな事言っても一晩二晩で解決するような問題じゃないし

今大事なこと、それは・・・!

俺は、この緑を飲まないといけない、そのことだ・・・

お、お茶って言うくらいだから一度はきっと沸騰した物だろうし、これはやはり飲み物だ

お兄様も嬉々として飲んだ事から、常に飲んでいるものに違いない


・・・チャレンジ精神は、大事だぞ俺

お母様の言うとおりなら、俺の意識が気がつく前の、この子も飲んでいたものだぞ、俺

これは薬、これは薬これは薬・・・!!!


俺は思いきって一寸だけ口を付けてみた



結果

・・・渋い後に、砂糖の甘さでめっちゃ誤魔化してる、ざっさうの味。

あぁ、やはり見た目通り、美味しくは無いのね・・・

青臭さ、苦み、そして何より後味最悪、甘ったるさで何とか誤魔化そうと悪あがきしてしこたま甘くしただけの、水分・・・

俺は、これを飲み物と認識しなければならない・・・のか・・・

一言で言うなら、不味い

二言で言うならもう口にしたくない


せ、せめてミルクで薄めるとかして欲しい・・・


「みるくないの?」

「「ミルク?!あんな毒を飲みたいの?」」


人間さん、何してくれてんの・・・あれこれ一寸前に似たようなやり取りした気が・・・

メイドさんが申し訳なさそうに顔をしかめつつ教えてくれた


「お嬢様、この屋敷は小山の高いところですので人間の物は運びこれませんし、人間共のものは我らの魔力に適応しておりません」

「???」

「人間さんの食べるのは僕達魔族には毒なんだよ、ミーチェ」


何・・・だと・・・あぁ、マジか・・・食事も期待できないじゃないか・・・

飲み物があんまりだから、それを補おうと、薄めようとしたのにそれも駄目なのですか、神様・・・


「?風邪でも引いたの?そんなこと当たり前なのに。」

「あらやだ、だから庭デビューは早いといったのに。ミーチェ、頭は大丈夫?痛くない?食事を少しでも取った後はお薬飲みましょうね。アラン、子供魔族用のシロップ薬を出して頂戴」

「はい、かしこまりました。」


あぁ、何と言うことだ、俺の意見は聞かずにさっさと用意される風邪薬や、暖かい上着

さらには温かいスープもろくに冷まされず数回せっせと口に放り込まれ、あっちぃ!と内心騒いでいる内にもってこられたクソ甘い液体(ガムシロップも目じゃないくらい甘ったるいなにか)を口に押し込まれ、呆けている間に背の高いメイドさんにひょいと抱えられ、あれよあれよという間に自室だという部屋に戻されてしまった


トントン拍子で会話が進み、内心話に置いてけぼりを喰らう主人公の昇次

行き成り今まで言わなかったことを言い出す娘に両親も戸惑う

次回、医者を呼ぶのか・・・果たしてどうなってしまうのか(嘘です医者は呼びません)

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